初期費用を減らして太陽光パネルを導入できる?太陽光パネルリースのメリットや購入との違い、注意点を解説!
「電気代が気になる」というご家庭におすすめなのが、太陽光発電。
太陽光パネルを設置して発電をし、自宅で消費する電気をまかなうことができれば、電気代の節約にもつながります。
しかし、太陽光パネルの導入でもっともネックになるのが「初期費用」。
太陽光発電をするにはパネルだけでなくパワーコンディショナーや架台の設置、配線工事などで数十万円以上の費用が発生します。そのため中には「初期費用が高額になるから……」と設置をためらう方も多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめなのが、太陽光パネルの「リース」です。
リースを利用した場合、太陽光パネルを“借りて”設置するため、初期費用を大きく抑えられます。
本記事では、太陽光パネルのリースについて詳しく解説します。
「太陽光発電を始めたいが、費用が高く手出しができない」という方は、ぜひ本記事を参考にしていただき、選択肢の一つに加えていただければ幸いです。
目次
太陽光パネルの「リース」とは?
太陽光パネルの「リース」とは、パネルを購入するのではなく、一定期間借りて太陽光発電を行う方法です。
通常、太陽光パネルを購入して設置する場合、パネル本体や架台、パワーコンディショナーなどの購入費や施工費用、延長保証料金など様々な初期費用が必要です。
一方リースの場合は、初期費用がほぼかかりません。代わりに毎月所定のリース料金を支払い、太陽光発電を行います。
発電した電気は自家消費に使用したり、売電して収入を得たりすることが可能です。
リース期間中はリース会社がパネルの所有者であり、メンテナンスや修理もリース会社が行います。契約期間満了後は借りていた人にパネルの所有権が移り、そのまま使い続けることができます。
従来事業用太陽光で多くみられたビジネスモデルですが、近年では家庭用太陽光パネルでもリース契約を行っている業者が増えており、個人でも気軽に利用できるようになっています。
太陽光パネルリースのメリット・デメリット
太陽光パネルリースのメリットとデメリットは以下のとおりです。
【メリット】 ・初期費用が無料(またはごくわずか)で太陽光発電が始められる ・メンテナンス費用がリース料金に含まれている ・電気代の節約につながる ・売電収入でリース料金をまかなうこともできる 【デメリット】 ・設置できるメーカーやパネルの種類が限られる ・契約期間が長い(10年〜) ・中途解約すると残高一括払いや撤去費用がかかる ・最終的なコストを見ると割高になるケースも |
購入する場合に比べてかなり初期費用を抑えて設置ができる点は大きな魅力といえるでしょう。
またメンテナンス費用もリース料金に含まれている場合が多く、低コストで太陽光発電を継続できるのはとても大きなメリットです。
つくった電気は自家消費や売電に充てることもでき、電気代やリース料金の負担を減らせます。
その一方で、設置できる太陽光パネルの種類はリース会社に依存するため、かならずしも希望のメーカー・製品が設置できるとは限らない点に注意が必要です。
契約期間も最低10年と長く、リース契約を途中で解約する場合は残高の一括払いを求められたり、撤去費用がかかったりする場合があります。
最終的なコストも含めて購入するかリースにするかを検討してみましょう。
太陽光パネルのリースに向いているご家庭
メリット・デメリットをふまえると、太陽光パネルのリースは以下のようなご家庭に向いています。
【太陽光パネルのリースに向いているご家庭は?】 ・初期費用を抑えて太陽光パネルを設置したいご家庭 ・契約満了の時期に建て替えや引越しを検討しているご家庭 ・パネルのメーカーや種類にこだわりがないご家庭 ・処分の手間や費用負担を省きたいご家庭 |
「初期費用を抑えて太陽光発電を始めたい」というご家庭はもちろん、「一時期だけ安価で太陽光発電をしたい」というご家庭にもリースが適しています。
リースモデル・PPAモデルとは?
