内装リフォームで理想の住まいを実現!気になる費用感や注意点とは?
内装とは、住まいの内側を構成する壁、天井、床、照明といったインテリアや室内空間を装飾する要素全般を指す言葉です。この内装を部分的、もしくは全体的に修繕する作業を「内装リフォーム」と言います。日に焼けた壁紙や傷が目立ってきた床などをきれいなものに刷新することで、日々の暮らしはより快適になるでしょう。
この記事では、内装リフォームの定番とも言える壁や床のリフォーム費用や、部分リフォームの費用、内装リフォームをする際の注意点についてご説明します。
「壁リフォーム」の費用は何で変わる?
「気がついたら壁紙が日焼けしていた」「クロスの変色や継ぎ目が目立ち始めた」という場合は、壁紙の貼り替えを検討するタイミングです。選べる壁紙の種類はさまざまですが、ここでは一般的に使用されることが多いビニールクロスの相場や、量産品クロスと1,000番台クロスの費用の差を見ていきましょう。また、「防音壁設置リフォーム」や「1部屋を2部屋にする間取り変更リフォーム」についても解説します。
壁リフォームの一般的な相場とは
壁リフォームにかかる費用は、10~20万円が相場です。もちろん、工事面積や選ぶ壁紙・クロスの種類などによって異なってきます。単価の高いクロスを使用し、張り替える面積が広くなるほど費用は上がっていくでしょう。1㎡あたりの金額は同程度でも、全体で見ると大きな差になることがあります。リフォーム会社に相談しながら、予算に応じてクロスの種類やリフォーム範囲などを決めていきましょう。
また、壁紙本体の費用の他に、工事費用として既存クロスはがしや廃棄処分にかかる費用、養生費、施工費、諸費用が発生します。広さにもよりますが、工期はおおむね1~5日程度で終了します。
「量産品クロス」の費用相場
量産品クロスは、賃貸マンションなどで使用されているシンプルな壁紙です。シンプルさを求めておりディテールにはさほどこだわらない場合、張り替え費用をできるだけ抑えたい場合は、量産品クロスがおすすめです。1㎡あたりの相場は650円から1,200円ほどです。
「1,000番台クロス」の費用相場
1,000番台クロスは、上記の「量産品」に該当しないクロスです。分譲マンションや一戸建てのリフォームで選ばれることが多くあります。種類や柄のバリエーションが豊富で、消臭、耐久性強化、マイナスイオン発生などさまざまな機能を持つものも。量産品クロスと比べると費用は高いですが機能性や種類の豊富さから人気です。予算との兼ね合いで、部屋によって量産品クロスと使い分けるケースもあります。1㎡あたりの相場は1,000円から1,700円です。
6畳部屋の壁紙をリフォームした際の費用相場
6畳の寝室や子供部屋の天井と壁をビニールクロスで貼り替える場合、施工範囲を約35~40㎡と仮定すると、費用相場は以下のようになります。壁紙の素材や工事範囲によって価格は上下します。
量産品ビニールクロス | 6~8万円程度(工事費込み) |
1,000番台ビニールクロス | 10~13万円程度(工事費込み) |
壁の防音リフォームをしたい
「外の騒音が気になる」「外に生活音が漏れていないか気になる」といった場合は、壁をリフォームする際に「防音リフォーム」を施すことで解決できるかもしれません。壁に吸音材、遮音シートを使うことで、防音効果が高まります。また、壁に取り付けられた換気口に防音効果をもたらすリフォームもあります。換気口は外とつながっており、音を通しやすいので、防音リフォームは効果的です。それぞれの相場は、以下のようになっています。
吸音材・遮音シートを入れるリフォーム | 12~15万円程度(工事費込み) |
換気口の防音リフォーム | 1~5万円程度(工事費込み) |
間仕切りを設置したい
