【2024年最新】東京都で利用できる太陽光発電の助成金・補助金は?もらえる条件や補助額をチェック!
「自宅に太陽光発電システムを導入したい」と考えたとき、真っ先に気になるのが「費用」ではないでしょうか。そこでおすすめなのが、太陽光の助成金・補助金を活用する方法です。
東京都および都内の自治体では、太陽光発電システムの設置に対し利用できる「助成金・補助金制度」を実施しています。
助成金・補助金制度を上手く活用すれば、おトクに太陽光発電を始めることも可能ですよ。
本コラムでは、東京都で利用できる最新の太陽光発電の助成金・補助金制度について、応募要件や特徴、申請時の注意点をお伝えします。
また2024年度に利用できる【国の太陽光助成金】についての解説や、助成額・総支払い額のシミュレーション、注意点についてもご紹介しています。
東京都で太陽光発電をご検討中のご家庭は、ぜひご参考にしてみてください!
目次
【2024年】東京都の太陽光発電助成金・補助金制度
東京都では、都が実施する助成金・補助金制度を利用できます。
また区によっては太陽光発電システムの設置費用に対し補助金を交付しているところもあり、それぞれ併用も可能です。
両方を活用することで、おトクに太陽光発電を導入できます。
本項では東京都主導の助成金・補助金事業のほか、区で実施している補助金制度についてご紹介します。
【東京都全域】令和5年度 家庭における太陽光発電導入促進事業(災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業)
要項 | 概要 | |
助成金・補助金の名称 | 令和5年度 家庭における太陽光発電導入促進事業(災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業) | |
対象となる要件 | 東京都に住居があり、かつ居住中の住居または敷地内に新規で未使用の対象機器を設置した方 ・太陽光発電システムにより供給される電気を、太陽光発電システムを設置する助成対象住宅の居住の用に供する部分で使用するものであること ・太陽光発電システムを構成するモジュールが次のいずれかの認証を受けていること ア 一般財団法人電気安全環境研究所(JET)が定めるJETPVm認証のうちモジュール認証を受けたものであること若しくは同等以上であることイ 国際電気標準会議(IEC)のIECEE-PV-FCS制度に加盟する認証機関による太陽電池モジュール認証を受けたものであること(認証の有効期限内の製品に限る。) ・対象機器について、都及び公社の他の同種の助成金を重複して受けていないこと ・太陽光発電システムの発電出力が50kW未満であること。 | |
助成・補助金額 | 新築住宅 | 3.6kW以下:12万円/kW(上限36万円)3.6kW超:10万円/kW(50kW未満) (但し太陽光発電システムの助成対象経費の合計金額を上限とする) |
既存住宅 | 3.6kW以下:15万円/kW(上限45万円)3.6kW超:12万円/kW(50kW未満) (但し太陽光発電システムの助成対象経費の合計金額を上限とする) | |
※その他架台設置、防水工事を行う場合は上乗せで助成あり ※優れた機能性を有する太陽光発電システムを導入する場合も上乗せあり(条件に応じて2~5万円kW) | ||
申請期間 | 2023年6月30日~2024年3月29日まで(令和5年度) ※事業そのものは2027年度まで継続(助成金交付は2029年度まで) | |
申請するタイミング | 着工前 | |
補足 | 設置後に交付申請兼実績報告の提出が必要 | |
HP | https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/fam_solor |
特徴
東京都の家庭における太陽光発電導入促進事業では、住宅の種別と太陽光発電システムの出力に応じた助成が受けられます。
太陽光発電システムの出力が大きくなるほど上限額も拡張されるようになっており、新築住宅では最大約500万円、既存住宅では最大約600万円も助成される点が大きな特徴です。
住宅の種別 | 出力 | 1kWあたりの助成額 | 上限額 |
新築住宅 | 3.6kW以下 | 12万円 | 36万円 |
3.6kW~50kW未満 | 10万円 | 499.9万円 | |
既存住宅 | 3.6kW以下 | 15万円 | 45万円 |
3.6kW~50kW未満 | 12万円 | 599.8万円 |
なお、東京都では蓄電池を設置する場合の助成制度も行っており、太陽光と併せて助成を受けることもできます。
