ガルバリウム鋼板屋根が今人気?魅力と実用性を紹介
従来、金属屋根の代表格はトタン屋根でしたが、現在選ばれている人気の金属屋根素材は「ガルバリウム鋼板」です。住まいの新築やリフォームを考えたとき、耐久性とコスト効率を兼ね備えた屋根材として、ガルバリウム鋼板屋根が普及しています。
しかし、比較的新しい屋根材なので、瓦やトタンとの違いやメリットについて疑問視する方もいるでしょう。本記事では、ガルバリウム鋼板屋根の魅力と実用性をわかりやすく解説します。これから屋根のリフォームを検討する方の一助となれば幸いです。
ガルバリウム鋼板屋根とは?
ガルバリウム鋼板は、正式には金属の素材名ではなく商品名です。
アルミニウム55%、亜鉛43.3%、シリコン1.6%を鉄板にメッキした「アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板」とも呼ばれます。
40年ほど前にアメリカで開発され、金属屋根材として急速に広まったのは、3つの素材が合わさって発揮される「サビにくさ」でした。
真っすぐに伸びる銅板のスタイリッシュさと、長期間にわたり美観が損なわれないという特性で、この20年で日本でも急速に屋根材として選ばれてきました。2017年以降は屋根材のシェアがNO.1となっています。
ガルバリウム鋼板屋根のメリット・デメリット
ガルバリウム鋼板の耐久年数は、30年前後と言われています。金属屋根として十分な年数ではないでしょうか。
さらに、機能性において、コストパフォーマンスにおいて、ガルバリウム鋼板の人気の理由はたくさんあります。
それでも高い耐久性を誇るためには経年劣化に対するメンテナンスは欠かすことができないでしょう。
ガルバリウム鋼板屋根を選ぶ際に、メリットだけでなくデメリットも知っておくことは、とても重要なことです。
ガルバリウム鋼板屋根のメリット
ガルバリウム鋼板の最大メリットは「すべてにおいてバランスが良い」ことが挙げられます。
メリット | 内容 |
耐久性が高い | サビにくくメンテナンスを少なくきる |
軽量かつ耐震性に優れている | 瓦の1/20、スレートの1/5の重量 |
耐熱性が高い | 熱に強いアルミが配合されているため |
防水性があり水はけが良い | 金属のため吸水性はないので雨漏りの心配はない |
機能とコストパフォーマンスが両立 | 他の金属や瓦に比べるとバランスが良い |
加工がしやすく形状に自由度がある | 薄い金属板なのでさまざまな形に対応できる |
デザイン性が高い | カラーの幅がありスタイリッシュにできる |
施工期間の短縮が可能 | あらかじめ板状になっているため設置しやすい |
ガルバリウム鋼板屋根のデメリット
ガルバリウム鋼板屋根にして後悔する可能性はもちろんあります。しっかりメリットと比較しましょう。
デメリット | 内容 |
断熱性が低い | 銅板のため単体では熱伝導率が高い |
遮音性が低い | 薄い金属板は音が伝わりやすい |
サビる | 沿岸地域など金属なので避けることはできない |
通気性が悪い | 断熱性を高めるために湿気が外へ逃げづらい |
傷や凹みがつきやすい | 金属板なので外部からの衝撃に弱い |
見た目がシンプル | 高級感や重厚感、和風な佇まいは感じられない |
勾配がない屋根には不向き | 吸水性がないので水が流れづらい |
アルカリ性、酸性に弱い | コンクリートや枯葉などと接触すると変色やサビの原因となる |
ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンスと寿命
適切なメンテナンスを行うことで、ガルバリウム鋼板屋根の耐用年数を平均の30年から40年以上に延長することが可能です。定期的な点検で早期に問題を発見し、屋根の寿命を最大限に伸ばしましょう。
ガルバリウム鋼板屋根の寿命
建物自体の立地はガルバリウム鋼板屋根の寿命に非常に影響します。
したがって、立地条件に適したメンテンナンスを行うことがとても重要です。
平均的には30年前後の耐用年数ではありますが、メンテナンスは10年を過ぎてから検討を始め、「15年」をめどにメンテナンスをしてください。
年数 | メンテナンス検討内容 |
15年 | 棟板金の交換 固定している釘が緩む可能性が高くなるため、棟板金と下地木材の交換を検討 |
10-20年 | 塗装リフォーム 日差しや潮で劣化は避けられないので、塗料によって耐久性を延ばすために検討 |
30年 | 葺き替え ガルバリウム鋼板自体が大丈夫だったとしても、ルーフィングが寿命を迎えるため、雨漏りリスクがあるため葺き替えを検討 |
メンテナンスのポイント
「サビ」「穴あき」「釘のゆるみ」などは、ガルバリウム鋼板の耐用年数を著しく損ねるものです。しかし、こういったメンテナンスサインは、屋根に上らない限りわかりません。
素人が屋根に上り点検、メンテナンスすることは容易ではありませんし、危険が伴います。定期的な点検や清掃は、業者に依頼することをおすすめします。
安全・安心に業者へ依頼するためにも、メンテンナンスポイントはしっかり認識しておきましょう。
メンテナンスポイント | 内容 |
水をかける | 屋根に水をかけ汚れを軽く落としておく |
落ち葉などを払う | 屋根や雨樋にも葉や枝が残らないようにする |
定期点検を依頼する | 屋根全体にサビや穴あきがないか確認する |
塗装の塗り替え | 色あせや塗装の剥がれがある場合 |
以上のメンテナンスポイントを見逃さないことで、屋根全体の葺き替えやカバー工法での重ね葺きの時期を遅らせることも可能になります。
ガルバリウム鋼板屋根の費用相場
ガルバリウム鋼板屋根は、軽量で施工もしやすいため、費用面を含めても新築の建物において人気が高いです。どの建物にも、どういうリフォームに選んでも大丈夫という安心感があります。
全面的に新しい屋根材に変更する「葺き替え」も、古い屋根材の上から重ね葺きする「カバー工法」もガルバリウム鋼板屋根を選択する価値は、費用からみても納得です。
ガルバリウム鋼板屋根、一戸建て約80㎡を例として費用相場をご紹介します。屋根の施工は足場を組むことが前提ですので、足場代15-20万円も含んでの費用相場です。
施工内容 | 施工費用(足場代含む) |
屋根塗装 | 45-55万円 |
葺き替え | 85-120万円 |
カバー工法 | 70-95万円 |
まとめ
ガルバリウム鋼板屋根は、デメリットを踏まえても、しっかりとした対策が確立されており、耐久性やコストパフォーマンスから判断して選択する価値は十分にあります。
しかし、どんな建材もメリットとセットでデメリットが存在します。大切な資産である家の屋根材を選ぶ際には、専門家の意見を聞き、長期的な視点で判断することが不可欠です。
まずは、現在のお家の屋根の状態やリフォームの見積を知ることから始めましょう。屋根のリフォームなら、実績豊富なファミリーグループへご相談ください。
費用と施工、どこに依頼するかは安全・安心な建物を維持するためにも重要です。