今から太陽光パネルを設置したい人必見!価格推移と今後の予想、費用を抑えて設置する方法を紹介
「太陽光パネルの設置を検討しているけれど、価格が高いのではないか」と心配していませんか?
過去数年で太陽光パネルの価格はどのように変動してきたのか、そして将来的にもっと安くなるのか気になるところですよね。
太陽光パネル(太陽光システム)の価格は10年前の価格の6割程度に推移しており、近年では比較的導入しやすくなっています。
とはいえ、ご家庭ではそれでもまだまだ高価な買い物であることには変わらない、という感覚が一般的ではないでしょうか?
初期費用を抑えて太陽光を導入したい場合、補助金やリース、PPA(電力購入契約)などをを利用すれば費用負担を抑えて設置できる可能性があります。
本記事では太陽光パネルの価格推移や今後の価格予測、費用負担を抑えて太陽光発電システムを導入する方法について詳しく解説します。
これから太陽光パネルを設置したいとご検討中の皆様は、ぜひご参考にしてみてください。
目次
太陽光パネルの価格推移|変動の要因は?
過去10年間で太陽光パネルの価格は大幅に下がってきました。
特に2010年代初頭には1kWあたりの設置費用が50万円以上だったのが、2020年代には20万円以下に、2023年にはパネル単体で見ると約15万円にまで低下しています。
この変動の背景には、技術の進歩や製造コストの削減、市場の拡大などがあります。特に中国やアメリカの大規模製造業者の参入は、価格低下を加速させました。
- 技術革新によるコスト減
- 大量生産によるコスト減
- 市場の拡大
- 国や自治体の補助金、FIT制度の充実
さっそく、それぞれ詳しく見ていきましょう。
技術革新によるコスト減
太陽光パネルの価格が低下した要因の一つは技術革新です。
高効率セル技術
単結晶シリコンや多結晶シリコンの改良により、太陽光パネルの変換効率が向上しました。従来のパネルでは15%程度だった変換効率が、最新の技術では25%に達しています。
これにより、同じ面積でより多くの電力を生産できるようになり、パネル設置のコストパフォーマンスが大幅に改善されました。
薄膜技術
薄膜太陽電池とはシリコンの使用量を大幅に削減しながら、高効率を実現する技術です。これにより材料コストが削減され、製造コスト全体も下がりました。
また、薄膜技術は軽量で柔軟なパネルを作ることができ、設置の自由度も高まっています。
自動化とロボティクス
製造プロセスの自動化が進み、人件費や製造時間が削減されたことも価格低減の要因の一つです。AIやロボット技術を活用することで精度の高い製造が可能となり、不良品の発生も減少しました。
大量生産によるコスト減
大量生産の技術が確立・浸透したことも価格低減の理由のひとつです。太陽光パネルの製造コストが大幅に削減されたことで、販売価格も低減傾向にあります。
生産ライン・規模の拡大
製造規模が拡大すると、1枚あたりのパネルの製造コストが低下します。
大規模な生産ラインを持つ工場では、原材料の購入コストを抑えることができ、効率的な生産ができるようになり、安価な太陽光パネルが利用できるようになりました。
生産技術の標準化
製造プロセスの標準化により、品質の安定したパネルを大量に生産できるようになったことも価格が下がる要因のひとつです。生産コストの変動が減少したことで価格が安定しやすくなりました。
国際的なサプライチェーンの確立
太陽光パネルの製造に必要な材料や部品の供給が国際的に確立され、コスト削減が進んでいます。
特に、中国や台湾などのアジア諸国が主要な生産拠点となり、低コストで高品質なパネルの供給が可能となりました。
市場の拡大
太陽光パネルの市場が拡大する中で、競争が激化したことも価格低下の大きな要因です。
再生可能エネルギーの需要増加
環境意識の高まりやエネルギー自給率向上のため、世界中で再生可能エネルギーの需要が増加しています。これに伴い太陽光パネルの需要も急増し、市場が拡大しました。
新規参入企業の増加
太陽光パネル市場の成長を見越して、多くの企業が新規参入しました。特に影響が顕著だったのが中国企業の参入です。以降は低価格で高品質なパネルの供給が増え、ユーザー数の増加につながりました。
技術革新の波及効果
技術革新により製造コストが削減され、価格競争力が向上したことも価格低下の要因といえるでしょう。この技術革新の効果が市場全体に波及し、価格低下を促進しました。
国や自治体の補助金、FIT制度の充実
各国政府の政策が、太陽光パネルの価格低下を後押ししました。以下にその具体的な政策を説明します。
補助金制度の実施
多くの国で太陽光発電システムの設置に対する補助金制度が導入されました。これにより初期投資が軽減され、太陽光パネルの導入が促進されました。
これは日本でも同様で、国や各自治体では太陽光発電システムの設置に対する補助金制度を実施しています。
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【太陽光発電+蓄電池】電気は買うよりつくる方が安い 補助金でお得に工事可能 | ファミリペイント
補助金の実施によって設置費用の負担が減少したことで、太陽光パネル市場の拡大が今なお進んでいます。
FIT制度(固定価格買取制度)の実施
太陽光発電システムの設置に対する優遇措置が設けられたことも太陽光パネルの販売価格が低下している要因の一つです。
例えば日本では、平成24年(2012年)7月から「FIT制度(固定価格買取制度)」が導入されています。
FIT制度では発電した電力を固定価格で売電できます。
