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ブロック塀のシロアリ対策について解説

ブロック塀は、強度があり長持ちする塀として人気がありますが、シロアリによる被害に注意が必要です。ブロック塀へのシロアリ加害は、塀の強度低下や倒壊の危険性があり、早期発見と適切な対策が欠かせません。

ブロック塀は、コンクリートブロックを積み上げて造られるため、シロアリが潜り込む隙間ができてしまいます。シロアリは木材を食べ尽くすだけでなく、ブロックの中や隙間を巣くう習性があるため、ブロック塀にも容易に加害します。被害が進行すると、ブロックの接着力が低下し、転倒や崩壊の危険性が高まります。

このように、ブロック塀でもシロアリ対策は欠かせません。早期発見と適切な駆除、予防対策が重要となってきます。本記事では、シロアリとブロック塀の関係、ブロック塀のシロアリ被害の実態、さまざまな対策方法について、わかりやすく解説していきます。多くの専門家の見解を参考に、自分でもできる対策から業者への依頼まで、幅広く取り上げます。

シロアリとブロック塀の関係

ブロック塀は、コンクリートブロックを積み重ねて造られる塀です。この構造上の特徴が、シロアリにとって格好の巣食い環境を作り出してしまいます。

シロアリは木材が大好物ですが、コンクリートブロックの中にも巣を作ることができます。ブロックと地面の間の隙間や、ブロック同士のわずかな隙間からでも、シロアリは侵入することが可能なのです。  

一度シロアリがブロック塀に侵入すると、ブロックの内部を食い荒らし、次々と巣を広げていきます。この巣食い活動により、ブロック同士の接着力が低下し、最悪の場合には塀が崩壊する危険性があります。

特に、地面に面した下の部分のブロックは、シロアリ被害を受けやすいと指摘されています。湿気の多い場所も、シロアリ加害の温床になりかねません。

このように、ブロック塀の構造上の特徴が、シロアリの侵入と加害を助長してしまうのです。そのため、定期的な点検と適切な予防・駆除対策が不可欠となります。

ブロック塀のシロアリ被害

シロアリがブロック塀に加害すると、どのような被害が出るのでしょうか。

まず、ブロックの強度が低下します。シロアリは、ブロック内部を走る配筋の周りも食い荒らすため、ブロックの強度が落ちてくるのです。弱くなったブロックは、積み上げられた状態では崩れやすくなります。

次に、ブロック同士の接着力の低下が問題となります。シロアリがブロック間の隙間を巣食いすると、ブロック同士の密着度が薄れ、接着力が低下してしまうのです。  

このようにブロックの強度と接着力が低下すると、ブロック塀そのものの強度が落ち、倒壊や崩壊のリスクが高まります。崩れ落ちたブロック塀は、大きな事故につながかねません。  

また、シロアリにより塀の内部が空洞化すると、そこから排出される蠟や糞などでブロックが汚れ、塗装の剥がれや劣化も進行します。

さらに、シロアリが運び込んだ枯葉などが塀内に溜まると、火災の原因にもなりかねません。 

このように、ブロック塀へのシロアリ被害は重大です。早期発見と適切な対策が欠かせません。

シロアリ対策の種類と特徴

ブロック塀に対するシロアリ対策には、大きく分けて物理的対策、化学的対策、環境対策の3種類があります。

4.1 物理的対策

物理的対策とは、シロアリの侵入経路を物理的に遮断する方法です。代表的なものが「シロアリ防除材」の設置です。

シロアリ防除材は、スベリ難い素材でできた板やシートを地面に敷設し、その上にブロック塀を設置することで、シロアリの侵入を防ぎます。素材には金属、プラスチック、特殊ゴムなどが用いられ、シロアリが這い上がれないよう工夫されています。

また、ブロック同士の隙間を詰めるための「しっくい」も有効な物理的対策です。隙間がなければシロアリは侵入経路を失い、巣食いを防げます。

物理的対策は、確実にシロアリの侵入を防げるメリットがありますが、事前の設置が欠かせず、費用もかさむデメリットもあります。

4.2 化学的対策 

化学的対策は、シロアリを直接殺虫する方法です。主に薬剤の散布・注入が行われます。

ブロック塀の下や周りに薬剤を散布したり、ブロック内に注入したりすることで、シロアリが棲息する場所を根絶できます。薬剤にはシロアリに毒性のあるものが使われます。  

殺虫効果が高いのがメリットですが、人体や環境への影響が心配されるデメリットもあります。また、効果が一時的なので定期的な散布が必要になります。

4.3 環境対策

環境対策は、シロアリが発生しにくい環境を作ることで予防する方法です。具体的には、塀の周りの排水対策や土壌環境の改善などが行われます。

シロアリは湿気の多い環境を好みます。したがって、ブロック塀の周りに溜まりやすい水分を排除し、通気性の良い環境を作ることがポイントになります。

また植栽の剪定や落ち葉の除去なども重要です。シロアリは木の根元に住みがちなので、木々を適切に管理し、餌となる有機物を減らす必要があります。

環境対策は長期的な予防対策につながる半面、効果が出るのに時間がかかるというデメリットもあります。  

このように、物理的、化学的、環境的それぞれの長所短所がある中で、状況に応じた適切な組み合わせが求められます。

業者への依頼か自分でやるか

ブロック塀のシロアリ対策を実施する際、業者に依頼するか自分でやるか選択する必要があります。

業者に依頼するメリットは、確実な駆除と予防対策が期待できる点です。シロアリ対策に習熟した専門業者には、的確な判断力と高い技術力があります。物理的な防除材設置から化学的な薬剤処理まで、トータルで対応してくれます。

一方でデメリットは、費用がかさむことです。業者によってさまざまですが、防除材設置で20万円前後、薬剤処理で数万円から10万円程度かかるのが一般的です。大規模な工事になれば、さらに高額になる可能性もあります。

自分でシロアリ対策を行う場合は、費用を大幅に抑えられるメリットがあります。ホームセンターなどで市販の薬剤やシロアリゲルを調達すれば、数千円程度で済みます。また環境対策など、手間さえかければ自力でできる部分も多くあります。

ただしデメリットは、シロアリ被害の有無や程度を正しく判断できるかが不安である点です。素人目では見落としがちなシロアリ到来の兆候を見逃してしまう可能性があります。また、適切な対策方法を選べるかも疑問符がつきます。

つまり、業者に依頼すれば確実性は高まりますが費用がかさみ、自分でやれば費用は抑えられますが不安が残ります。ブロック塀の重要性や、予算、技術的な自信から、最適な選択を検討する必要があります。

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まとめ

ブロック塀は、手入れが行き届かないと、シロアリによる被害を受けやすい塀です。ブロックの強度低下や接着力の低下から転倒や崩壊の危険があり、確実な予防と駆除対策が欠かせません。

対策方法としては、物理的なシロアリ防除材の設置、化学的な薬剤処理、環境改善の3種類があげられます。状況に応じてそれぞれの長所短所を考慮し、組み合わせて行うのがベストです。

実際の対策は業者に依頼するか自分でやるかを選択できます。業者に頼めば確実性は高まりますが費用がかかり、自分でやれば費用は抑えられますが不安も残ります。大切なブロック塀の重要性と、自身の予算、技術的な自信から、最適な選択をすることが賢明でしょう。

定期的な点検と予防対策こそが、シロアリ被害から大切なブロック塀を守る鍵となるのです。

監修者
近岡 正平
株式会社ファミリーDesign

Manager

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【保有資格】
一級建築士
二級建築士
福祉用具専門相談員
監理技術者
既存住宅状況調査技術者
建築物石綿含有建材調査者

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