飛び込み営業での契約は危険! 塗装修理で失敗しない方法
外壁や屋根の塗装をすすめる業者が、突然やって来た経験はないでしょうか?
いわゆる「飛び込み営業」は悪徳業者の可能性があります。相場よりも高い費用を請求されたり、手抜き工事をされてしまったりと、危険がいっぱいです。
外壁・屋根の塗装や修理を、飛び込み営業で契約するのはちょっと待ってください。
飛び込み営業とはどういうものか、何に注意すべきかを知っておくことで、突然の訪問を受けても冷静に判断ができるようになります。
まだ飛び込み営業が来ていない、という方も、あらゆる住居や店舗は悪徳業者の標的になっている、ということを知って、対処できるようにしていきましょう。
すでに塗装の飛び込み営業が来ているなら、◆飛び込み営業がやって来た場合の対処法 から。
まだそのような経験はない、という方は、◆飛び込み営業で塗装工事を決めるのは危険! からご覧いただくと、必要な情報がすぐにわかります。
「業者と契約したけれど大丈夫かな」と不安がある場合は、クーリングオフ(契約解除の制度)もできるので、検討してください。
目次- 飛び込み営業で塗装工事を決めるのは危険が沢山
- なぜ飛び込み営業は危険なのか
- 飛び込み営業がやって来た場合の対処法
- 契約するか迷ったら
- 契約後でも解約できる「クーリングオフ制度」
- 飛び込み営業と、チラシを配っている会社は一緒?
- 優良業者を選んで、安心の外壁・屋根メンテナンスを
- 最後に
◆飛び込み営業で塗装工事を決めるのは危険が沢山!
飛び込み営業は、次のような理由から危険です。
- 塗装が必要な時期かどうかに関係なく、突然やって来る
- 手抜きの工事をする恐れがある
- 相場よりも高額な費用を請求されることがある
- 塗装の知識を持っていない場合が多い
これらは、外壁や屋根の塗装、屋根修理など、家のリフォームが失敗する原因となるため、飛び込み営業での契約は避けるようにしましょう。
◆なぜ飛び込み営業は危険なのか
さきほど挙げた4つの理由を詳しく説明していきましょう。
◎塗装が必要な時期かどうかに関係なく、突然やって来る
外壁や屋根の塗装、屋根修理などのリフォームは、築10年前後から検討するのが目安です。しかし、飛び込み営業は、メンテナンスの時期に関係なく、突然訪問してくる場合がほとんどです。
無駄な工事で不要な出費が生じないように、気をつけましょう。
◎手抜きの工事をする恐れがある
営業の会社と、その後の施工会社は別で、元請けの会社から下請けや孫請けをして工事を
行います。
下請けや孫請けの業者は塗料を薄めて使ったり、塗装回数を減らしたりと、利益確保のために手抜き工事を行う恐れがあります。
◎相場よりも高額な費用を請求されることがある
最初に高額な見積もりを見せ、「キャンペーン中だから」とか「特別に値引きする」と言って金額を下げ、安いと錯覚させる手法です。
工事の相場価格は地域で異なるものですが、あなたの地域の相場より高い金額になっていることもあります。お住まいの地域の費用相場を知る、ということも大切です。
◎塗装の知識を持っていない場合が多い
飛び込み営業は、契約をとるための話術は巧みですが、外壁や屋根に関する知識はあまりありません。
知識を持っていない方から見れば、飛び込み営業の説明は説得力があるように感じるかもしれませんが、専門家からすると、全く説明不足であることが多いのです。
◆飛び込み営業がやって来た場合の対処法
外壁や屋根の塗装をすすめる飛び込み営業がやって来たら、どう対処すればよいのでしょうか。飛び込み営業はどのように契約を迫ってくるのか、その実態を紹介します。
◎飛び込み営業の実態
飛び込み営業は、文字通り営業職。契約件数による出来高が、そのまま給料に反映されます。そのため、外壁や屋根のリフォームをすすめにやって来る飛び込み営業は、営業利益を優先してお客様のことを第一に考えていない可能性があります。
話し上手で、誇張やウソも織りまぜながら契約を勝ち取ったり、「契約前と内容が変わっている」などという詐欺まがいのことをしたり、という話も聞こえてきます。
全ての飛び込み営業が悪徳業者?
