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ポータブル電源はどんな時に役立つ?太陽光パネルと併用するメリット・使用シーンや製品の選び方を紹介

近年、アウトドアやキャンプ、非常時のバックアップ電源として「ポータブル電源
+太陽光パネルの組み合わせ」が注目されています。

太陽光発電は環境負荷をかけず必要な電力を確保できる発電方法であり、ポータブル電源を併用すれば、自宅はもちろん屋外でも自家発電が可能です。

据え置き型の蓄電池に比べ持ち運びができ、手軽に電源が確保できることから、近年では多くのユーザーに支持されています。

この記事では、ポータブル電源と太陽光パネルの基本知識から具体的な利用方法、製品の選び方、ユーザー体験談まで、詳しく解説します。

ポータブル電源と太陽光パネルとは?

ポータブル電源とは、持ち運びができる形状の蓄電バッテリーを指します。

従来は非常時の電源確保のために購入するご家庭が多く見られましたが、近年ではアウトドアレジャーやリモートワークをする際の電源確保に使用するケースも増えているようです。

また、ポータブル電源へ電力を供給する手段のひとつに、太陽光パネル(ソーラーパネル)があります。

太陽の光を電力に変換する機器で、屋根などに設置する据え置き型のほか、持ち運びができるポータブルサイズの太陽光パネルも広く普及しています。

ポータブル電源のメリット・デメリット

ポータブル電源は主にACコンセント、USBポート、DC出力ポートを備えており、さまざまな電子機器を充電・使用できるバッテリーです。

軽量でコンパクトなデザインが特徴で、アウトドア活動やキャンプ、非常時のバックアップ電源として利用されているほか、リモートワーク時にPCやスマホへ給電する際の電源とし使用するケースも増えています。

太陽光発電と組み合わせれば、自宅の電気や車のバッテリーを使用せずに発電ができます。コストを抑えながら電気を溜められる点は、大きな魅力といえるでしょう。

【メリット】
・持ち運びが簡単
・発電すれば何度も使える
・電力コストを軽減できる
・非常時でも最低限の家電が使える

【デメリット】
・据え置き型の蓄電池よりも蓄電容量が少ない
・天候や太陽光パネルの性能によって充電時間が変わる
・据え置き型に比べるとバッテリー寿命が短い
・大型タイプは重量が重い

一方、ポータブル電源のデメリットとしては蓄電容量が据え置き型よりも少ないことが挙げられます。

たとえばポータブル電源の蓄電容量は製品によって500Wh〜3000Wh(3kWh)ですが、一般的な家庭用蓄電池は平均5〜7kWh(5000〜7000Wh)と、かなり容量が違うことがわかります。

またバッテリーの寿命もポータブル電源は10年程度と短く、長期使用には不向きだといえます。据え置き型の家庭用蓄電池は15年〜20年程度が平均的です。

なお、蓄電容量についてはサイズを上げれば容量もアップしますが、そのぶん重量や大きさが増すため持ち運びに不便する可能性があります。

太陽光パネルのメリット・デメリット

太陽光パネルというと据え置き型をイメージされる方も多いですが、近年では持ち運びが可能な折りたたみ式やコンパクトなモデルも多く登場しています。

持ち運びができるタイプの太陽光パネルは、アウトドアやキャンプ、リモートワークなどのシーンで利用されるほか、ベランダなど狭い場所へ設置するのにも便利です。

ポータブル電源と組み合わせることで、日中に発電した電力を蓄電し、夜間や曇天時にも使用することができます。

【メリット】
・太陽光があれば燃料を使わず発電ができる
・電気代の節約につながる
・ポータブルタイプなら移動も簡単
・維持費が比較的少ない

【デメリット】
・初期費用がかかる
・天気が悪い日や日陰では発電効率が下がる
・設置スペースが限られる場合がある
・劣化すると発電効率が落ちる

ただし太陽光パネルの導入には相応のコストがかかること、発電量が天候や方角によって左右されることなどのデメリットも。

大きな太陽光パネルは発電量も多くなりますが、設置スペースが限られるなどの制約もあります。

また太陽光パネルが劣化してしまった場合、発電効率が落ちます。想定していた発電量を下回ると使える電力量も減ってしまいますので、定期的なメンテナンスや修理、交換が必要です。

ポータブル電源&太陽光パネルの家庭での活用例

家庭でポータブル電源と太陽光パネルを組み合わせれば、電力の一部をまかなうことができます。

例えば、日中に太陽光で発電した電力を蓄電し、夜間に照明や家電製品に利用することで、電力消費のピークを抑えることができます。

また太陽光発電とポータブル電源を組み合わせ、リモートワークの際に使うPCやスマホの充電、電気ポットなどの電力をまかなう事例も増えています。

ポータブル電源を販売しているJVCのサイトでは、実際にポータブル電源と太陽光パネルを使ってリモートワークを行った実験レポートが掲載されています。

参考リンク:JVC「ソーラーパネルとポータブル電源で、快適リモートワークを体験!」

電気を自給自足して購入する電気の量を減らせれば、家庭全体の電気代節約にもつながりますね。

ポータブル電源&太陽光パネルは非常用電源としても活躍!