間仕切りとなる壁を新設することで、間取りを変更できます。「子どもの成長に合わせて、大きな子供部屋を兄弟それぞれの個室に分ける」「子どもの独立によって使わない部屋ができたので、壁を取り払って大きな部屋にする」など、ライフスタイルの変化に応じて行われるケースも多いでしょう。
アコーディオンカーテンの設置 | 1~6万円程度(工事費込み) |
パネルドアの設置 | 10~40万円程度(工事費込み) |
壁の設置 | 8~23万円程度(工事費込み) |
アコーディオンカーテンなど設置が簡単なものは、比較的手頃な費用で収まるでしょう。パネルドアや壁の設置になると、費用は高額になる傾向があります。他にも、設置箇所や個数に応じて費用は変わり、設置に際して壁の取り壊しや配線工事などが発生するかどうかでも金額や工期が変動します。
「床リフォーム」に関する費用の相場を解説
傷みやすいフローリングは、壁と同様にニーズの多い内装リフォームポイントの一つです。変色や劣化などが目立つフローリングの張り替えだけでなく、畳(和室)からフローリング(洋室)への変更、床暖房の設置なども人気があります。床のリフォームにかかる費用は、平均すると20万円から40万円以内に収まるケースがほとんどです。ただし、フローリングの張り替えでは、材質によって価格が倍以上になることもあるので、違いを知っておくことも重要です。
フローリングを張り替える場合
新しく張り替えるフローリングには、主に「集成材」と「無垢材」という2種類の選択肢があります。それぞれの特徴や価格について解説します。
集成材の場合
集成材フローリングは、複数の板を圧着して1枚の床材につくり上げたもの。量産しやすく、価格も安価なので張り替えの費用を抑えたい場合はおすすめです。費用の相場は、6畳で5万円から10万円程度になるでしょう。
無垢材の場合
無垢材フローリングは、天然木から切り出した1枚板からつくる床材です。無垢材は踏み心地がよく、独特の温かみや調湿性を備えています。高級感が出て美しい仕上がりになるので、床の印象がずいぶん変わるでしょう。価格は集成材より高く、6畳で10万円から25万円程度が相場です。
畳からフローリングに張り替える場合
和室から洋室へのリフォームを行う家庭も増えています。畳の床をフローリングに張り替えれば、ライフスタイルや家族構成の変化にも対応することができるでしょう。畳をフローリングに変更することで、イメージの刷新も図れます。
一般的な相場
畳からフローリングへの張り替えにかかる費用の相場は、1畳あたり2万円から4.5万円程度。6畳換算すると、10万円から25万円程度になるでしょう。畳からフローリングへ張り替える際は下地からの施工が必要です。作業工程が増えるので、コストアップしやすい傾向があります。工期は1~3日程度です。
費用例
4.5畳 | 6畳 | 8畳 | |
集成材 | 10万円~ | 18万円~ | 22万円~ |
無垢材 | 13万円~ | 25万円~ | 30万円~ |
床暖房を設置する場合
冬の寒い時期を快適に過ごすため、床暖房を導入したいと考える方も多いでしょう。基本的に床暖房は、一戸建てかマンションか、木造か鉄筋コンクリートか、1階か2階か、などを問わず後付けで設置可能です。以下では、床暖房設置リフォームにかかる費用の目安を解説します。
一般的な相場
床暖房の後付け設置にかかる費用は、一般的な6畳の部屋で30万円から65万円ほど。床に直張りする場合の費用が1畳あたり約5万円から8万円、床を全面張り替える場合は1畳あたり8万円から11万円となります。
中には低下価格で施工できるケースもあり、1畳あたり4万円程度で抑えられることも。また、温水式の床暖房を設置する場合は、床暖房専用の熱源機を別途設置しなければならず、25万円から100万円程度の追加費用が発生する可能性があります。
費用例
床直張り | 1畳あたり5~8万円程度 |
床全面張り替え | 1畳あたり8~11万円程度 |
ヒートポンプなどの熱源機設置 | 25~100万円程度 |
