モルタル壁とは?特徴や魅力、長持ちさせるためのメンテナンスのサイン
モルタル壁は継ぎ目がなく、美しい仕上がりが特徴で、かつては外壁材の主流となっていました。魅力的なモルタル壁ですが、工程が複雑でコストが高くなる傾向があり、定期的にメンテナンスが必要です。このコラムでは、モルタル壁の基本的な特徴から、そのメリット・デメリット、さまざまな表面仕上げの種類、そして重要なメンテナンスのポイントまでを詳しく解説します。モルタル壁の住まいをより長持ちさせる知識を身に付けましょう。
モルタル壁とは?
モルタル壁は、セメント、砂、水を混ぜ合わせて作られる建築材料です。日本の住宅においては長年にわたり外壁材の主流でした。デザイン性が高いことから外壁材や外構などで使われています。そんなモルタル壁が普及した背景と、その特徴や魅力についてまとめました。
モルタル壁が普及した背景
モルタルは、ヨーロッパでレンガ造りの建物を石造建築に見せるために使われたのが起源でした。日本では明治時代に洋風建築と共に使われるようになり、耐火性の高さから、関東大震災後から普及し、1990年ごろまで日本の住宅外壁の主流でした。現在では、外壁材の主流はサイディングとなっています。
モルタル壁の特徴
耐久性とデザインの自由度の高さは、モルタル壁の大きな魅力の一つです。また、環境への配慮も現代の建築において重要な要素となっています。これらの特徴から、モルタル壁は多くの建築家や施主に愛され続けています。
耐火性と耐久性
モルタル壁は非常に耐火性に優れており、強い衝撃にも耐えることができます。これは、家の安全性を高める上で大きな利点です。
デザインの自由度
豊富な色や模様が選べ、仕上げの種類も多様です。職人の手によって一つ一つ丁寧に作られるため、個性的な外観を実現できます。
環境に優しい素材
モルタルはセメント、砂、水といった自然素材から作られており、環境に優しい素材と言えます。
モルタル壁はその機能性と美しさで、多くの建物に採用されています。
次に、モルタル壁のメンテナンス方法や注意点について詳しく見ていきましょう。
モルタル壁のメリットとデメリット
モルタル壁は、その独特の特性から多くの建築物で使用されていますが、メリットとデメリットの両面を理解することが重要です。ここでは、モルタル壁の主な利点と潜在的な欠点を探ります。
モルタル壁のメリット
モルタル壁の最大のメリットは、その高いデザインの自由度です。職人の手作業により、様々な色やテクスチャーを生み出すことができます。また、耐久性と耐火性にも優れており、長期にわたって建物を保護することができます。継ぎ目がないため、外壁全体が一体となって美しい仕上がりとなります。これらの特性によって、モルタル壁は個性的なデザインの建築物などに活用されています。
モルタル壁のデメリット
モルタル壁にはいくつかのデメリットもあります。特に、ひび割れしやすいことが挙げられます。これは、構造的な問題や気象条件によって引き起こされることがあります。また、モルタル壁の表面は汚れが付着しやすく、特に都市部や交通量の多い場所などの場合は定期的な清掃が必要になります。
さらに、モルタル壁の品質は施工する職人の技術に大きく依存するため、職人によって仕上がりに差が出ることもあります。
モルタル壁は、その美しさと機能性で多くの建物に採用されていますが、適切なメンテナンスと専門家による施工が必要です。これらのメリットとデメリットを理解し、モルタル壁を選択する際には、それぞれの特性を考慮することが重要です。
モルタル壁の表面仕上げの種類
モルタル壁の魅力の一つは、その表面仕上げの多様性にあります。建物の外観に大きな影響を与えるこれらの仕上げ方法は、建築のスタイルやデザインの意図に応じて選ばれます。ここでは、モルタル壁の主な表面仕上げの種類を紹介します。
モルタル壁の主なテクスチャーの種類
・リシン吹きつけ:
細かい粒子を均一に吹きつけることで、繊細で均一なテクスチャーを生み出します。モダンな外観に適しています。
・リシンかき落とし
リシンを塗布した後、特定のパターンでかき落とし、独特の模様を作り出します。個性的なデザインが可能です。
・スタッコ
伝統的な仕上げ方法で、粗いテクスチャーが特徴です。地中海風の建築によく用いられます。
・吹きつけタイル
タイルのような見た目をモルタルで再現します。耐久性と美観を兼ね備えています。
・左官仕上げ
職人の技術が光る仕上げで、滑らかな表面から独特の模様まで、幅広い表現が可能です。
・パターンローラー
ローラーを使用して独特のパターンを作り出します。比較的簡単に施工でき、多様なデザインが可能です。
仕上げ方法が幅広いのもモルタル壁の特徴の一つです。また、選択する仕上げ方法によって、建物の全体的な雰囲気や印象が大きく変わるため、デザインの意図に合わせた適切な方法を選ぶことが重要です。
モルタル壁のメンテナンス
モルタル壁は耐久性が高いとはいえ、適切なメンテナンスはその寿命を延ばし、美観を保つために不可欠です。メンテナンスのタイミングと、メンテナンスが必要なサインを理解することが重要です。
モルタル壁の点検のタイミング
モルタル壁の点検は、以下のタイミングで行うことが推奨されます。
①新築後
新築後の初期点検で、施工上の問題がないか確認します。
②定期的な点検
年に一度の定期点検で、小さな問題を早期に発見し対処します。
③大きな自然災害後
地震や台風などの後は、損傷がないか特に注意深く点検する必要があります。
④外観上の変化
色褪せや汚れなど、外観の変化に気づいたら点検を行います。
モルタル壁のメンテナンスのサイン
モルタル壁のメンテナンスが必要なサインには以下のようなものがあります。
①亀裂や剥がれ
構造的な問題の可能性があるため、早急に専門家に相談することが重要です。
②ひび割れ
小さなひび割れでも放置すると大きな問題に発展する可能性があります。
③コケや藻の発生
特に湿気の多い環境では、コケや藻が発生しやすく、外壁の劣化を早めます。
④チョーキング
塗膜の劣化が原因で、塗り替えが必要なサインです。
モルタル外壁の耐用年数は約20年~30年で、築10年を過ぎると劣化が目立ってきます。そこで10年がメンテナンスの目安とされています。上に示した点検とメンテナンスのサインを参考にして、適切なタイミングで専門家に相談することが、モルタル壁を長持ちさせる鍵です。
モルタル壁のメンテナンス費用
モルタル外壁のメンテナンス費用の相場は、ひび割れ補修が約1万~20万円
塗り替えが約60万円~120万円(足場代など含む)となっています。メンテナンスには、部分補修や外壁塗装などがあり、劣化の状態に合わせてベストな方法を選ぶようにします。
まとめ
モルタル壁は、耐火性や耐久性に優れ、デザインの自由度が高いことで知られています。その一方で、ひび割れしやすく、汚れやすいこと、職人による仕上がりの差が出ることなどのデメリットもあります。表面仕上げの種類は多岐にわたり、リシン吹きつけからスタッコ、左官仕上げまで、建物の外観に大きく影響します。メンテナンスは、新築後や定期的な点検、自然災害後、外観の変化が見られた際に特に重要です。亀裂や剥がれ、ひび割れ、コケや藻の発生、チョーキングはメンテナンスのサインです。
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