制度開始時の買取単価は1kWhあたり34〜42円と、電力会社に直接買い取ってもらう場合に比べてかなり高めに設定されていました。
このFIT制度を活用することで収益性が見込めたため、売電収入を目的として太陽光パネルを設置する家庭・企業・投資家が急増しました。
これにより太陽光パネルの普及が進み、低価格化が進んだという背景があります。
<補足> FITによる固定買取価格は年々低下しており、2024年時点では家庭用太陽光発電システム(10kW未満)の場合16円/kWhとなっています。 電力会社の買取価格に比べればまだまだ高いといえますが、電力を買う際の目安単価が31円/kWhのため、売電を利用するより自家消費につかったほうがコストの削減効果は高いといえるでしょう。 また10kW未満の太陽光発電システムでは、自家消費をして余った電気のみを売電することができますが、全量を売電することはできません。 |
再生可能エネルギー推進政策
多くの国が再生可能エネルギーの導入を推進する政策を採用しています。これにより、太陽光パネルの需要が増加し、製造コストの削減と価格低下が進みました。
政策の一環として、電力会社に対して再生可能エネルギーの一定割合を導入する義務が課されることもあり、市場の安定的な成長が図られました。
今後も技術革新や市場の拡大、政府の支援策が続く限り、太陽光パネルの価格はさらに低下する可能性があると考えて良いでしょう。
太陽光パネル設置費用の目安
太陽光発電システムを導入する際には機器と工事に対する費用がかかります。
【機器費用】 ・太陽光パネル ・パワーコンディショナ ・接続箱 ・ケーブル ・架台 【工事費用】 ・電気工事(配線など) ・パネルの設置工事 ・足場工事 |
設置費用の目安一覧
上記の費用と資源エネルギー庁の資料データ(P37)、一般住宅での設置量(3kW〜10kW)をもとに計算した場合、設置費用などを含む太陽光発電の導入コストは以下のように計算できます。
【新築住宅に設置する場合:28.8万円/kW】
3kW | 86.4万円 |
4kW | 115.2万円 |
5kW | 144万円 |
6kW | 172.8万円 |
7kW | 201.6万円 |
8kW | 230.4万円 |
9kW | 259.2万円 |
10kW | 288万円 |
【既存住宅に設置する場合:27.8万円/kW】
3kW | 83.4万円 |
4kW | 111.2万円 |
5kW | 139万円 |
6kW | 166.8万円 |
7kW | 194.6万円 |
8kW | 222.4万円 |
9kW | 250.2万円 |
10kW | 278万円 |
上記は平均であり、パネルのグレード等によっても変わってきますが、新築・既存住宅どちらも80万円以上の費用がかかると考えておくとよいでしょう。
メンテナンスや修理交換などの維持費用
太陽光パネルを設置し太陽光発電を続けるには、メンテナンスや修理・交換などの費用がかかります。
・定期メンテナンス:年1回程度の点検費用が10,000円〜20,000円 ・故障時の修理費用:パワーコンディショナーの交換費用などが数万円〜数十万円 ・蓄電池の修理交換費用:10〜15年程度で交換。数十万円〜必要 |
太陽光パネル自体の寿命は25〜30年程度と長いのですが、併せて設置するパワーコンディショナー(パワコン)の寿命はおよそ10年のため、先に修理・交換が必要になるケースが多いです。
また蓄電池を併用する場合もその費用が必要です。
こちらも太陽光パネルより先に寿命を迎える場合がほとんどですので、修理・交換(買い替え)のための予算を考慮しておく必要があるでしょう。
今後の太陽光パネルの価格推移は?
今後も技術革新が進むことで、太陽光パネルの価格はさらに下がると予測されます。
新しい材料の導入や製造プロセスの改善により効率が向上すれば、コストが削減される可能性は大いにあるでしょう。
・政策や補助金の影響で導入数が増える
各国の政府が再生可能エネルギーを推進する政策を継続することで、太陽光パネルの普及が促進され、価格低下が続くと予測されます。
また補助金だけではなく、低コストで高効率な太陽光パネルの研究・開発への支援策などが充実すれば、供給量が増えて買い求めやすくなる期待も持てます。
・市場競争が強まれば販売価格も下がる
市場の競争が激化することで、価格はさらに下がると考えられます。特に新興市場での需要増加は、価格低下を後押しする可能性が期待できます。
具体的な価格推移についてはまだ見通しが立たない点も多いですが、今後太陽光発電システムの導入を検討されている方は、ぜひ今後の価格推移動向に注目してみましょう。
参考リンク:資源エネルギー庁「太陽光発電について」資料
初期費用を抑えるならリースモデルも選択肢となる
リースモデルとは、太陽光パネルをリース契約することで、毎月の定額料金で太陽光発電システムを利用できるサービスです。
購入する場合に比べると初期費用がほぼ不要で太陽光発電を始められるため、費用負担を抑えたい方におすすめです。
また、太陽光発電を始める際にはPPA(電力購入契約)モデルという方法もあります。
リースモデルのメリット・デメリット
【メリット】 ・初期費用がほぼ不要 ・メンテナンス費用が含まれる場合が多い ・リース期間終了後にパネルの購入が可能 【デメリット】 ・長期的には購入よりコストが高くなる可能性 ・リース期間中は所有権がリース会社にある ・太陽光関連の補助金利用では対象外になる |
PPA(電力購入契約)モデルとは?
