サイディング外壁とは?その種類と特徴、メリット・デメリットを紹介
サイディング外壁は現代住宅に欠かせない高機能な外壁材です。しかし、その機能性を長期間にわたり保つには、定期的なメンテナンスの必要性があります。本記事では、サイディング外壁の種類、特徴、そしてそれぞれのメリットとデメリットを詳細に解説します。 さらに、耐用年数を最大限に延ばすためのメンテナンスの重要性と具体的な方法についても掘り下げていきます。家の外壁を選ぶ際の参考に、また既にサイディング外壁をお持ちの方のメンテナンスの計画を立てるのにお役立てください。
サイディング外壁とは?
サイディングは、外壁材のひとつであり、外壁の仕上げ材として使用されます。
タイルのように一枚ずつ貼り付けるものや、モルタルで全面を塗り上げるものとは異なり、サイディングボードは適切なサイズにカットしながらつなぎ目が見えないように埋めながら貼っていくことで、外壁の仕上げを行います。
このサイデイングボードを使用したものをサイディング外壁と言います。
サイディング外壁が選ばれる理由として、以下のものがあげられます。
デザイン性が高い
板状のサイディングボードは、木目調、タイル調、石目調、レンガ調、コンクリート調など、さまざまな素材を表現することができる。
施工期間が短い
工場で製造されるサイディングボードは、外壁材の上に仕上げとして貼り付けて施工する。職人が壁に塗装する必要がなくなるため、施工期間を大幅に短縮することが可能。
建物を守る機能が選べる
サイディングボードには耐熱性、耐久性、耐震性、断熱性、遮音性などの特性をもった製品がある。建築する地域やその地域の特徴を考慮しながら、サイディング外壁の種類を選ぶことも可能。
比較的費用が安い
ボード状の形状と短い施工期間により、材料費だけでなく工事費も従来の外壁材に比べて抑えられる。
サイディングボードの特徴を理解し、外壁に求める機能やデザインを考えて選ぶことが重要です。
サイディング外壁の種類と特徴
サイディング外壁が選ばれる主な理由のひとつは「種類の豊富さ」です。気候に適したものや外壁に望む機能のサイディングボードを選ぶことができます。
サイディング外壁をより知るために種類と特徴、カラーやデザインのバリエーションについて解説します。
サイディング材の種類と特徴
サイディング外壁には様々な種類があり、それぞれに独自の特徴があります。ここでは、主要なサイディング材料を詳しく見ていきましょう。
サイディング材の種類 | 主な素材 | 特 徴 |
---|---|---|
窯業系(ようぎょう)系サイディング | セメントと繊維質 | デザイン性が高く、さまざまな種類から選ぶことができる。 焼成しているので、耐火性や耐久性に優れている。 他サイディングよりも低価格である。 防汚機能、変色をおさえる技術などが豊富。 |
金属系サイディング | 溶融亜鉛メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、アルミニウム合金、ステンレス鋼板など | 断熱性や遮音性が高い。 軽量なため加工がしやすく、メンテナンスも簡単。 建物を軽量化できるので、耐震性に優れ、耐用年数が長い。 |
木質系サイディング | 天然の木材 | 熱を吸収しにくい素材のため耐熱性に優れている。 天然の風合いでこだわりの外観をかなえることができる。 木材なので、経年の変化を楽しめる。 |
樹脂系サイディング | 塩化ビニル樹脂やプラスチックなど | 軽量なので耐震性に優れている。 耐久性や耐天候性に優れていて、湿気や雨、凍害や塩害に強い。 |
色やデザインのバリエーション
サイディングボードは、素材を活かした外壁作りに使用されます。さらに、多彩なデザインや色から選択することが可能です。外観や素材の豊富な選択肢から選ぶことで、住宅の外観を自分の好みに合わせることができます。
サイディング外壁のメリット・デメリット
多くの住宅で選ばれているサイディング外壁ですが、メリット・デメリット知っておく必要があります。ここでは、サイディング外壁のメリットとデメリットを紹介します。
サイディング外壁のメリット