飛び込み営業イコール悪徳業者、とは言い切れません。しかし、実際に被害に遭われたお客様のうち、9割近くが、飛び込み営業で契約された方です。
◎飛び込み営業には4つのタイプがある
飛び込み営業を4つのタイプに分類してみました。タイプを知ることで、突然やって来た営業に対しても、冷静に対処していきましょう。
- タイプ1:やたらと不安をあおる
- タイプ2:偶然を装う
- タイプ3:大幅値引きをウリにする
- タイプ4:何度もやって来る
●タイプ1:やたらと不安をあおる
「このままだと屋根が危険」「たいへんなことになる」などと、必要以上に不安をあおってくるタイプ。
知識がない方にとっては、危険と言われると「本当にそうなのかな」「家が壊れるのかも」と急に不安になりますよね。
しかし実際は、外壁塗装に多少のヒビ割れがあったり、雨漏りが生じたりしていても、すぐに塗装などのメンテナンスをしなければいけない、ということはありません。
知識のない人の不安をあおって、契約を勝ち取ろうとする業者に工事を任せると、かえって建物の劣化を早める結果にもなるので、気をつけましょう。
不安解消ポイント!
不安なことを言われても鵜呑みにせず、医療でよく耳にする「セカンドオピニオン(別の専門家に第2の意見を聞くこと)」を実践してみましょう。工事の要・不要や費用の見積もりなどを、他社にも聞いて参考にすると安心です。
●タイプ2:偶然を装う
「この地域をたまたま回っていた」「外壁にヒビが入っているのを見つけた」などと、来訪が偶然であるかのように装ってやって来るタイプ。
実際は、あなたの地域で綿密な営業の計画を立てていたり、事前に家の外壁などを調査していたりと、かなり作戦を練って訪問している場合がほとんどです。
「親切な営業マンだ」などと感謝しそうになりますが、意図があって来ている、と思いましょう。
不安解消ポイント!
親切だと感じたり、家の不具合を指摘されて不安を感じたりしても、初対面の飛び込み営業で契約するのは危険です。計画していない家の修理は、毅然とした態度で断る勇気を持ちましょう。
●タイプ3:大幅な値引きをウリにする
「定価300万円のところ、キャンペーン中なので今なら半額で工事できます!」などと、お得感をウリにして契約させようとするタイプ。
しかし、例えば約30坪の建物の場合、外壁塗装の相場は60~100万前後。そもそも50万以上の値引きができるのはおかしいと言わざるを得ません。
数字上のマジックに騙されないよう、冷静な判断をする必要があります。
不安解消ポイント!
大幅値引きでお得に感じても、根拠のない値引きをする飛び込み営業とは、契約しないよう気をつけましょう。
●タイプ4:何度もやって来る
繰り返し何度も訪問し、契約を得ようとするタイプ。
足繁く通ってくると、「熱意がある」「ここまで言うからには塗装をしたほうがよいかも」という気持ちになってきます。そうやって契約に辿り着こうとする作戦です。
同じ営業マンではなく、毎回違う営業マンが来る場合もあります。
感情に流されて契約してしまうと失敗する恐れがあるので、まずは断る勇気を持ちましょう。
不安解消ポイント!
何度もやって来るしつこい営業マンに対しては、「別の塗装業者にも見てもらっている。比べさせてもらってよいか」と投げかけてみましょう。
飛び込み営業は他の業者と比較されるのを嫌がります。知識・技術・対応力の面で、優良業者には太刀打ちできないからです。
◎飛び込み営業の手口を知ろう
ここまで、飛び込み営業の4つのタイプについて説明しました。
続いては、飛び込み営業のさまざまな手口について紹介します。手口を知っておくことで、営業マンに騙されない目を養うことができ、しっかりと断れるようになります。
●外壁・屋根共通の飛び込み営業の手口
- 「キャンペーン」と称する大幅値引き
- 「モニター価格」という設定の根拠のない安さ
- 「創業記念」など特別感を出した価格
- 相場よりも安すぎる見積もり
- オリジナル塗料をすすめてくる
- 建物を見てすぐに見積もりを出してくる
※見積もりには「診断」が必要。診断は最低30分~1時間はかかります。
※塗装面積を計り、データを正確に出さなければ正確な見積もりはできません。
- 不安や危険をあおって契約を迫る
- 契約書面等がないまま、その場で契約をさせようとする
- 「足場代無料」と言う
※通常足場代は、それだけで数十万かかるものです。簡単に無料にはできません。
- 「前払いで安くする」と言う
- 偶然を装って訪問する
- 築年数や「診断」など関係なく「近所のお宅もやったから」とすすめてくる
- 他の会社と相見積もりをさせてくれない
●外壁の飛び込み営業の手口
- 外壁のヒビだけで「すぐやらないと危険」と不安をあおる
●屋根の飛び込み営業の手口
- 「診断」と称して屋根の上に上がり、わざと屋根材をズラしたり、割ったりする
- 修繕が必要な別の屋根の写真を見せ、あなたの家の屋根だと言って不安をあおる