「災害、停電などの非常時の対策としてポータブル電源や太陽光パネルを導入したい」という方は多く、導入することで心強い支えとなってくれます。

スマホの充電や小型家電の電源として使えて便利

停電時に困ることのひとつに「スマホや携帯電話の充電」が挙げられます。

これら通信機器は親族やご友人、知人の安否を確認するために必要不可欠ですし、最新の情報をキャッチするためには欠かせません。

昼間に太陽光発電をしてポータブル電源に電気を溜めておくことで、昼間はもちろん夜間でもスマホや携帯電話の充電ができます。

ご自身やご家族はもちろん、近隣の小さなお子さんや高齢者がいるご家庭に電気をお裾分けするなど、困っている人たちの助けにもなるでしょう。

また、ポータブル冷蔵庫やLEDライトなどの消費電力が少ない電化製品については、ポータブル電源で稼働させることもできます。これにより、非常時の生活の快適性を上げられるでしょう。

長期の停電に備えるならバッテリーの追加も検討

長期の停電に備えたい場合は、ポータブル電源の蓄電容量と太陽光パネルの発電能力を計算し、必要な電力を確保するための準備を行う必要があります。追加のバッテリーや大容量のポータブル電源を用意しておくことも視野に入れましょう。

ただ、ここで重要なのは『停電時にどんな家電を使いたいか』という点です。

「LED照明とスマホの充電さえできればいい」という場合は500Wh、1000Whのポータブル電源でも十分なのですが、エアコンや冷蔵庫などの消費電力が多い家電を使いたい場合はポータブル電源でまかないきれない可能性があります。

たとえば「災害時でも冷蔵庫を使いたい」という場合、冷蔵庫の出力は150〜250Wのため、24時間使用するには3600〜6000whの電気が必要です。

ポータブル電源の容量はサイズが大きいものでも3000Whのため、少なくとも2台以上のポータブル電源を用意しなくてはならず、コストも高くなります。

また、この蓄電容量を満たすには高出力の太陽光パネルを設置する必要があります。

大きな太陽光パネルを設置できる余地があり、非常時でも普段と変わらない生活をしたいのであれば、いっそ据え置き型の太陽光パネル+家庭用蓄電池(5〜10kWh)を導入してしまうのも賢い選択かもしれません。

ポータブル電源&太陽光パネルのアウトドアやキャンプでの利用

キャンプサイトでポータブル電源を中心に据え、周囲に太陽光パネルを設置しておけば、日中に給電と充電をしながら過ごし、夜間に溜めた電力を使う……といったこともできます。

つくった電気はスマホやタブレットの充電、調理器具や照明などに使えるため、大変便利です。

太陽光パネルはできるだけ日当たりの良い場所に設置し、日がよく当たるように角度や方向を調整しましょう。こうすることで発電効率を最大化できます。

また屋外では、バッテリーの持ちを良くするために必要な機器だけを接続することもポイントです。

電気不足が不安な場合は、複数のポータブル電源を用意し、交互に使用・充電するとよいでしょう。

ポータブル電源と太陽光パネルの基本的な使い方とメンテナンス

ポータブル電源と太陽光パネルの基本的な使い方・メンテナンスは以下のとおりです。

初期設定と準備

ポータブル電源と太陽光パネルをつないで使用する場合、以下の手順で準備しましょう。

1.機材の確認

ポータブル電源と太陽光パネル、接続ケーブルが揃っていることを確認します。

2.両機器の接続

太陽光パネルをポータブル電源に接続します。正しい接続方法を確認し、安全に接続します。

3.適切な場所へパネルを設置する

太陽光パネルを日当たりの良い場所に設置します。角度や方向を調整し、最大効率で発電できるようにします。

4.充電開始

ポータブル電源に太陽光パネルからの電力が供給されることを確認します。

メンテナンス方法

ポータブル電源のバッテリーや太陽光パネルの寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスが必要です。

定期充電

バッテリーを長期間使用しないと劣化が早まることがあります。使わない時期であっても定期的に充電しておけば、バッテリーの劣化を防ぐことができます。

清掃

太陽光パネルは定期的に清掃することで発電効率を維持できます。

特にアウトドアで使用する場合は汚れや埃がつきやすいので、清潔な布などでこまめに拭き取りましょう。

保管

精密機器であるポータブル電源を高温多湿な環境に保管すると、故障につながるおそれがあります。高温多湿な場所は極力避け、日陰で風通しが良く、乾燥した場所で保管するよう心がけましょう。