サイディング外壁は防火性と耐久性が優れており、長期間美観を保つことができます。また、汚れが付きにくく清掃も容易なのでメンテナンスが簡単です。 また、工場生産のため品質が安定しており、職人の技術による仕上がりのばらつきがないのがメリットです。 素材自体が比較的安価であること、施工期間が短いためコストパフォーマンスが高い外壁素材といえます。
サイディング外壁のデメリット
総合的にはメリットの多いサイディング外壁ですが、いくつか気をつけたいこともあります。 耐用年数が高いとされる、サイディング外壁であっても定期的なメンテナンスは必要になります。
・シーリング材の定期的なメンテナンスが必要
ボードをつなぐためのシーリング(コーキング)材や釘などの耐用年数は約10年程度です。シーリング材のメンテナンスは10年に1度の頻度で行う必要があります。
・経年劣化で防水性能が低下する
こちらもシーリング材が劣化することで起こるデメリットです。サイディングボードのつなぎ目が劣化することで、ボードとボードのつなぎ目から雨や水分が侵入することで防水性が低下します。見えない部分で染み込んだ水分がカビや腐食が進行する可能性があります。
サイディング外壁の耐用年数とメンテナンス
サイディング外壁の耐用年数
現在の住宅の主流となっているサイディング外壁の耐用年数は約20年から40年と言われています。施工方法や気候条件によっても変わりますが、定期的なメンテナンスが行われているかどうかで、耐用年数は大きく変わってきます。 ここでは、新築や外壁リフォーム後のメンテナンスを、経過年数を目安にあげてみましょう。
年数(目安) | メンテナンス内容 |
5年 | サイディングのシーリング材充填 |
10年 | サイディングの塗装の塗り直し |
15年 | サイディングのシーリング材充填 |
20年~適時 | サイディングを新しく貼り替え |
このように、定期的に規模の小さなメンテナンスを行うことで、外壁の耐久性を保つことが可能です。新築・リフォームをしたあとも定期的なメンテナンスの計画を立てておくことをおすすめします。
サイディング外壁のメンテナンスが必要なサイン
住宅の購入後やリフォームした後も、メンテナンスが必要というのはご理解いただけたことでしょう。しかし、定期的なメンテナンスが行われている住宅は多くありません。多くの住宅では、問題が見つかった後で改修工事を考えるのがほとんどです。 以下で紹介しているサインが見られたら、今すぐメンテナンスが必要な時期です。目視で確認できるので、ご自宅の外壁を点検してみてください。
・シーリング材の劣化
サイディング材のつなぎ目のシーリング材に、ひび割れ、断裂、肉やせ(隙間)が確認できたら、防水性が低下している証拠です。シーリング材の補充が必要です。
・表面塗装の劣化
太陽光や風雨にさらされている外壁は、経年劣化が避けられません。 目に見えてわかる色褪せ、塗装の剥がれ、カビやサビは要注意です。また、手で触れたときに白くなるのも外壁の表面塗装が劣化しているサインです。外壁の再塗装をおすすめします。
サイディング外壁自体の耐用年数は高いものですが、シーリング材や表面塗装はおよそ10年程度で劣化していまします。これらの劣化を放置しておくと、外壁から雨水が侵入し住宅の内部にカビや腐食を発生させます。雨漏りや雨水のシミが出ている場合、住宅のダメージは大きいと言わざるを得ません。そうなる前に、適切なメンテナンスをおすすめします。
まとめ
サイディング外壁は美観と機能性を兼ね備えていますが、その長期的な利益を享受するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。外壁のメンテナンスを怠ると、住宅全体の防水性や耐震性が低下します。メンテナンスには費用が必要ですが、定期的に行うことで安心と安全を確保できます。長期的に見れば、問題が生じてから大型リフォームをするよりも、費用を抑えることができます。
ファミリーグループでは、外壁の点検・メンテナンスのご相談も承っております。外壁工事の見積、ご相談、工事についての不安などございましたら、お気軽にご相談ください。