調査すればするほど、さまざまな手口が見つかります。
これらの手口を知っておき、いざという時も冷静に判断できるようにしましょう。
◆契約するか迷ったら
飛び込み営業の人柄や、職人さんのようすが気に入って、契約を真剣に考えているという方もいらっしゃることでしょう。
納得して契約をするのは間違いではありません。しかし、契約の前に、おすすめしたいことが1つあります。
それは、別の塗装業者に見積もりを依頼し、内容の比較をしていただきたいということです。
◎なぜ複数の見積もりの比較が必要か
ある飛び込み営業のA社で、次のような見積もりを提示されたとします。
- A社:外壁塗装200万円
1社のみの見積もりでは、その金額が適正かどうかわからないため、そのまま契約するのは危険です。
他の2社に見積もりを依頼して、次のように比較できたとします。
- A社:200万円
- B社:180万円
- C社:220万円
このような結果の場合は、飛び込み営業のA社の金額は平均価格と言えるので、金額への疑問や不安は解消できそうです。しかし、次の場合はどうでしょうか。
- A社:200万円
- B社:120万円
- C社:100万円
こうなると、飛び込み営業が提示する200万円は、破格に高い金額であることが明らかです。
業者の比較をすることで、金額が適正かどうかを判断することができるので、ぜひ実践してください。
◎「今すぐ契約してほしい」と言われたら
検討する時間を与えず、その日にすぐに契約を迫ろうとするのは、飛び込み営業のよくある
手口の1つです。
契約を急がせるのは、自分の営業成績や給料を上げたいから。なので従う必要は全くありません。
契約者であるあなたの事情に配慮して、話を進めてくれるのが常識なのに、会社の都合や自分の事情を押し付けようとする業者は工事の質も信用できません。
契約を迫ってきたり、不安をあおって当日の契約を迫る飛び込み業者に対しては、はっきりと
断りをいれましょう。
◆契約後でも解約できる「クーリングオフ制度」
「クーリングオフ」とは、契約後8日間であれば解約できるという制度です。
この権利は、だれでも使うことができます。しかし次のような手口で、クーリングオフを適用
できなくさせられる場合があります
それは、契約後の8日間が過ぎる前に着工するというやり方です。
着工してしまえば、8日以内であってもクーリングオフの対象外となるため、その権利を使うことができなくなります。契約後すぐに着工しようとする場合は、あなたにクーリングオフを使わせない作戦なのかもしれません。塗装工事も、満足のいく出来映えになるかどうか心配です。
いくら営業の対応がよく感じても、契約は見送ったほうがよいでしょう。
◆飛び込み営業と、チラシを配っている会社は一緒?
外壁塗装・屋根塗装などのチラシは、よくポストに入っていますよね。
このチラシは、飛び込み営業とも関係があります。
◎チラシをポストに入れながら営業
飛び込み営業の業者は、留守のお宅に置いていく場合が多いです。
通常はポスティング会社に依頼しますが、飛び込み営業も1日に数百件と回る中、留守の家にチラシを置いていき、少しでも次につなげようとしています。
そのため、チラシにかかれている連絡先に連絡したら営業会社だった、というような
パターンも多いのです。
◎「飛び込み営業」は「塗装業者」ではない
営業主体の会社は、塗装の専門会社ではありません。その結果、工事の質が下がることもしばしばあります。実際の塗装工事は、下請けや孫請けに出してる場合がほとんどです。
下請けや孫請け全ての業者の質が悪いということではありません。しかし、元請けである営業会社が、利益を確保しようと発注金額を抑えた結果、十分な塗装ができないような低い金額で工事を請け負う場合も。下請け・孫請け業者は、少ない金額でどうにか工事をしなければならないので、低品質の塗料を使用したり、手抜き工事をしたりする事例が後を絶たないのです。
大切な我が家のため、しっかりした塗装工事をするには、飛び込み営業は避けるべきです。
◆優良業者を選んで、安心の外壁・屋根メンテナンスを
外壁や屋根の塗装や、修理、リフォームは「業者選び」がほぼ99%。これで工事の成功が決まると言っても過言ではありません。
感じのいい営業マン、話がしやすい営業マンは信頼しやすいものですが、実際に工事を行うのは塗装業者です。業者の質によって、塗装の質も変わります。
優良業者を選ぶポイントは、地域に根付いた地元密着型の会社を探すこと。大切な我が家をしっかりメンテナンスしてくれる業者を見つけましょう。
飛び込み営業をされてもすぐに工事を決めずに、改めて信頼できる塗装業者を探すことが大切です。
◆最後に
(株式会社 ファミリー工房 住宅アドバザー)
お読みいただきありがとうございました。
外壁・屋根塗装の飛び込み営業について、実態や注意すべきポイントをまとめました。
何かわかりづらいところや質問があればお気軽にご相談ください。少しでも参考になれば嬉しいです。