リースモデルとよく似た導入方法として「PPAモデル」があります。
初期費用を抑えながら太陽光発電を利用できる点は共通していますが、月々の支払いやメンテナンス方法など、大きく異なる部分もあります。
【リースモデルとPPAモデルの比較】
特徴 | リースモデル | PPAモデル |
初期費用 | ほとんどかからない | ゼロ |
月々の支払い | リース料金 | 電力料金 |
売電 | できる | できない |
メンテナンス | リース会社が負担 | 第三者が負担 |
契約期間 | 一般的に10年から20年 | 一般的に10年から20年 |
契約終了後の選択肢 | 返却、買い取り、リース更新 | 長期契約のため契約期間満了後に新たな契約を検討 |
所有権 | リース会社にあり | 第三者にあり |
電力料金の安定性 | リース料金は一定 | 電力料金は一定 |
PPAモデルでは、第三者が設置した太陽光パネルで発電された電力を契約者が購入します。
いわば太陽光パネルを自宅屋根に“間借り”させ、自家消費した分の電気代を払うイメージです。
設置費用やメンテナンス費用は第三者が負担するため、イニシャルコストや維持関連のランニングコストは手出しゼロとなり、契約者は電力料金のみを支払います。またその電力料金も、一般的な電力会社より単価が安いため、電気代の節約につながります。
なおリースモデルは所有権がリース会社にありますが、PPAモデルは第三者が太陽光パネルの所有権を持ちます。
リースモデルとPPAモデルのどちらを選ぶべきかは、個々の状況やニーズによります。
初期費用を抑えたいが、ある程度の自由度も欲しい場合はリースモデルが適しています。 逆に、初期費用を完全にゼロにし、電力料金の安定性を重視したい場合はPPAモデルが向いているでしょう。 |
リースと購入の違い
リースと購入の違いは以下の4つです。
・費用の支払い方法の違い
・所有権の違い
・補助金利用の有無
・使い終わったあとの処分方法
費用の支払い方法の違い
太陽光パネルをリースする場合と購入する場合では、費用の支払い方法が異なります。
初期費用
太陽光パネルを購入する場合、パネルそのものの費用と設置費用を一括で支払う必要があります。この初期費用は数十万円〜数百万円と非常に高額で、予算の大部分を占めることが多いです。
一方リースの場合、初期費用はほとんどかかりません。
初期投資を抑えつつ、すぐに太陽光発電を始めることができます。
リース契約を結ぶ際に小額の初期費用が発生する場合もありますが、購入に比べると非常に少額です。
ランニングコストとメンテナンス費用
リース期間中は月々のリース料金を支払いますが、この料金にはメンテナンス費用も含まれています。
管理や修理などにお金がかからないうえ、リース会社が定期的に点検や修理を行うため、手間も省けます。
一方、太陽光パネルを購入した場合、ランニングコスト(パネルの清掃や故障時の修理費用など)は自分で管理・負担する必要があります。
いわば「家の修繕費」と同じで、購入時から後々のランニングコストを予め計算しておく必要があるというわけです。
また故障などのトラブルが生じた場合の修理代金など、予測できない費用負担が発生する場合もあります。
両者の特徴を比べると、リース契約の方が予算管理がしやすいといえるでしょう。
所有権の違い
リースと購入では所有権に違いがあります。
購入した場合の所有権は「購入者自身」にあり、処分や譲渡、売却など自由に行うことができます。一方リースの場合は、リース期間中はリース会社に所有権があり、リース終了後は自身に所有権が移ります。
リース期間中
リース期間中、太陽光パネルの所有権はリース会社にあり、リース契約者はそれを借りて使用している状態です。このため、パネルのメンテナンスや修理は基本的にリース会社が行います。
リース終了後
リース終了後は所有権が契約者自身へと譲渡されるため、返却または使用継続、処分などが自由に行えるようになります。
ただし、メンテナンスにかかる手続きや費用負担の責任も自身へと移る点に注意が必要です。
補助金・助成金適用の有無
太陽光パネルを購入した場合、政府や自治体からの補助金・助成金を利用できる場合があります。これをうまく活用すれば、初期費用を一部回収でき、費用負担を減らせます。
一方リースの場合、これらの補助金・補助金の対象外となっているケースがほとんどです。
ただ、リース契約はそもそも購入する場合に比べ初期費用が少なく済む方法のため、補助金や助成金にこだわりがない方であればさほど気にしなくともよいでしょう。
使い終わったあとの処分方法
太陽光パネルを購入する場合、使い終わったあとはご自身で処分することになります。処分は専門業者に依頼しなくてはならず、処分費用も自己負担となります。
一方リースの場合は、契約終了後に太陽光パネルを返却するか、引き取るか、リース契約を更新するかが選べます。
太陽光パネルを返却する場合は、リース会社がパネルを撤去し、設置場所を元の状態に戻します。
太陽光パネルを購入して引き取る場合は、リース会社へ太陽光パネルの残存価値を支払って所有権を取得します。
またリース会社によっては、リース契約を更新して引き続きパネルを使用することも可能です。この場合、新たなリース期間と条件が設定されます。
リースできる太陽光パネルの種類と費用相場
太陽光パネルにはいくつかの種類があり、それぞれの特徴や価格が異なります。
リースできる太陽光パネルの主な種類について、詳しく見ていきましょう。
単結晶パネル
単結晶パネルは、太陽光発電の中で最も高効率なパネルです。
純度の高いシリコンを使用しているため変換効率が高く、同じ面積でより多くの電力を生成できます。また、寿命も長く、20年以上使用できることが多いです。限られた屋根スペースを有効活用したい場合には、単結晶パネルが適しているでしょう。
一方、単結晶パネルは製造コストが高いため、リース料金も他のパネルに比べて高めになる傾向があります。
多結晶パネル
多結晶パネルは、複数のシリコン結晶を組み合わせて作られています。単結晶パネルに比べて効率はやや劣りますが、製造コストが低いため、リース料金も比較的安価です。
また設置場所の制約が少なく、さまざまな屋根スペースに適しています。
初期費用を抑えつつ、ある程度の発電効率を求める場合におすすめです。
薄膜パネル
薄膜パネルは、シリコン以外の材料を使用して作られることが多く、非常に軽量で柔軟性があります。このため、屋根の形状や材質に合わせやすく、取り扱いが容易です。
しかし変換効率は単結晶や多結晶パネルに比べて低く、同じ電力を生成するためにはより広い面積が必要です。
リース料金は最も安価なことが多く、設置の自由度を重視する場合に適しています。
太陽光パネルリースの価格相場は?