また、区などの自治体主導の助成金制度との併用も可能です。
申請時の注意点
東京都の家庭における太陽光発電導入促進事業は令和9年度までの設置工事を対象としており、次年度も継続すると発表されています。
令和6年度(2024年度)の適用期間や要項については今後発表が待たれますので、令和5年度の申し込みに間に合わない場合はクールネット東京のページを確認してみましょう。
また、交付条件として「指定の太陽光発電システムを導入すること」「設置後に交付申請券実績報告を行うこと」などの条件が設けられています。
こちらも必ず確認し、確実に交付が受けられるよう準備を進めることをおすすめします。
区の助成金制度
東京都においては、市や区でも独自の助成金・補助金事業を実施しています。
2023年度実施の補助金事業については軒並み募集を終了していますが、2024年度も引き続き実施される可能性があるため、都の助成金・補助金制度と合わせて都度確認されることをおすすめします。
※ここでは参考として、23区内で実施された直近(2023年度)の補助金制度の一部をご紹介します。
【東京都荒川区】令和5年度荒川区エコ助成 ※受付終了
要項 | 概要 |
助成金・補助金の名称 | 令和5年度荒川区エコ助成 |
対象となる要件 | 荒川区に住所を有する区民、事業者、管理組合等で、かつ区が指定する設備の設置・改修を行うことが条件。 【設備】 ・太陽光発電システム ・家庭用燃料電池装置(エネファーム) ・家庭用蓄電システム (電気自動車・住宅間相互電力供給装置 V2Hも対象) など その他、助成を受けるには以下の条件を満たす必要あり。 ・特別区民税・都民税及び国民健康保険料を滞納していないこと。 ・設置する住宅の販売・譲渡を目的としていないこと。 ・この制度に基づく同一項目の助成を過去に受けていないこと。 ・設置する機器は未使用であること。またリースでないこと。 ・助成対象の項目に対し、区から他の助成金等を受けていないこと。 ・高断熱窓への改修については、国からの補助金を受けていないこと。 ・令和6年2月15日(木)までに申請書一式を提出し、区の交付決定後に、工事を着工できること。 ・交付決定後、令和6年3月15日(金)までに、実績報告一式を提出できること。 |
助成・補助金額 | 太陽光発電システムの設置については本体費用、施工費用等が対象。1kWあたり5万円を補助。 助成上限は施工業者が区内事業者か区外事業者で変わる。 区内事業者:上限30万円 区外事業者:上限25万円 |
申請期間 | 2023年4月3日~2024年2月15日 ※2024年2月現在は募集受付を終了しています。 |
申請するタイミング | 着工前 |
補足 | 【太陽光発電システム機器の条件】①(一財)電気安全環境研究所(JET)の「太陽電池モジュール認証」を受けているか同等以上のもの。 ②太陽電池モジュールは、最大出力(kW単位)が明示されているもの。 ※発電した電力を全量売電するものは対象外 |
HP | https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a024/kankyou/shoene_ondantaisaku/4eco_jyosei.html |
特徴
令和5年度荒川区エコ助成は、東京都荒川区で実施された助成制度です。
要件を満たしたうえで太陽光発電システムを設置する場合、区内事業者を利用すれば最大30万円、区外事業者なら25万円が助成されます。
申請時の注意点
令和5年度荒川区エコ助成の募集受付は2023年12月15日時点で終了しています。
2024年度の募集については4月以降のHPにて発表される予定とのことなので、利用を検討される方は時期を見てチェックしてみましょう。
また、発電した電力を全量売電する場合は対象外となります。
【東京都葛飾区】令和5年度《個人住宅用》かつしかエコ助成金 ※受付終了間近
要項 | 概要 |
助成金・補助金の名称 | 令和5年度《個人住宅用》かつしかエコ助成金 |
対象となる要件 | 区内の自ら居住する(予定を含む)住宅に、以下の対象機器等を導入する個人等が対象。 ・太陽光発電システム ・エネファーム(家庭用燃料電池装置) ・蓄電池 ・ビークルトゥホームシステム(V2H) ・ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS) など ※初めから導入された建売住宅を購入する場合も対象 |