製品の選び方について

ポータブル電源や太陽光パネルを選ぶときにはそれぞれいくつかポイントがあります。

ポータブル電源の選び方

ポータブル電源を選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。

バッテリー容量使用する機器に応じたバッテリー容量を選びます。
スマートフォンやタブレットのみなら小型で容量が少なめの製品でも十分ですが、調理器具や大容量の家電製品には大容量が必要です。
出力ポートの種類AC出力、USB出力、DC出力など、必要な出力ポートを確認します。
充電方法ポータブル電源を導入する場合は、ソーラー充電だけでなくACアダプターや車載充電など、多様な充電方法に対応しているものが便利です。
重さとサイズ持ち運びの機会が多いようなら、軽く持ち運びやすいサイズの製品を選ぶのもおすすめです。

太陽光パネルの選び方

太陽光パネルを選ぶ際には、以下のポイントを考慮します。

パネルの種類単結晶、多結晶、薄膜などの種類があるほか、ポータブルタイプの場合は折り畳みができるものもあります。変換効率の高いパネルなら、同じ光量でもより多くの電気をつくることができます。
出力の大きさ用途に応じた発電量が確保できる出力のものを選びます。一般的に、出力が高いほど発電効率も高くなります。
耐久性の高さ耐久性や防水性の高い太陽光パネルは長持ちしやすく、コストパフォーマンスにも優れています。パネルや架台、周辺機器の保証期間と保証内容も必ず確認しましょう。
サイズ設置予定の場所に置けるサイズか、持ち運びができるかを確認します。

ポータブルタイプの太陽光パネルの中には変換効率が24%、出力180Wにのぼる高効率パネルも登場するなど、据え置き型と遜色のない製品も多くなっています。

ただし高出力の太陽光パネルは総じてサイズも大きめなので、あらかじめ「おきたい場所に置けるかどうか」を確認しておくことが重要です。

ベランダなど、設置面積に制限がある場所へ設置をお考えの場合は特に注意しましょう。

ポータブル電源と家庭用蓄電池で迷ったらどちらを選ぶ?

ポータブル電源と家庭用蓄電池の明確な違いは、「設置方法」と「バッテリーの最大容量」です。

結論から申し上げますと、「自宅で電気の自給自足をして、電気代を減らしたい」とお考えであれば、バッテリー容量の多い家庭用蓄電池+高出力な据え置き型太陽光パネルの組み合わせがおすすめです。

反対に、アウトドアでの利用や小型家電等に使用したい場合には、ポータブル式の電源+太陽光パネルの組み合わせが向いているでしょう。

以下も参考にしていただき、ご自身にはどちらが向いているかを判断してみてください。

【ポータブル電源の使用に向いているケース】
・アウトドアシーンでの使用
・停電や災害などの非常用電源としての使用
・車中泊などで移動が多いとき
・スマホ・タブレット・小型家電などの充電に利用したい場合

【家庭用蓄電池の使用に向いているケース】
・主に自宅で太陽光発電をしたい場合
・電気の自給自足でより多くの電気代を削減したい場合
・初期費用が高くても長期的な節約効果を得たい場合
・停電時でも家庭全体に電力を供給したい場合
(小さなお子さんや高齢のご家族、ペットがいるご家庭など)

なお、ご家庭によっては「家庭用蓄電池とポータブル電源を併用している」という場合もあります。

併用すれば「普段は屋根の太陽光パネル+蓄電池で電気の自給自足をして、アウトドアでポータブル電源と折り畳み太陽光パネルで給電をする」というふうにそれぞれのいいとこ取りができ、用途も広がるでしょう。

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まとめ

ポータブル電源と太陽光パネルを組み合わせると、アウトドアで電化製品を使いたいときや非常用電源を確保したいときに役立ちます。

また、コンパクトな太陽光パネルならベランダやバルコニーなどの限られたスペースで太陽光発電ができますので、ご家庭での利用にもおすすめです。

ただし、ポータブル電源や簡易型の太陽光パネルを使用する場合、発電量・蓄電量はどうしても据え置き型より少なくなってしまいます。

「年間の電気代を何割か減らしたい」「非常時にエアコンや大型冷蔵庫などを使えるように備えておきたい」という場合は、やはり屋根などに設置する据え置き型の太陽光パネルや、容量の大きい家庭用蓄電池を導入すべきだといえるでしょう。

当ファミリー工房では、太陽光パネルや蓄電池の種類・設置方法についてのご相談を承っております。

とりわけ太陽光パネルについては、ベランダへの施工はもちろん、屋根やカーポートへの取付など、本格的な太陽光発電システムの搭載もお任せいただけます。

ご不明点や気になることがございましたら、ぜひいつでもお気軽にお問い合わせください。

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監修者
大久保 洋司
株式会社ファミリーDesign

Director

約30年と経験豊富な建築士です。
細かいことから大きなことまで、お客様の視点に立った提案をします。
気軽にご相談ください。よろしくお願いします。

【保有資格】
一級建築士
監理技術者
マンションリフォームアドバイザー
既存住宅状況調査技術者
既存住宅アドバイザー

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