太陽光パネルのリース料金の月額相場は1万円〜4万円程度です。
実際の料金はプランやパネルの種類、設置規模によって異なるため、複数業者に問い合わせて比較検討されるとよいでしょう。
太陽光パネルリース利用時のチェックポイント・注意点
太陽光パネルリースを利用する際には、いくつか確認すべきポイントがあります。
契約期間が適切か確認する
太陽光パネルのリース契約期間は一般的に10年から20年です。
契約期間が長いほど月々のリース料金は低くなる傾向があります。
しかし契約期間中にパネルの性能が低下した場合や、ライフスタイルの変化によって、太陽光発電が不要になる可能性もあります。
ご自身に最適な契約期間を考慮したうえでプランを選びましょう。
解約条件と違約金、撤去料金を確認する
リース契約を中途解約する場合の条件についても確認が必要です。
多くのリース契約では、途中解約をする場合に違約金が発生したり、残高の一括払いを請求されたりといった対応がとられます。
また、解約後のパネルの撤去費用や、撤去作業の手配についても確認しておくことが重要です。予期せぬ事態に備え、契約内容をしっかり理解しておきましょう。
メンテナンス費用が含まれているか確認する
多くのリース契約では定期的な点検・修理がリース料金に含まれていますが、プランによっては別途費用が発生する場合があります。
契約書をしっかり確認し、リース料金にメンテナンス費用が含まれているかどうかも確認しましょう。
実績のあるリース会社を選ぶ
太陽光パネルのリースで失敗しないためには、リース会社の過去の実績や評判をチェックすることが重要です。
インターネットの口コミや評判を調べる、実際に利用した人の意見を聞くなどして、信頼性を確認しましょう。このときネガティブな口コミが多い、いい噂を聞かないなどの不安要素がある会社では契約しないことをおすすめします。
また、口コミや評判が確認できない場合は、太陽光パネルリースに詳しい施工業者へ問い合わせてみるのもおすすめです。施工業者が信頼できるリース会社を紹介してくれる場合も多いため、気兼ねなく相談してみましょう。
十分な保証の内容・対象をチェックする
リース会社が提供する保証内容も重要なポイントです。
太陽光パネルの性能低下や故障に対する保証が含まれているか、どのような場合に保証が適用されるかを確認し、保証期間や保証対象がしっかりしているリース会社を選びましょう。
保証の範囲が広いリース契約を選ぶことで、予期せぬトラブルにも安心して対応できます。
サポート体制が万全な会社を選ぶ
リース会社のサポート体制も確認しておくべきです。
契約期間中に何か問題が発生した場合、迅速に対応してもらえるかどうか、問い合わせへの対応や緊急時のサポート体制を事前に確認しておきましょう。
太陽光パネルリースでよくある質問
Q1.リース契約期間中に引っ越しをする場合はどうなる?
A.リース会社に相談し、新しい住居に移設するか、契約を解約するかを選べます。
解約する場合、契約期間によっては違約金が発生することがあるので、事前に確認しておくと安心です。
Q2.リースの途中で買い取りに変更できるの?
A.リース契約によりますが、多くのリースプランでは途中で買い取りに変更することが可能です。詳細は各プランの契約内容をご確認ください。
Q3.自宅の屋根に設置できるかどうかはどうやって判断しますか?
A. リース会社が事前に現地調査を行い、屋根の強度や向き、日照条件などを評価します。
この調査結果に基づいて、設置可能かどうかが判断されます。設置が難しい場合にはリース契約を結ぶことができません。
あわせて読みたいまとめ
本記事では太陽光パネルのリースについて、購入との違いやリースできるパネルの種類、価格相場や注意点を解説しました。
太陽光パネルの導入費用は高価になりがちですが、リースをうまく活用すれば初期費用を抑えながら発電ができ、電気代の節約にもつなげられます。
契約期間中は修理保証があり、無料で何度も修理してもらえたり、リース期間が満了した後は無償でそのまま太陽光パネルを譲渡してもらえたりと、リースならではのメリットもたくさんあります。
ただし、リースの場合は購入とは違って毎月の利用料金が発生する点に注意が必要です。
また途中解約する場合、違約金や解約手数料などのコストが発生する可能性があるため、あらかじめ確認しておくことが重要です。
ファミリーグループでは太陽光パネルリース業者と提携しており、初期投資を抑えるリースプランのご提供を行っております。
お客様のご要望、お悩みに応じた柔軟な契約プランをご用意しておりますので、太陽光パネルの導入が初めての方でもぜひお気軽にご相談ください。
- 監修者
- 大久保 洋司
Director
【保有資格】
一級建築士
監理技術者
マンションリフォームアドバイザー
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既存住宅アドバイザー
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