助成・補助金額 | 太陽光発電システム:上限40万円 (1kWあたり8万円) ※蓄電池併設の場合は5万円が加算 蓄電池についても助成対象経費の4分の1(上限20万円/戸建)が助成される |
申請期間 | 2023年4月3日~2024年3月29日(最終日必着) |
申請するタイミング | 着工前(対象機器付きの建売住宅を購入する場合は引渡し前) |
補足 | ・追加補正予算しだいでは補助金が減額される(または打ち切られる)可能性あり ・過去10年以内に同じ補助金制度を利用していた場合、その機器の買い換えでは申請できない |
HP | https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000062/1023018/1030818.html |
特徴
令和5年度《個人住宅用》かつしかエコ助成金は、東京都葛飾区で実施されている助成制度です。太陽光発電システムを設置する場合は最大40万円、蓄電池を併設する場合は+5万円が助成されます。
加えて蓄電池そのものも助成対象(戸建は上限20万円)となるため、両方合わせると最大65万円の助成が受けられます。
新築住宅の建築、リフォームだけでなく、対象機器付きの建売住宅を購入する場合も対象となります。
申請時の注意点
2024年2月現在、募集は継続していますが、当初予算の枯渇により補正予算で対応しているため交付に遅延が発生しています。
状況次第では申請期限前に制度が打ち切られる可能性もゼロではないため、常に最新の情報をチェックしておくと安心です。
また交付申請が受理された場合も、入金までに最大6ヵ月かかる点、および助成金額が変更になる可能性がある点をふまえて申請を検討されることをおすすめします。
【東京都新宿区】新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度 ※受付終了間近
要項 | 概要 |
助成金・補助金の名称 | 令和5年度 新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度 |
対象となる要件 | 新宿区内に居住している方で、その住宅に補助対象機器等を自ら使用する目的で設置又は施工した方 【対象機器】・太陽光発電システム・蓄電池システム・CO2冷媒ヒートポンプ給湯器(エコキュート)・家庭用燃料電池(エネファーム) など ※太陽光発電システムについては、一般財団法人電気安全環境研究所(JET)もしくは、IECEE(国際電気標準会議電気機器・部品適合性試験認証制度)に基づく認証機関による太陽電池モジュール認証をうけたものが対象 |
助成・補助金額 | 太陽光発電システム:1kWあたり10万円/上限30万円蓄電池システム:1kWhあたり1万円/上限10万円 |
申請期間 | 2023年4月17日~2024年3月31日 |
申請するタイミング | 施工完了後 |
補足 | ・施工及び支払いまで完了した上で、申請書及び各添付書類等が提出可能なこと。提出期限:令和6年3月31日(日)・施工完了日と支払完了日の間は1年以内であること。・導入した補助対象機器等が、未使用のものであること。中古品やリース機器は対象外。・過去に本制度に基づく同一機器の補助を受けていないこと |
HP | https://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/shoenergy.html |
小見出し:特徴
新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度は、東京都新宿区で実施されている補助金制度です。
太陽光発電システムに加え蓄電池やエコキュート、エネファーム、その他断熱対策としての塗装・断熱窓なども対象範囲となっています。複数利用する場合はまとめて申し込むことも可能です。
太陽光発電システムについては上限30万円、蓄電池については上限10万円と、区単位での補助金の中でも高額の補助が受けられます。
また、施工完了後の申請というのも特徴です。
小見出し:申請時の注意点
新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度は、2023年4月1日(土)~2023年3月31日(日)に完了日を迎えたものが対象となります。
完了日は「施工・支払いどちらも完了した日」のことで、それぞれの日付が異なる場合はどちらか遅いほうの日付を完了日とします。
2024年3月31日を過ぎて完了日を迎えた場合、本制度の対象外となりますので注意しましょう。
2024年度に利用できる国の太陽光助成金・補助金制度はある?
