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こだわりの外壁デザインを活かすならクリアー塗装が最適

従来の住宅の外壁塗装では、色がついた塗料で仕上げる外壁塗装が一般的でした。ところが最近では、特徴的な模様などを取り入れたサイディングボードの外壁材を選ぶお客様が増えてきて、色がついた塗料で塗りつぶしてしまうと、せっかくのデザインを活かすことができないようになりました。

そこで、外壁材の持つデザイン性を活かせるクリアー塗料が注目されるようになったのです。

外壁材そのもののデザインや風合いを活かすには、クリアー塗装と呼ばれる色をつけない無色透明な塗料での外壁塗装が適しています。

目次


クリアー塗装ってどんなもの?基礎知識を解説

現在は外壁材にも様々なバリエーションがあり、外壁そのものに模様などのデザインが入っている製品が数多くあります。しかしながら、こだわった外壁材を選んだにもかかわらず、色のついた塗料で塗りつぶしてしまってはせっかくのデザインが活かされない仕上がりになってしまいます。

そこで、外壁材に施されたデザインをそのまま活かせる、無色透明なクリアー塗装が注目されるようになりました。透明ですが通常の色つき塗料と同じく耐久性・耐候性などの機能を備え、長期間にわたって美しい外観を保つための効果が得られる塗料です。

では、クリアー塗装とはどんなものなのでしょうか。詳しく解説していきましょう。

クリアー塗装の特徴

クリアー塗装とは、その名の通り色がついていない無色透明な塗料のことを言います。木工製品の仕上げで塗るニスのようなイメージを想像していただくとわかりやすいかもしれません。色のついた塗料を塗って仕上げるのではなく、外壁材に施された模様や色味、風合いなどをそのまま活かすために使う塗料です。クリアー塗料を使用すると、外壁がコーティングされることで光沢が出て、色が濃く見えるようになるので、美しい外観を打ち出すことが可能になります。

<クリアー塗装と色つき塗装の違い>

1.仕上がりの色の違い

色つきの塗料で外壁材を塗りつぶして仕上げる色つき塗装に対し、クリアー塗装は無色透明なので外壁そのものが持つデザインを塗りつぶすことはありません。逆を言えば、補修の痕や外壁材自体についてしまった傷などを塗装で隠すことはできません。劣化が進んでいる外壁にクリアー塗装を用いても、美しい外観に仕上げることは難しくなります。

2.塗装回数の工程の違い

色つき塗装の場合は、下塗り・中塗り・上塗りの最低3回の塗り工程が基本とされています。それに対し、クリアー塗装は、下塗りがなく2回塗りの工程になります。工程が少ない分だけクリアー塗装の方が、塗りや乾燥にかかる時間を短く抑えることが可能になり、塗料などの材料も少なくて済むので、1回のメンテナンスにかかる費用を安く抑えることができます。

色つき塗装→下塗り・中塗り・上塗の最低3回なので工事期間が長く費用も高くなる

クリアー塗装→中塗り・上塗りの最低2回なので工事期間が短く費用を抑えられる

3.メンテナンスのタイミング

色つき塗装では補修痕など塗りつぶして隠すことが可能ですが、外壁そのものに汚れや傷、補修痕などがあると、その上から無色透明のクリアー塗装をしても、劣化した部分を隠すことができないため美しい外観を取り戻すことができません。

そのため、外壁そのものの劣化が始まる前にクリアー塗装の塗り替えをおすすめしています。場合によっては、塗料の持つ耐用年数より短いサイクルでのメンテナンス工事になる判断をすることもあります。塗り替えのタイミングは、塗膜のはがれや色あせなど、劣化の兆候が見られる前に専門業者の意見を参考に、塗り替え時期を見極めることが重要になります。

クリアー塗装に適した素材、不向きな素材

従来の一般的な住宅の外壁は、モルタルなどの壁に色を塗っていく塗装が主流でした。しかし近年は、サイディングボードというデザイン性の高い外壁材を貼り付ける住宅が増えてきて、サイディング材に施された模様や色、風合いなどを活かすクリアー塗装が選ばれるようになってきました。

<クリアー塗装に適した外壁素材>

サイディングボードの外壁は、無色透明な塗料を用いたクリアー塗装を行うことで、外壁自体に施されたデザインの見た目になるメンテナンスが可能になります。

クリアー塗装は、サイディング材が持っている風味やデザインをそのまま活かすことができる塗料で、メーカーや種類にもよりますが一般的に10年が耐用年数の目安と言われています。ただし、外壁そのものの劣化が進んでしまうと、クリアー塗装の塗り替えだけではメンテナンスが難しくなってしまうので、長期的に美しい外観を保つためには7~8年程度で塗り替えを行ったほうが良いと判断される場合もあります。

<クリアー塗装が不向きな外壁素材>

クリアー塗装で利用する塗料は無色透明なのでどんな外壁にでも使えるのではないかと思っている方も多いかもしれません。しかしながら、実際には素材との相性が悪く、クリアー塗装で得られる効果が発揮できない素材も存在しています。具体的に、どのようなケースが不向きなのか検証していきましょう。

1. 撥水処理など特殊なコーディングが施されているサイディングボード

サイディングボードそのものに、フッ素加工や光触媒、無機といった特殊なコーティングがされているものがあります。これらのような特殊なコーティングがされているサイディングボードには、クリアー塗料を塗ってもすぐに剥がれてしまう可能性が高いといわれています。

