瓦屋根とは?特徴や種類、メリットとデメリットを知って選ぼう
住宅街で見上げてみると、さまざまなデザインや色の屋根があります。
その中でも瓦屋根は、日本では多くの家屋で屋根材として使用されてきました。
屋根はその建物の耐久性などの機能に大きく関わっています。
過去から現在まで選ばれてきた瓦屋根だからこそ、点検・メンテナンスをしっかり行うことができれば、長持ちし、費用も抑えることが可能にもなるでしょう。
瓦屋根が選ばれる理由とその減少傾向を理解することで、適切なメンテナンスが可能です。
この記事では、瓦屋根の寿命やメンテナンス方法までしっかりご紹介します。
瓦屋根の基本知識
「屋根と言えば?」と問えば、日本では瓦屋根をイメージすることでしょう。
それぐらいポピュラーな屋根材であるにも関わらず、どういった特徴があるのか知らないという方もまた多いはずです。まずは瓦屋根について基本的なことを知っておきましょう。
瓦屋根とは?
日本らしい建築物の屋根は瓦が使用されていることが多く、なじみ深い屋根材です。日本だけでなく海外でも瓦は人気があり、和瓦と洋瓦という区別があるほどです。
ひとつの瓦においても、原材料、成型方法などが違い、特徴があります。それらを生かして適切な使用、メンテナンスを行うことが瓦本来の「長持ちする」という最大の特徴が発揮されます。
瓦屋根のメリット・デメリット
新築の建物、戸建て住宅では、金属製の屋根材などが選ばれることが多いです。瓦屋根自体のメリット・デメリットを知り、他の屋根材との比較をすることで最適な屋根材選び、リフォームができるはずです。
メリット | デメリット |
耐用年数が長い | 重量があるので耐震性が劣る |
1枚から交換できる | 地震や台風で瓦が落ちて割れる危険性あり |
遮熱性・断熱性が高い | 初期費用が高め |
防水性に優れ色あせない | カバー工法はできない |
遮音性、防音性が高い |
瓦屋根の種類と特徴
屋根瓦の種類はたくさんあります。
材質や種類ごとの特徴を理解し、適切なメンテナンス方法を知っておきましょう。
和瓦と洋瓦の違い
私たちが思っている瓦はほとんどが「和瓦」でしょう。
日本家屋、神社仏閣などで使用されていて、波のような形状の瓦は和瓦です。
主にヨーロッパの住宅で使用されている、平な形状のものは洋瓦です。同様に、山のように瓦が盛り上がっている形状のものも洋瓦です。
瓦の材質とその特性
屋根瓦の材質は大きくわけて3つに分かれます。
それぞれの特性をみていきましょう。
・粘土瓦
粘土を瓦型に焼き上げたもので、一番スタンダードな瓦です。
着色する方法でさらに3つに分かれます。
奈良時代の寺社で使用されている粘土瓦が1400年たった現在でも、使用されていることを考えると、その耐用年数が素晴らしいことがわかります。その他、瓦屋根が持つメリットをすべて備えているといっても過言ではありません。
耐用年数の長さは同時に、その材質に力を入れるので単価が高くなります。長い年月を耐えられる材質となると素材自体の重量も重くなり耐震性は劣ります。
釉薬瓦 | 素材である粘土に釉薬をかけて焼成した瓦 釉薬が防水機能を高めるため屋根材として人気 釉薬による色選択肢が豊富、つやが出せるので好みを選べる |
無釉瓦 | 釉薬でコーティングしない粘土瓦 焼き方の違いで「いぶし瓦」「素焼き瓦」がある 城郭、神社仏閣で使用されていることが多い |
・セメント瓦
材料のセメントを瓦型に成型したもので、粘土瓦よりも安価で作ることができる強みがありました。最後に塗料が塗られるため、デザイン性が高い屋根になることでも人気でした。
しかし、経年劣化で塗料がはがれやすいこと、セメントの型崩れが起こりやすいことなどから、メンテナンスが欠かせない屋根材です。