PPAモデルは、設置業者が太陽光発電システムを設置し、発電した電力を利用者が購入する形態です。わかりやすく言えば「第三者の太陽光発電システムを自分の家の屋根に置き、」
【メリット】 ・初期費用が不要 ・定額料金で安く電気が使えるようになる ・メンテナンス費用が含まれる 【デメリット】 ・契約期間中は所有権が設置業者にある ・長期的な契約が必要(10年〜) ・契約中は蓄電池やV2Hなどを追加設置できない場合が多い |
リースやPPAの特徴比較
リースやPPAはいずれも初期費用を抑えつつ太陽光発電を始める方法ですが、それぞれ異なる特徴を持っています。
項目 | リースモデル | PPAモデル |
初期費用 | 無料の場合が多い | 無料 |
月額費用 | 10,000円~30,000円 | 10,000円~20,000円 |
メンテナンス費用 | 含まれることが多い | 含まれる |
所有権 | リース会社 | 設置業者 |
売電の権利 | あり | なし |
リースは所有権がリース会社にあり、自家消費して余った電力で売電収入を得ることができます。一方PPAでは所有権が設置業者にあり、売電の権利が得られない代わりに比較的安価で利用できる点がメリットです。
リースもPPAも10年以上の契約となる場合が多いため、コスト面や建て替えの有無など、よく考えてから選択されることをおすすめします。
購入とリース・PPAの比較!どれが最適か判断するポイント
太陽光パネルを購入すると初期費用が高いですが、長期的にはコストを抑えることができます。
一方、リースやPPAは初期費用を抑えられますが、長期的にはコストが高くなる可能性があります。
項目 | 購入 | リースモデル | PPAモデル |
初期費用 | 80万円以上※補助金利用で下がる可能性あり | 無料の場合が多い | 無料 |
月額費用 | なし | 10,000円~30,000円 | 10,000円~20,000円 |
メンテナンス費用 | 自己負担 | 含まれることが多い | 含まれる |
所有権 | 自分 | リース会社 | 設置業者 |
売電の権利 | あり | あり | なし |
上記について重要な点を解説します。
初期費用と月額費用
購入する場合の初期費用は最低でも80万円ほどかかりますが、リースは初期費用がほぼかかりません。
ただし購入した場合、月々の利用費などは発生しないため、初期費用を抑えたい場合はリースやPPA、長期的なコストを抑えたい場合は購入が適していると考えて良いでしょう。
メンテナンス費用
またメンテナンスについてもそれぞれ違いがあります。購入する場合、メンテナンスの費用はすべて自己負担です。
一方リースはメンテナンス費用が月額料金に含まれているケースが多く、維持費がかかりません。メンテナンスのコストを抑えたい場合は、メンテナンス費用が含まれるリース(またはPPA)が便利です。
太陽光パネルの所有権
購入した場合、太陽光パネルの所有権は自身が取得します。設置はもちろん移動や撤去、売、処分など全て自分の権限で行えるため、パネルの所有権を持ちたい場合は購入が適しています。
一方、リースやPPAの場合は所有権が自分以外(リース会社や第三者事業者)にあるため、パネルの処分が自由に行えません。
売電の権利
購入した場合は自家消費で余った電力(余剰電力)を売却し、収入を得ることもできます。リースの場合も売電が可能です。
一方PPAモデルでは、余剰電力を売電する権利が得られないため、FIT制度(固定価格買取制度)の恩恵が受けられません。
あわせて読みたいまとめ
この記事では、太陽光パネルの価格推移や導入コストの目安、そして今後の価格動向について詳しく解説しました。さらには初期費用を抑える方法として、リースやPPAの導入についても紹介しました。
今後太陽光パネルは、技術革新や市場の拡大などによってさらに価格の低下が期待されます。また太陽光パネルを購入して設置する場合、より安くトラブルがないよう設置してもらうためには、業者の選定が重要です。
当ファミリーグループでは、太陽光パネルの設置に関する実績・技術をもとに、雨漏り防止のための確実な施工を行っております。
また弊社では総合建築サービスをご提供しており、太陽光パネルの設置だけではなく屋根工事も含めたトータルサポートを実施しております。専門家による現場相談、お見積もりはいつでも無料でご依頼可能です。
太陽光パネルの設置にご興味がある方は、ぜひ一度お気軽にファミリーグループまでご相談ください。
- 監修者
- 大久保 洋司
Director
【保有資格】
一級建築士
監理技術者
マンションリフォームアドバイザー
既存住宅状況調査技術者
既存住宅アドバイザー
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