結論から申し上げれば、現時点において2024年度に利用できる国の太陽光助成金・補助金制度はありません。
ただし、2023年度には複数の国の助成金・補助金制度が実施されていたことから、今後リニューアルして実施される可能性もゼロではありません。
【2023年度に実施されていた国の太陽光助成金・補助金】
- ZEH支援事業:ZEH…上限55万円/戸、ZEH+…上限100万円/戸
- 次世代ZEH+(注文・建売・TPO)実証事業:上限100万円/戸
- 次世代HEMS支援事業:上限112万円/戸
なお上記は新築住宅(注文・建売)の建築、購入に際し、太陽光発電+蓄電池の設置が条件となっていました。
またリフォームや太陽光発電システムのみを導入する場合について、現時点で国の助成金・補助金制度はありません。(2024年2月時点)
リフォームや太陽光発電システムのみを導入する場合には、東京都や区など自治体の助成金・補助金制度を利用する必要があります。
太陽光助成金・補助金をもらった場合の総支払い額はいくら?
太陽光の助成金・補助金について把握したところで、気になるのが「実際にいくらぐらいもらえて、支払額はいくらになるのか」という点ではないでしょうか?
近年多い「太陽光発電と蓄電池をセットで導入するケース」の場合、東京都の太陽光助成金・補助金をもらったと仮定すると、どれくらいの費用を払うことになるのかシミュレーションしてみましょう。
①条件
・新築住宅に太陽光設備を導入する場合を想定
・令和5年度の「家庭における太陽光発電導入促進事業」および「家庭における蓄電池導入促進事業」へ申し込んだ場合を想定
・太陽光発電設備の相場は一般的な容量の5kWパネルを設置したと想定
・蓄電池は4人家族向け/10kWhの容量を設置した場合を想定
・費用には本体代金+工事費を含む
②太陽光システムの相場(補助なし):144万円
太陽光発電システムはソーラーパネルの量が増えるほど容量が大きくなります。
2023年時点での太陽光発電システム設置費用の相場は1kWあたり平均28.8万円(新築の場合)であり、3~10kWの設置費用相場については次のように変化します。
【屋根面積に応じた太陽光発電の設置費用の相場(新築)】
容量 | 設置費用相場 |
3kW | 86.4万円 |
4kW | 115.2万円 |
5kW | 144万円 |
6kW | 172.8万円 |
7kW | 201.6万円 |
8kW | 230.4万円 |
9kW | 259.2万円 |
10kW | 288万円 |
引用元:東京電力「【2024年】太陽光発電の設置費用の相場は?機器の価格や売電収入との関係についても解説 – EV DAYS 」
前提条件として挙げた5kWは3~4人家族向けの容量で、家庭用太陽光発電システムとしては一般的な容量となります。
よって設置費用の相場は28.8万円×5(kW)=144万円となります。
※ちなみに、既存住宅に後付けで太陽光発電システムを設置する場合は、1kWあたり平均相場27.8万円と、新築に比べ費用が安くなる場合が多いです。
③蓄電池の相場(補助なし):182万円
蓄電池については、4人家族であれば7~10kWhの容量を選ぶケースが一般的です。
しかし最近では容量が大きめの蓄電池を設置されるご家庭も増えていることから、本項では10kWhの容量の蓄電池で計算します。
2024年時点での1kWhあたりの設置費用相場は18.2万円なので、18.2万円×10(kWh)=182万円が設置費用相場となります。
※実際の費用については蓄電池の容量、グレード等によっても変わります。
④助成金・補助金を利用した場合の費用:139.5万円
ここまでは助成金・補助金を利用しなかった場合の負担費用を見てきました。
【助成金・補助金なしの場合の費用】
太陽光発電システム(5kW) | 144万円 |
蓄電池(10kWh) | 182万円 |
計 | 326万円 |