2.チョーキング現象が進んでしまっている外壁

外壁を触った時に、手に白い粉がついてしまったことはありませんか? この白い粉が出ている状態が経年劣化で起きるチョーキング現象です。チョーキング現象が起きている外壁の上からクリアー塗装をすると、塗装後の印象が白っぽくぼやけて見えてしまうことがあります。そのため、チョーキング現象が進んでいる外壁にクリアー塗装をすることはおすすめしていません。

3.経年劣化が起きている外壁

外壁そのものの傷やひび割れを補修した上からクリアー塗装を行うと、補修痕を隠すことなく悪目立ちさせてしまいます。色がついている塗料を使うのであれば、補修部分を塗りつぶして見えなくすることが可能ですが、クリアー塗装の場合は補修した部分を隠すことができずそのままの状態で見えてしまうため、非常に見栄えが悪くなってしまうのです。

4.コーキングが施されている外壁

コーキングとは、建物の耐久性を高めるためにサイディングボードを張る継ぎ目にゴムのような素材を充填する処理のことを指します。このコーキング処理を施した部分には、クリアー塗装を行うことができません。そのため、コーキング処理をした部分は養生などをしてから塗装をする必要があります。

コーキング剤はホームセンターなどで手軽に購入できる商品です。外壁のひび割れなどを市販のコーキング剤を埋めてセルフ補修している方もいらっしゃいます。このような自分コーキング剤で埋めた部分もクリアー塗装ができなくなってしまうので、メンテナンスの際には注意が必要になります。

クリアー塗装の種類と費用相場

クリアー塗装は、色つき塗装とは異なり下塗りが必要ないため、直接サイディングボードに塗っていく工法になります。そのため、色つき塗装と比べると作業工程がひとつ少なくなるので、必要な塗料も少なく、作業期間も短くできるので、材料代や人件費を抑えることができます。

クリアー塗料の値段は、塗料に使われている種類によって価格が異なります。1平方メートル辺りの相場は下記を参考に計算してみましょう。

塗料相場(1平方メートルあたり)
アクリル塗料1,000円~2,000円
ウレタン塗料1,500円~2,500円
シリコン塗料2,000円~3,500円
フッ素塗料3,000円~5,000円
無機塗料3,500円~5,000円

おすすめのクリアー塗料5選

ひとことでクリアー塗料といっても、様々な種類があります。価格の違いは、基本的に「耐久年数」によるところが大きいです。例えば、上記の表のように同じクリアー塗料でもシリコン樹脂とフッ素樹脂の塗料では、耐久年数が変わり、性能が異なるため価格が変わってきます。

参考までに、人気のあるおすすめのクリアー塗料を5つご紹介します。

1.パワーアシストクリヤー(水谷ペイント)

「パワーアシストクリヤー」は窯業系サイディングに用いられるクリアー塗料です。

耐久性に優れたシリコン変性樹脂塗料で、住宅の外壁をコーティングし風雨や紫外線から守ってくれます。また、光沢を長持ちさせることができるので、サイディングボードの特徴ともいえる高級感や質感などの意匠性を際立たせることが可能になります。耐久年数は15年程度となっています。

2.ピュアライドUVプロテクトクリヤーシリーズ(日本ペイント)

「UVプロテクトクリヤーシリーズ」は強固なシロキサン結合により耐久性に優れ、高耐候性を発揮する塗料で、防藻、防カビ、親水性にも優れています。外壁表面に付着した汚れを雨で浮かせて流す効果があり、カビや藻の発生も防ぐため、外壁の劣化を長期にわたって抑えてくれる特徴があります。また、紫外線の吸収剤の働きもあり色あせを必要最小限に抑えます。そのため、新築のようなサイディングボードの状態で、長期間にわたって外壁を保つ事ができると高い評判を得ています。耐久年数は10年程度となっています。

3.スーパーSDクリヤーF-JY(アステックペイントジャパン)

「スーパーSDクリヤーF-JY」は耐候性・低汚染性に優れている塗料で、意匠性の高いサイディングボードのデザインをそのまま活かしながら、長期間美しく保つことができます。クリアー系塗料の中でも、耐久性が高い特徴が評価されています。耐久年数は18年程度となっています。

4.無機ハイブリッドクリヤー(アステックペイントジャパン)

「無機ハイブリッドクリヤー」は劣化に強い無機塗料で、汚れにくく傷に強いという特徴を持ちます。光沢感が3分艶と艶ありの2種類から選べるため、好みの仕上がりに塗装できることもポイントです。耐用年数20年以上を誇り、20年経っても光沢保持率80%を維持する超耐久性塗料です。

5.SKシリコンクリヤーW(エスケー化研)

「SKシリコンクリヤーW」は耐久性と低汚染性に優れた水性のクリアー塗料です。従来の溶剤形ポリウレタン樹脂系塗料を上回る耐久性を持ち、耐用年数は10~12年が目安です。

ライフサイクルコストの低減と資産価値の向上につなげる塗料として評価されています。

まとめ

クリアー塗装について基本的な知識と特徴をご説明しました。

サイディングボードの外壁材に施されたデザインを活かして美しい外観を維持したいという希望を叶えることができる特徴を持つ反面、劣化が激しかったり補修痕があったりする場合には見栄えが悪くなって使えないといったデメリットもあります。 クリアー塗料を使いたいと考えている場合は、外壁そのものの状態を見極めて、メンテナンスのタイミングなど専門家の早めの判断が必要となります。お気軽にご相談ください。

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