床暖房には電気ヒーター式と温水式の2種類がありますが、それぞれ電気代や設置費用、光熱費には差があります。メリット・デメリットも異なるので、床暖房設置を検討する際はリフォーム会社とよく相談してタイプや設置場所を選びましょう。
他にもある、内装リフォームの種類と費用
床や壁は内装リフォームの代表例で、修繕目的だけでなく、部屋の印象を変える目的でも選ばれる事が多くあります。以下では、利便性や機能性を高めることができる床や壁以外のリフォームについてご紹介します。
ドアのリフォーム
家族構成やライフスタイルの変化に応じて、家の中のドアを増やしたり、ドアの種類を変えたりしたいと思うことがあるかもしれません。「家族全員が住みやすい空間」を実現できる室内ドアを選択し、住まいの機能性アップを目指しましょう。
ドアを交換する場合
古くなり、傷が目立つドアを同じ種類の新品に交換する場合は、5万円から10万円ほどの費用がかかります。経年劣化が進んでいて枠にひずみや破損がある場合は、枠も交換することになるため最大30万円ほどになることもあるでしょう。
また、今あるドアと異なる種類を選ぶことで費用が変わってくる場合もあります。防音性能が高いドア、素材が高価なドア、デザイン性・装飾性が高いドアなどに変更する場合は、費用も高くなることが予想されます。
ドアを新設する場合
新しく間仕切りとしてドアを設置したり、防音性を高めるリフォームをしたりする場合、費用の相場は20万円から40万円程度です。壁に対する工事があるかないかでも、費用は上下します。
開き戸から引き戸へ変更する場合
開き戸を引き戸に変更するなど、ドアの形態を変更する場合は、壁に対する工事が必要です。費用は20万円から30万円となり、同じタイプのドアに交換するよりも金額は高くなる傾向があります。後述するバリアフリーリフォームの一環で、引き戸タイプに変更する家庭も増えています。
窓のリフォーム
経年劣化による修繕以外にも、防犯、断熱、防音、防露(結露防止)など、さまざまな目的やメリットがある窓のリフォーム。一口に窓のリフォームと言っても、交換、サイズ変更、雨戸の設置、内窓の設置など、工事の内容は多岐にわたります。以下は、工事費と素材費を合わせた費用の相場です。サイズ感や設置場所、素材によっても費用は上下するので覚えておきましょう。
ガラス交換 | 8万円程度 |
内窓 | 8~15万円程度 |
サイズ変更 | 10~30万円程度 |
シャッター | 10~15万円程度 |
網戸 | 1~2万円程度 |
雨戸 | 10~15万円程度 |
ルーバー | 6~10万円程度 |
バリアフリーリフォーム
高齢になった両親、あるいは自身の将来などを考えてバリアフリーリフォームを決断する方も増えています。自宅での転倒事故などを防ぐ意味でも、バリアフリーリフォームは有効な手段と言えるでしょう。段差の解消や緩和、浴室・トイレのバリアフリー化、手すりの設置、開き戸から引き戸への交換、出入り口の拡張などが該当します。
費用は数万円でできるものから100万円以上かかるものまでさまざま。手すりの設置だけなら1ヶ所につき2万円から4万円程度で収まる場合もありますが、トイレや浴室のバリアフリー化をするなら100万円を超える費用が想定されるケースもあります。
バリアフリーリフォームに関しては、国や自治体から補助金や税制優遇が受けられるかもしれません。そういった制度の活用に関しても、リフォーム会社に相談してみましょう。
トイレ、浴室、キッチンのリフォーム
内装リフォームを屋内全般のリフォームと捉えると、トイレ、浴室、キッチンなどのリフォームも含まれます。使用頻度が高く劣化しやすい水まわりは、家全体の機能性や快適性を左右するポイント。住み心地を高めるリフォームが気になる方は、ぜひ検討してみてください。
トイレ、浴室、キッチンのリフォームに関しては、別の記事にそれぞれまとめています。あわせてチェックしてみましょう。