太陽光発電システムについては、新築住宅で3.6kW を超える場合は10万円/kWの補助が受けられます。よって5kWの太陽光発電システムを設置する場合は、10万円×5(kW)=50万円の助成が受けられます。
蓄電池については、設置費用の3/4の額(※)が交付上限として適用されるため、助成額は136.5万円が上限となります。
※補助率は都が定める4つの補助率のうちもっとも小さい額が適用されます。(詳細)
よって補助金額は太陽光50万円、蓄電池136.5万円で合計186.5万円となり、自己負担額は139.5万円(326万円-186.5万円)です。
太陽光+蓄電池設置費用合計 | 326万円 |
太陽光発電システム(5kW) 助成金 | 50万円 |
蓄電池(10kWh)助成金 | 136.5万円 |
実質負担する金額 | 139.5万円 |
※あくまでも概算であり、実際の費用については変動する可能性があります。
本来の負担額の約4割程度で太陽光発電システムと蓄電池を設置できるとなれば、かなりおトクですよね。
助成金・補助金があれば、経済的な負担感も大きく和らぐのではないでしょうか。
区の助成金・補助金も併用できる場合あり
また、区によっては独自の助成金・補助金制度を設けている場合もあります。
たとえば足立区では、2023年に「太陽光発電システム設置費補助金(設置後申請)」という補助金制度を実施していました。
現在では募集受付を終了していますが、24万円(足立区内の事業者を利用して設置した場合は28.8万円)を上限として費用の補助が受けられます。(詳細)
なお、区の補助金の多くは国や東京都の助成金・補助金事業と併用が可能です。
助成金・補助金を組み合わせることで、さらにおトクに太陽光発電システムを設置できます。都だけではなく区の補助金についてもこまめにチェックしておき、余すことなく活用していきましょう。
補助金事業の開始情報などについては、施工業者に問い合わせてみることをおすすめします。
ファミリー工房では足立区をはじめ、東京都内の助成金・補助金制度に精通しております。ご不明点がある方はいつでもお気軽にご相談下さい。
太陽光発電の助成金・補助金制度を利用する際の注意点
太陽光発電の助成金、補助金制度を利用する際には注意点もあります。
以下5点を踏まえつつ、必ず募集要項を確認したうえで申し込みをしましょう。
【注意点①】着工前に申請する
助成金・補助金のほとんどは、太陽光発電システム設置の着工前に申請をスタートする必要があります。
確実に助成を受けるためには、要項を確認し、適切なタイミングで申請を行いましょう。
【注意点②】申請期間を過ぎると利用できない
太陽光発電の助成金・補助金制度にはそれぞれ所定の申請期限が設けられています。
例えば、東京都の「令和5年度 家庭における太陽光発電導入促進事業」については、2023年5月29日~2024年3月31日までが年度内の申請期間となり、期日以降は翌年度の募集を待つことになります。
期限を超過して申請を行っても助成は受けられませんので、必ず申請期間内に申し込むようにしましょう。
【注意点③】予算上限に達した場合早く終了する可能性がある
先の項にて「助成金・補助金には申請期間がある」とご説明しましたが、助成金・補助金事業には予算が設けられています。
応募が殺到し予算上限に達してしまった場合、申請期間内であっても募集が締め切られる場合がありますので注意しましょう。
なお、予算の利用状況については助成金・補助金の公式ページにて確認することができます。募集開始から時間が経っている場合は、予算の状況を確認しておくと安心です。
【注意点④】年度をまたぐと助成金額、条件が変更になる可能性がある
助成金・補助金によっては毎年度実施しているものもありますが、その助成金額・適用条件については年度ごとに改定される場合があります。
年度が変わった際に「前の年度よりも助成金額が少なくなっている」「適用条件が厳しくなっている」といったケースが多いですが、反対に助成金額が増額されたり、適用条件が緩和されることもあります。
