キッチンの標準的なサイズ(寸法)とは?家族構成や生活スタイルに合わせた選び方
インテリア雑誌で見るシステムキッチン、どれもステキですよね。だからといって、好みやイメージだけでキッチンを選ぶと、後で思わぬ事態となってしまうことも…。
キッチン選びの際に大切なのは、実はサイズ。キッチンそのもの大きさはもちろん、住まい全体の大きさや使う人の身長など、サイズに関わるポイントはいくつもあります。そこで、キッチンの標準的なサイズなどの基礎知識をはじめ、選ぶ際に気を付けるべきポイントなどについて詳しくまとめました。キッチンのリフォームを検討している方、またはキッチンのサイズについての疑問を持っている方はぜひ参考にしてください。
キッチン寸法の基礎知識
我が家にちょうどよいサイズのシステムキッチンを選ぶためには、「間口(横幅)」「奥行き」「高さ」の3つについて知る必要があります。これら3つのサイズを間違えないようにすることで、使いやすいシステムキッチンを選ぶことが可能になります。
なぜキッチン寸法は重要か?
例えば、狭すぎるキッチンでは、料理中に動きにくくなり、ストレスが増える可能性があります。逆に、広すぎると移動距離が増え、効率が悪くなることもあります。このようにキッチンのサイズは、キッチン内での動きやすさに直結します。ちょうどよいサイズのキッチンを選べば、料理中のストレスもなくなり、家族のコミュニケーションの場としての役割も高まります。そのため、家族構成やライフスタイルに合わせたちょうどよいサイズのキッチンを選ぶことが重要です。
キッチンの標準的な寸法
キッチンのサイズは、間口(横幅)、奥行き、高さの3つの要素で決まります。
・間口(横幅)
キッチンの間口のサイズは、コンロやシンクの数、家族構成やライフスタイルによって必要な大きさは異なります。
一般的には、1800mmから3000mmが標準的です。シングルやDINKSの場合は、間口1,200mm~1,500mmが適しています。家族4人の場合は、間口2,400mm~2,550mmが適しています。1口コンロを設置する場合や、シンクのみのシンプルな構成の場合は、間口が狭くなることも考えられます。
・奥行
キッチンの奥行きは、キッチンの設置場所や形状、ライフスタイルによっても必要なサイズは異なります。一般的なL字型やI字型のキッチンの場合は、奥行き600mmが適しています。対面キッチンの場合は、奥行き750mm~800mmが適しています。背面収納を設ける場合や、特定の設備を取り入れる場合には奥行が増えることも予想されます。
・高さ
キッチンの高さは、使用する人の身長やライフスタイルによって異なります。身長150cmの人には高さ800mmが、身長170cmの人には高さ850mmが適しています。
キッチンの設備のパーツ(シンク、コンロ、吊戸棚)のサイズも確認
キッチンの使い勝手をよくするためには、キッチンそのもののサイズに加え、シンクやコンロ、吊戸棚などのサイズ選びも重要です。以下に一般的なサイズを示していますので参考にしてください。
・シンクのサイズ
シンクのサイズは、一般的に650mm、800mmの2種類あり、メーカーやその時々のシリーズによっても若干異なります。広いシンクは洗い物がしやすいメリットがありますが、
調理スペースは狭くなりがちです。広いシンクは大型のキッチンに適しています。
・ビルトインコンロのサイズ
ビルトインコンロは、一般的に幅600mmと750mmがあります。600mm幅の3口コンロはほとんどのキッチンに適しています。一方、750mm幅のコンロは大きな鍋を置くのに便利ですが、調理スペースを圧迫するため、広いキッチンでの使用が適しています。キッチンが1800mmであれば、450mm幅の2口コンロを選ぶことで、より多くの調理スペースを確保できます。
・吊戸棚のサイズ
一般的な吊戸棚の高さは、500mm・600mm・700mm・900mmです。
吊戸棚の高さは、「吊戸棚が自然に視界に入り、手が届く」が目安と言われています。
吊戸棚のサイズを決める際は、天井の高さやキッチンを使う人の身長なども考慮して決定しましょう。
キッチン形状別の寸法ガイド
キッチンはデザインや色などに目が奪われがちですが、実は住まいの間取りや家族のライフスタイルによってサイズにこそこだわる必要があります。ここでは、主なキッチンレイアウトの主な特徴と一般的なサイズについて紹介します。