内装リフォームで気をつけるべきポイント
内装リフォームを行う際に注意したいポイントをご紹介します。理想の内装リフォームを実現するため、また無駄を省いて費用をできるだけ抑えるためにも、ぜひご確認ください。
内装リフォームの経験豊富な会社を選ぶ
いくらいい素材を選び、理想の間取りを設計できても、リフォーム会社選びに失敗すると、「イメージとはかけ離れた結果」になる恐れがあります。「防音工事をするなら大通り側を優先したほうがいい」「キッチンの床はデザイン性の優先度を下げて傷みにくい素材に」「ドアを設置するなら逆開きのほうが使いやすい」「見えにくい場所なので壁紙は費用を抑えるのも手」など、経験にもとづいた提案をしてくれる会社(担当者)だと安心です。
見積もりは金額だけでなく、担当者の対応力を確認するいい機会でもあります。リフォームを安心して任せられるかもチェックしましょう。
おすすめは全体的な内装リフォーム
「壁紙だけを変更したい」「床だけリフォームしたい」といった部分リフォームは、注意が必要です。なぜなら、経年劣化した住まいの壁や床、その他設備を刷新することで、逆に古い部分が目立ってしまうことがあるからです。
統一感が生まれないことから思っていたような満足感が得られず、結局あらためて全体的な内装リフォームを考える――というケースも実際にあります。追加でリフォームをするくらいなら一度に工事したほうが費用は安くなり、工期も短くでき、仕上がりにも満足しやすくなります。リフォームする際は本当に部分的でいいのか、じっくり検討しましょう。
分譲マンションの内装リフォームは制約に注意
分譲マンションには管理組合が決めたルール(管理規約)があり、その中にリフォームに関する制約が盛り込まれていることも多くあります。そのため、リフォーム工事を検討する際は必ず管理組合に確認を取りましょう。間違っても、ルールの範囲外で勝手にリフォームをしてはいけません。
勝手に工事をして規約に抵触した場合には原状回復を求められることもあり、“意味のない費用”が二重でかかる恐れがあります。
素材選びにも注意
室内の壁紙やフローリングは住む方が直接触れることも多いので、素材も十分注意して選びましょう。体に優しく、安全な素材を選んだほうがいいのは言うまでもありません。特定のアレルギーなどを抱えている場合には、リフォーム会社に相談し、工事内容とあわせて素材の確認も行いましょう。
カタログでは色や質感の印象が違うことも
内装リフォームを成功させるためにも、自身が選んだ素材の色や質感は必ず実物を見たり触れたりして確認しましょう。イメージと違う仕上がりになってしまうと、リフォーム後に満足感を得にくくなってしまいます。
壁紙であればカタログや小さなサンプルではなく、できる限り大きなサンプルを用意してもらい、家の壁にあててみましょう。そうすることで、イメージとの乖離をなくせます。フローリングも、カタログ画像で見る質感と実際に触った質感に違いがあることもよくあります。
まとめ
今回の記事では、壁紙やフローリングをはじめとした内装リフォームの相場感、注意すべきポイントに関してお伝えしました。住まいの雰囲気をガラリと変えることができる内装リフォームは、非常に費用対効果の高いリフォームと言えるでしょう。部分リフォームより全体リフォームのほうが、施工後の満足度は高くなります。近い将来、異なる箇所のリフォームが想定される場合は、このタイミングで全体的なリフォームも考えてみましょう。 リフォーム・リノベーションの実績が豊富なファミリー工房では、さまざまな内装リフォームに対応しています。現場の第一線で活躍するデザイナーやアドバイザー、資格を持つプランナーが在籍しており、「こだわり」や「快適な暮らし」を実現するためのサポートが可能です。内装リフォームをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。