こうした変化を見逃さないためにも、常に最新年度の情報をチェックしましょう。
【注意点⑤】所定の登録事業者や製品を選ばないと対象外になるケースがある
助成金・補助金によっては、交付決定に際して「所定の機関から認証を受けた事業者、製品を利用していること」という条件を設けている場合があります。
たとえば東京都の「家庭における太陽光発電導入促進事業」では、以下のような認証を受けたモジュールを使用することが条件となっています。
”(4) 太陽光発電システムを構成するモジュールが次のいずれかの認証を受けていること。
ア 一般財団法人電気安全環境研究所(JET)が定めるJETPVm認証のうちモジュール認証を受けたものであること若しくは同等以上であること
イ 国際電気標準会議(IEC)のIECEE-PV-FCS制度に加盟する認証機関による太陽電池モジュール認証を受けたものであること(認証の有効期限内の製品に限る。)”
引用元:東京都「令和5年度 家庭における太陽光発電導入促進事業」
そのほか、区など小規模の自治体の場合は「区内の事業者を利用すること」といった条件を掲げているケースも見られます。
いずれにせよ、条件に適合しない事業者・製品を選んでしまうと交付の対象から外れてしまう恐れがあります。
太陽後発電設備の設置を検討される場合は、依頼予定の事業者(製品)が条件に適合しているかをしっかりと確認しましょう。
太陽光発電の導入がおすすめな家庭とは?
ここまでお読みになり、「太陽光発電を導入すべきか迷っている……」という方もいらっしゃるでしょう。
以下に当てはまるご家庭は、太陽光発電の導入に向いているといえます。
【向いているご家庭】
・毎月かかる電気代を減らしたい
・災害などの停電時でも電気を使いたい
・日照時間が長いエリアに住んでいる
毎日使う電気を太陽光発電で作り、自家消費すれば電力会社から購入する電気の量を減らせます。
また、災害などによる停電時においても、太陽光発電システムが備わっていれば日中はいつもと変わらず電気を使えますし、蓄電池と併用すれば夜間でも電気を使って生活ができます。
そのほか、日照時間が長いエリアにお住まいのご家庭は安定的かつ効率よく発電ができ、売電収入や自家消費などのリターンも大きいため、太陽光発電システムの導入をおすすめします。
(※FIT/FIPによる売電価格の下落等の影響から、近年は自家消費に回すご家庭も増えています。)
太陽光に合わせて蓄電池も導入すべき?
画像引用元:Panasonic 太陽光発電・蓄電システム:[住宅用]創蓄連携システムS+
太陽光発電と合わせて導入を検討したいのが「蓄電池」です。
そもそも蓄電池とは、太陽光発電などで作った電気を溜めておける装置のこと。
スマホの「モバイルバッテリー」をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
太陽光発電においては、作った電気を「パワーコンディショナー」という装置でご家庭で使える電気に変換し、蓄電池へと溜める仕組みです。
家庭用の蓄電池もモバイルバッテリーと同じく「リチウムイオン電池」を使ったものが多く見られます。リチウムイオン電池は小型化しやすく、かつエネルギーの密度、出力、寿命が優れているなどの特徴があり、現在では主流となっています。
電気代の高騰が進む中、太陽光発電の導入に加えてこの蓄電池を設置するご家庭も増えつつあります。
蓄電池を導入するメリット
太陽光発電にプラスして蓄電池を導入するメリットは以下の3つです。
- 余った電気を自家消費に回せる
- 電気代の節約に役立つ
- 停電や災害時の非常用電源として使える
太陽光発電システムで生み出した電気は、そのままでは溜めておくことができません。仮に日照量が多くたくさんの電気を生産したとしても、消費しきれなければそのままムダになってしまうのです。
蓄電池を設置しておけば、明るい日中にたくさん電気を作って溜めておくことができます。