初期費用が抑えられる分、メンテナンス費用が掛かる点で、最近では他の屋根材が選ばれることが増えています。
・コンクリート瓦
コンクリートを原料として、砂利を混ぜて成型した瓦です。
他の瓦よりも成型がしやすく、すべての形が整っていることが特徴です。デザイン性を重視したい時は粘土瓦よりもコンクリート瓦と言われています。
ただし、セメントには防水機能がほとんどないので、防水塗装が必須です。雨漏り対策をしておくことが重要なので、ひび割れなどがないか点検が重要です。
瓦屋根のメンテナンスと修理
瓦屋根にはさまざまな種類があるからこそ、メンテナンスや修理時期も異なります。耐用年数が長いと言われる瓦屋根であってもその寿命はあり、交換やメンテナンスをするべきサインやポインがあるのでご紹介します。
瓦屋根の寿命と交換時期
瓦の種類 | 交換検討時期 |
釉薬瓦 | 50-100年 |
無釉瓦(いぶし瓦) | 30-50年 |
無釉瓦(素焼き瓦) | 40-50年 |
セメント瓦 | 30-40年 |
コンクリート瓦 | 現在メンテナンス会社がほぼない |
・そもそも古い工法・時期の瓦
・目視できる瓦の劣化、漆喰のはがれ
・目立つ瓦のズレや破損
こういったサインがある場合は、瓦の修理や交換が必要です。ご自身で、屋根に登って点検するのは安全性が確保できず危険なため、専門業者の無料点検や無料見積などをご利用ください。
瓦屋根のメンテナンスポイント
瓦屋根の耐用年数は長いからこそその寿命を伸ばすためには、定期的な点検や清掃、メンテナンスが欠かせません。
メンテナンス部分、瓦 | 内容 |
瓦をとめる下地材 | 10年ごとに点検し交換検討 |
セメント瓦 | 10-15年ごとに塗装 |
無釉瓦 | 30-50年瓦交換 |
瓦自体は割れなければ問題はありません。しかし、下地材が機能していなければ瓦が落下する危険性や雨漏りの可能性が高まります。ふだんは目につかない場所だからこそ、定期的に専門家による点検をおすすめします。
瓦屋根の費用
屋根材として耐用年数や費用面でも瓦屋根はおすすめできますが、費用はぜひとも知っておきたいところです。費用相場をご紹介します。
瓦屋根にする場合の費用相場
新築瓦屋根材は、粘土瓦、セメント瓦が主流です。
現在新築戸建てで人気のあるスレート屋根材、金属製屋根材、に比べると費用相場は1.5倍から2倍です。ただ、耐用年数は逆に瓦屋根が1.5倍から2倍以上になるので、見極める必要があります。
外的要因などで瓦の部分的に割れやズレがある場合には早急に部分修理を依頼しましょう。早めの対策をして雨漏りなどを防ぐ必要があります。経年劣化が目立つ場合は、屋根全体を修理する葺き替えが必要になります。
瓦屋根 | 費用相場(例:30坪住宅) |
部分修理 | 40-80万円 |
葺き替え | 110-240万円 |
まとめ
瓦屋根は、その長い歴史と共に日本の建築文化に深く根ざしてきました。耐久性が高く、和風の美しさを感じさせる瓦屋根は、長年にわたり信頼されてきました。この記事を通じて、瓦屋根の種類、特性、そしてメンテナンスの重要性について理解を深めていただけたことと思います。
比較的耐久性が高い瓦屋根でも、適切なメンテナンスを怠ると、耐久性や美観は低下してしまいます。定期的な点検と適切なメンテナンスは、瓦屋根の寿命を最大限に延ばし、長期的なコスト削減にもつながります。
また、近年では瓦以外の施工が増えているため屋根瓦の取り扱いや施工ができる職人が減っているため、業者選びは慎重に行う必要あります。その点、ファミリーグループは自社の熟練の技術を持つ職人たちが、施工を担当しているのが他のリフォーム業者との大きなちがいです。たしかな知識と技術を持つ、ファミリーグループならお客様の理想を叶える施工ができます。瓦屋根の選択、メンテナンスに関してご不明な点があれば、ぜひ私たちにご相談ください。