I型キッチン
I型キッチンは、一直線上にキッチンが配置されるレイアウトです。一般的な間口は1800~2400mm程度。シンプルでコンパクトなため、狭いスペースにも適しています。
L型キッチン
L型キッチンは、2つの壁面を利用してキッチンが配置されるレイアウト。間口は、一辺が1800~2700mmもう一辺が1650~1800mmが一般的です。作業スペースが広く取れるため、複数人での料理にも適しています。
U型キッチン
U型キッチンは、3つの壁面を利用するレイアウト。動線が短く、多くの収納スペースが取れるのが特徴です。間口は、各辺が1800~2400mmが一般的です。
アイランド型キッチン
アイランド型キッチンは、中央に独立したカウンターが配置される形状。カウンターの間口は、2400~2700mmが標準的。開放的な空間を作ることができ、家族とのコミュニケーションを取りながら料理ができます。
ペニンシュラ型キッチン
ペニンシュラ型キッチンは、一部が島のように突き出した形状のキッチン。突き出し部分の間口は、1800~2100mmが一般的。L型キッチンの一部を延長したような形で、ダイニングスペースとの一体感を演出することができます。
あわせて読みたいキッチンレイアウトには、それぞれ特徴やメリットがありますが、大切なのは自分たちの暮らしにマッチしたキッチンであること。間取りや家族のライフスタイルに合わせて、最適なレイアウトとサイズのキッチンを選ぶようにしましょう。
あわせて読みたいキッチンの寸法を決める際に気をつけるポイント
キッチンのサイズを選ぶ際は、さまざまな角度から検討する必要があります。ここでは、サイズを決める際に気をつけたい3つのポイントを紹介します。
身長に合わせた寸法
キッチンの高さは、使用する人の身長に合わせて調整する必要があります。その理由は、ちょうどよいサイズの高さを選ぶことで、調理する際の身体への負担を軽減できることがあげられます。背の低い人の場合、高いキッチンでは調理がしにくく、背の高い人の場合は低いキッチンは腰への負担となる可能性があります。好みの高さにカスタマイズすることで、使いやすいキッチンになります。
<身長別キッチンの高さのめやす>
使いやすいキッチンの高さを示す計算方法として
「身長÷2+5cm」が使われています。
この計算式に当てはめると、使う人にとって適切なキッチンの高さがわかります。
例)
身長150㎝の場合、80㎝
身長160cmの場合、85㎝
身長170㎝の場合、90㎝
部屋の間取りに合わせた寸法
部屋の間取りやサイズに合わせて、キッチンのサイズやレイアウトを選ぶことが大切です。その際、ポイントになるのが作業動線です。「シンク」「コンロ」「冷蔵庫」の3点を結ぶ「ワークトライアングル」は、キッチンにおける作業動線の基本とされています。料理の効率や安全にも直結しますので、作業動線を確保するようにします。
ライフスタイルや家族構成に合わせた寸法選びを
キッチンのサイズやレイアウトは、家族構成やライフスタイルに応じて最適なものを選ぶ必要があります。例えば、一人暮らしの場合、コンパクトなI型キッチンが適していることが多いです。一方、家族が多い場合や、家族みんなで料理を楽しむ場合は、広めのL型やアイランド型がおすすめです。
キッチンのサイズを選ぶ際は、これらのポイントを頭に入れておけば、快適かつ機能的なキッチンを手に入れることができます。自分のライフスタイルや家族構成、部屋の間取りを考えながら、最適なキッチンを選びましょう。
まとめ
キッチンを選ぶ際は、デザインにばかり目が行きがちですが、サイズ選びがとても重要なことをご理解いただけたことと思います。キッチンの高さはよく使う人の身長に合わせることで、料理時の負担を軽減できます。また、部屋の間取りや大きさに応じて、キッチンレイアウトやサイズを選ぶことも大切です。家族構成やライフスタイルによっても最適なキッチンレイアウトが異なります。今のキッチンに不便さを感じている方は、リフォームでベストサイズのキッチンを選ぶことで、より快適な暮らしを手にいれることができるでしょう。
キッチンのリフォームを検討していて、サイズや高さに迷っている場合は、実績豊富なファミリーグループにご相談ください。ご家族の構成やライフスタイルから、最適なプランをご提案させていただきます。