溜めた電気は発電ができない夜間などに使えますし、自家消費することで電気会社から買う電気の量も少なくなり、結果として電気代の節約につながるでしょう。
また、蓄電池に電気を溜めておくことで、停電や災害など非常時の電源として活躍してくれます。太陽光発電と併用すれば、停電時であっても日常生活に必要な電気をまかなうことが可能です。万が一の時の備えとして心強い存在だといってよいでしょう。
蓄電池の設置には補助金・助成金が利用できる
蓄電池を設置する場合、国や自治体が実施する補助金・助成金制度を利用できます。
【蓄電池関連の補助金・助成金制度の例】
■国が実施していた個人向けの補助金・助成金制度(2023年/現在は受付終了)
- ZEH支援事業:ZEH…上限55万円/戸、ZEH+…上限100万円/戸
- 次世代ZEH+(注文・建売・TPO)実証事業:上限100万円/戸
- 次世代HEMS支援事業:上限112万円/戸
- DR補助金:上限60万円/戸
- DER補助金:上限60万円/戸
■国が2024年現在も実施している補助金・助成金制度
- 子育てエコホーム支援事業:蓄電池の設置で64,000円/戸
■自治体が2023年~2024年に実施している補助金・助成金制度
- 東京ゼロエミ住宅導入促進事業:上限95万円~(蓄電池容量合計により異なる)
- 家庭における蓄電池導入促進事業:最大1,500万円(助成対象経費の3/4が上限)
「ZEH支援事業」など国が実施していた補助金・助成金の一部は、太陽光発電と蓄電池をセットで導入することが条件になっていました。またその対象は新築住宅の注文・購入に限定されていました。
一方、国が実施する補助金・助成金制度でも「子育てエコホーム支援事業」や、東京都の補助金・助成金制度については、新築・リフォームの両方が対象となります。
蓄電池単体での設置でも交付対象となるため、後から蓄電池を設置したい場合でも使い勝手の良い制度といえるでしょう。
ただし、今後国や自治体で新設される助成金・補助金制度において「太陽光+蓄電池」のセットでの設置が対象とされる可能性もゼロではありません。
よって蓄電池の設置に際し助成金・補助金を利用したいとお考えの方は、常に最新の情報をチェックされることをおすすめします。
蓄電池を導入するデメリット
蓄電池を導入すると様々なメリットが得られる一方、以下のようなデメリットもあります。
- 設置費用が高価になりがち
- 容量次第で使える電気の量が限られてしまう
- 充放電回数には寿命がある
容量にもよりますが、蓄電池の価格相場は1台につき最低でも100万円台、高いもので約300~400万円以上と、決して安いものとは言えません。
ただし費用については施工会社で値引きを行っている場合も多く、国や自治体の助成金・補助金制度を活用するとより負担を少なくすることができます。
また蓄電池の容量によっては、ご家庭で必要な電気量を溜めることができず、利用できる電気の量が限られてしまう場合もあります。こちらのデメリットについては、ご家族の構成や生活スタイル等に合った容量の蓄電池を選んでいただくことで解消されます。
その他のデメリットとしては、蓄電池には充放電できる回数に限り(寿命)があるという点です。
この点に関してはリチウムイオン電池を使用しているため致し方ない部分がありますが、あらかじめ長く利用できる製品を選ぶこと、適切なタイミングで交換をすることなどが対策となります。
非常に便利な蓄電池ではありますが、費用、容量、寿命などのデメリットをふまえた上で導入を検討し、かつ助成金・補助金を活用して賢く設置されることをおすすめします。
太陽光発電助成金・補助金を利用する上でよくある質問
最後に、太陽光発電設備の設置で受けられる助成金・補助金制度で生じがちな疑問についてQ&Aをご紹介します。
※こちらを参考にしていただいた上でご不明な点がある場合は、自治体へ直接問い合わせるか、施工店にご相談ください。
Q1:助成金の申請条件は?
