屋根DIY塗装 確実に成功する5つのポイント
屋根は住宅を風雨から守る最も重要な部分です。そのため、適切なメンテナンスを怠ると雨漏りなどの深刻な問題につながる可能性があります。屋根塗装は、美観を保つだけでなく、屋根材の劣化防止や寿命延長にも大きな役割を果たします。
近年ではDIYの人気が高まり、屋根塗装もDIYで行う人が増えてきました。確かに、DIYなら業者に依頼するよりもコストを大幅に抑えられます。しかし、塗装の失敗は雨漏りなどの重大な損害に繋がるリスクがあるのも事実です。DIYで屋根塗装に取り組む場合は、適切な準備と慎重な作業が不可欠になります。
本コラムでは、屋根DIY塗装に成功するためのポイントを紹介します。塗料の選び方から下地処理、塗装手順、アフターケアに至るまで、確実に成功するためのノウハウを網羅しています。
安全性と品質を最優先し、DIYの限界も理解した上で塗装作業に取り組むことが大切です。わからないことがあれば、プロの業者に相談・依頼するのも賢明な選択でしょう。
2. 適切な塗料の選択
屋根の塗り替えに成功するかどうかは、適切な塗料を選ぶことが大前提となります。屋根材の種類によって最適な塗料が異なるため、まずは自宅の屋根がどのような素材で作られているかを確認しましょう。
【金属屋根の場合】
金属屋根には、耐久性に優れたアクリル樹脂塗料が適しています。アクリル樹脂塗料は密着性が高く、金属の膨張・収縮にも強いのが特徴です。サビ止め効果もあるので、下地処理が行き届いていれば長期間の防錆効果が期待できます。
【スレート屋根の場合】
スレート屋根には弾性ある塗膜が重要で、アクリルウレタン樹脂塗料やシリコン樹脂塗料がよく使われます。これらの塗料は塗膜が柔らかいため、スレートの膨張や亀裂にも追従します。ただし耐候性はアクリル塗料に劣るので、日当たりの強い場所では注意が必要です。
【セメント瓦の場合】
一般的にアクリルゴム系の塗料が適しています。優れた弾力性で瓦の伸縮に追従でき、耐アルカリ性も高いためセメントの劣化を防ぎます。また高い防カビ性からカビ抑制効果も期待できます。
いずれの屋根材でも塗料の密着性と耐候性が重要です。高品質な塗料を選び、メーカーの指示通りに塗装すれば、長期間の美観と保護効果を得られるはずです。
3. 下地処理の重要性
塗装作業に入る前に、しっかりとした下地処理を行うことが成功のカギとなります。下地処理が不十分だと、新しい塗膜の密着力が低下し、早期に剥がれてしまう恐れがあります。
【古い塗膜の除去】
まずは既存の古い塗膜を完全に除去する必要があります。はがれかけている部分は手作業で剥がし、頑固に残った部分はケレンや電動工具を使って錆や汚れごと落とします。ケレンの際はマスクや保護メガネなどの防護具を必ず着用しましょう。
【サンディング】
塗膜を全て除去した後は、サンディングペーパーでゴミや汚れを丁寧に落とします。サンダーを使うとより効率的です。あまり強くこすりすぎると下地の素材を痛める可能性があるので注意が必要です。
【クリーニング】
サンディング後は万全を期すため、中性洗剤を使って屋根全体を洗浄します。油分などの汚れが残っていると、塗料が密着しにくくなるからです。丁寧に水拭きをして完全に乾かせば、いよいよ塗装作業に移れます。
下地処理は手間がかかる作業ですが、これを怠ると塗装後すぐに剥がれてしまう可能性が高くなります。丁寧な下地処理が美しくて長持ちする仕上がりの鍵なのです。
4. 塗装作業の手順
下地処理が完了したら、いよいよ本番の塗装作業に入ります。ここでは、ローラーとハケの使い分け、重ね塗りの方法など、きれいに仕上げるためのポイントを解説します。
【ローラーとハケの使い分け】
一般的に広い面積をローラーで、細かい部分や隅々をハケで塗り分けることをおすすめします。ローラーなら効率よく均一の塗膜を作れますが、ハケの方が細部への密着性に優れています。まずローラーで大まかに塗り、最後にハケで遺漏なく行き渡らせる、という手順が無難でしょう。
【重ね塗り】
しっかりと密着させるには、2回以上の重ね塗りが必須です。1回目の塗装で下地を隠すまで塗り、十分乾燥させた後に2回目を塗装します。メーカー指示に従い、十分に時間をおいて3回目を重ねると、さらに確実な仕上がりが期待できます。
【塗り残しに注意】
登り桟や屋根の裏側など、死角になりがちな部分の塗り残しに十分注意を払いましょう。ローラーだけでなく、ハケを使って丁寧に行き渡らせることが重要です。一部でも塗り残しがあれば、その部分から雨漏りや劣化が始まってしまいます。
塗装中はマスクなどの防護具を着用し、危険な場所への立ち入りは避けるなど、十分な安全対策を講じる必要があります。慎重に作業を進めることで、きれいで耐久性の高い仕上がりを実現できるはずです。
5. アフターケアとメンテナンス
塗装作業が無事終わったら、あとはアフターケアとメンテナンスを欠かさないことが大切です。
【養生期間】
塗装直後は、塗膜が完全に乾燥するまで2~4週間ほど養生する必要があります。この期間中は、強い日光や雨に当たらないよう注意しましょう。また、養生シートなどで塗膜を保護することをおすすめします。
【点検と補修】
半年から1年に一度は、屋根全体の状況を点検することが賢明です。ひび割れや剥がれ、カビの発生などがないかチェックし、異常が見つかれば速やかに補修を行いましょう。放置すれば一気に劣化が進行してしまう可能性があります。
【カビ対策】
屋根の一部がカビで汚れている場合は、カビ取り剤などでこまめに除去するのがベストです。カビは塗膜を傷め、雨水の浸入を助長する原因となります。防カビ剤を塗布しておくと長期間カビの発生を抑えられます。
【塗り替え】
使用している塗料の種類にもよりますが、通常5年から10年を目安に定期的な塗り替えを行うことをおすすめします。塗り重ねるだけでなく、下地処理から行うことで、屋根の寿命を大幅に延ばすことができます。
しっかりとしたメンテナンスを継続することで、DIYでの屋根塗装は長期間その効果を発揮し続けるはずです。大切な住まいを雨風から守り続けるためにも、地道なアフターケアを怠らないようにしましょう。
あわせて読みたいまとめ
屋根塗装は高所作業を伴う危険な作業であり、DIYには一定の限界があります。転落のリスクや建物への損傷など、安全面で不安がある場合は専門業者に依頼することをおすすめします。
しかし、適切な準備と手順を踏めば、DIYで屋根塗装を無事成し遂げることは十分可能です。本コラムでは、塗料の選び方、下地処理、塗装手順、アフターケアまで、成功のためのポイントを詳しく解説しました。
コストを抑えたい一方で、品質と安全性を何より優先したいというのがDIYの本来の趣旨です。わからないことがあれば積極的に専門家に相談するなど、賢明な判断を心がけましょう。
地道なメンテナンスこそが肝心ですが、屋根塗装に成功すれば住まいの寿命を大きく延ばせます。きれいで快適な住環境を長く保つためにも、ぜひ本コラムを参考に取り組んでみてはいかがでしょうか。
- 監修者
- 近岡 正平
Manager
【保有資格】
一級建築士
二級建築士
福祉用具専門相談員
監理技術者
既存住宅状況調査技術者
建築物石綿含有建材調査者
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