A: 助成金・補助金の申請条件は制度ごとに異なりますが、東京都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」で交付申請をするには、以下の条件を満たす必要があります。
- 未使用品であること
- 東京都内の住宅またはその敷地内に新規設置されたものであること
- 作った電気は、太陽光発電システムを設置した助成対象住宅の居住部分で使用するものであること
- 太陽光発電システムのモジュールが所定機関の認証を受けていること
- 対象機器について、都及び公社の他の同種の助成金を重複して受けていないこと
- 導入する太陽光発電システムの発電出力が50kW未満であること
参照:クール・ネット東京 | 令和5年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
Q2:助成金の申請期限はありますか?
A: 申請期限は年によって異なりますが、一般的には制度が規定した期日までに申請する必要があります。
具体的な期限については、自治体の公式ウェブサイトで確認されることをおすすめします。
Q3:助成金の金額はどれくらいですか?
A: 助成金の金額は太陽光発電システムの容量に応じて異なります。
一般的には、導入するシステムの容量が大きいほど助成金額も増えます。
Q4: 助成金を受け取るために必要な手続きは?
A: 助成金を受け取るためには、助成金申請書と必要書類を準備し、指定された申請先に提出する必要があります。助成金・補助金の多くは施工前(契約前)に申請手続きを開始することが条件になっているため、タイミングに注意しましょう。
また、システムの設置後に申請手続きを行う場合もありますので、事前にご確認されることをおすすめします。
Q5:助成金の申請は代行を依頼しても大丈夫でしょうか?
A: 助成金・補助金によっては可能です。たとえば東京都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業 」では、施工会社等に手続きを代行してもらうこともできます。
Q6:交付決定が取り消されることはあるの?
A:助成事業者が偽り・または不正な手段によって助成金の交付を受けた場合や交付容量に基づいた請求に応じなかった場合は交付決定が取り消される場合があります。
また、対象となる機器(太陽光発電システム)に対し、都が実施する他の助成金が交付されている場合は重複してしまうため、こちらも交付決定が取り消される可能性があります。
交付決定の取消が決まったタイミングですでに助成金が振り込まれている場合は、期限内に助成金を返還しなければなりません。
あわせて読みたいまとめ
本記事では東京都の太陽光発電助成金・補助金制度についてご紹介してまいりました。
ご自宅に太陽光発電設備を設置すると、利用する分の電気を賄えるメリットがある一方、設置には相応の費用が掛かるのも事実です。しかし太陽光関連の助成金はかなり手厚く、助成金や補助金をフル活用することで、負担を抑えながら設置ができます。
東京都や一部の区では、今後もご家庭用の太陽光発電設備の助成金制度を継続すると発表しています。
これから太陽光発電を導入したいとお考えの方は、助成金・補助金制度を上手に活用してみましょう。
当ファミリー工房では、太陽光発電設備の設置や助成金・補助金の申請についてのご相談も随時承っております。施工はもちろん、太陽光助成金・補助金や電力の申請についてもワンストップで対応しておりますので、わずらわしいお手続きも不要です。
太陽光・蓄電池の設置をお考えなら、専門知識が豊富な職人・一級建築士・アドバイザーが揃ったファミリー工房へぜひお任せください!
- 監修者
- 大久保 洋司
Director
【保有資格】
一級建築士
監理技術者
マンションリフォームアドバイザー
既存住宅状況調査技術者
既存住宅アドバイザー
〒120-0001 東京都足立区大谷田 4-1-20 1F
JR線・東京メトロ千代田線「北綾瀬駅」下車 徒歩7分
営業時間
10:00~18:00 / 定休:毎週日・月
※夏期休暇、年末年始休暇、ゴールデンウィークを除く
約30年と経験豊富な建築士です。
細かいことから大きなことまで、お客様の視点に立った提案をします。
気軽にご相談ください。よろしくお願いします。