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太陽光パネルのリサイクルはできない?噂の現状やリサイクル料金の目安、業者選びのポイントを紹介

電気代が高騰する中、注目を浴びている太陽光発電。しかしその普及とともに、太陽光パネルの廃棄やリサイクルの問題が浮上しています。

中には「太陽光パネルはリサイクルできない」という誤解をされている方も多く、その背景には“適切な処理方法やリサイクルの難しさに関する不安”があります。

そこで本記事では、「太陽光パネルがリサイクルできない」と思われるようになった背景や現状、リサイクル料金の目安を解説。

信頼できるリサイクル業者の選び方や、太陽光パネルを処分する判断基準についても詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

目次

太陽光パネルはリサイクルできない?現在の状況

太陽光パネルのリサイクルは技術的に難しく、コストも高いのが現状です。

パネルはガラス、シリコン、金属など複数の素材で構成されており、これらを分離して再利用するのは困難です。

特にシリコンは純度が高くないと再利用が難しいため、リサイクルの際には高度な技術が必要となります。またリサイクル施設の数が限られており、効率的なリサイクルが進んでいないのも課題です。

こうした事情から、世間では「太陽光パネルはリサイクルできない」と誤解される方も少なくありません。

しかし今後は、リサイクル技術が進み、適切に処理される流れがますます強まると断言できます。その根拠は以下の2つです。

太陽光パネルのリサイクル技術の研究が増加

こうした現状を受け、一部の企業や研究機関では太陽光パネルのリサイクル技術の開発が進んでいます。

例えば、現在開発されつつあるのが「パネルからシリコンや貴金属を効率よく回収する技術」です。

たとえばドイツの研究所であるフラウンホーファーシリコン太陽発電センターでは、2022年2月にReiling 社と共同で太陽光パネルのシリコンサイクル技術を開発しました。

これにより、従来ではリサイクルが難しかった「シリコン」を再利用し、高効率の太陽光パネル(PERC太陽電池セル)の製作に成功しています。

参考:【コラム】ドイツの最新動向、太陽光パネル廃棄を防ぐ法整備・リサイクル技術の進化 – 太陽光パネルのリサイクル・廃棄の環境エネルギー循環センター(EECC)

各国で法整備による太陽光パネルのリサイクルが推進されている

またEUではリサイクル率を高めるための法規制が整備され、リサイクルインフラの充実が進んでいます。これにより、太陽光パネルのリサイクルがより効率的かつ経済的に行われることが期待されています。

日本でもリサイクル業者を支援するための取り組みを行うとともに、太陽光パネルのリサイクル義務化が検討段階となっています。

今後は「廃棄<リサイクル」の流れが加速するといっても過言ではないでしょう。

太陽光パネルの処理方法とは?

太陽光パネルの寿命は25~30年ですが、寿命を迎えたパネルはどのように処理されているのでしょうか。また、近年は太陽光パネルの廃棄についても問題が指摘されています。

太陽光パネルは一般家庭のゴミとして廃棄することはできません。

太陽光パネルは人体・環境に有害な物質を少量含んでおり、土壌汚染・水質汚染を防ぐために特別な処理を行います。

また太陽光パネルはガラスや金属など複数の素材で構成されており、それらを分離する作業が必要です。

パネル以外の架台やパワーコンディショナー(パワコン)、接続箱やその他電子機器については「粗大ごみ」の扱いになります。

上記の処理を行うには専門の施設・技術が必要なため、処理方法としては専門の廃棄物処理業者に依頼する方法が一般的です。

業者に依頼すると、法令に基づいた適切な方法で処理を行ってくれます。

太陽光パネルをそのまま捨てるとどうなる?

太陽光パネルが適切に処理されないと、リサイクル率が低下し、資源の無駄遣いにつながります。また土壌汚染によって私たちや地球に暮らす生き物、食料などに影響が及んでしまう可能性があります。

有害物質による土壌汚染

太陽光パネルをそのまま捨てると、パネルに含まれる鉛やカドミウム、セレンといった有害物質が環境に漏れ出し、深刻な環境汚染を引き起こす可能性があります。

これらの有害物質は人体にも有害であり、土壌や水質に混入することで長期的な健康被害をもたらす恐れがあるため、適切な処理によって廃棄・リサイクルが必要なのです。

生態系への影響

太陽光パネルに使用されているガラスや金属が分解されずに自然界に残ることで、生態系にも悪影響を及ぼします。

生態系へ影響がでた場合、農作物や果樹の成育不良による不作、漁獲量の減少といった影響が及ぶ可能性も考えられます。

法に触れて罰則・罰金が課せられる

なお、多くの国や地域では、太陽光パネルの不適切な廃棄は法律で禁止されています。

日本では「廃棄物処理法」に基づき、太陽光パネルの部材の多くはは産業廃棄物として分類され、適切な処理が義務付けられています。

不適切な廃棄を行った場合は違反者とみなされ、高額な罰金を科される可能性があります。

悪質な場合にはさらなる厳しい罰則が適用されることもあるため、個人・事業者を問わず、適切な処理を行わなくてはなりません。

太陽光パネルのリサイクル料金の目安

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太陽光パネルのリサイクルだけでいえば、20万円〜30万円程度の費用がかかります。

この価格はパネル単位で換算すると1枚あたり数千円から1万円程度となり、費用にはパネルの回収や運搬、専門工場での処理といったプロセスにかかる費用が含まれています。

【リサイクル料金の内訳】

回収費用
設置場所からパネルを取り外し、リサイクル施設まで運搬する費用。

処理費用
パネルの素材を分離し、有害物質を安全に処理するための費用。

再加工費用
素材を再利用可能な状態にするための加工費用。

また、そのままその家に住み続ける場合は屋根の修復費用がかかる場合も多いです。

屋根の部分修復であれば数万円〜30万円ほどですが、屋根の葺き替え(屋根材を取り替えて設置する方法)であれば100万円前後必要になるケースもあります。

上記のリサイクル料金は業者や地域によって異なるため、具体的な見積もりを取ることをおすすめします。

また太陽光パネルのリサイクルを促進するために、自治体や国の補助金制度を利用することも検討しましょう。

たとえば東京都では「使用済住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業」という補助金制度を2023年から実施しています。

同補助金制度では、使用済住宅用太陽光パネルを都の指定する産業廃棄物中間処理施設においてリサイクルするためにかかる処理費のうち、使用済み住宅用太陽光パネルの発電出力(kW)×25,000円が補助される制度です。

関連リンク

クール・ネット東京  | 「使用済住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業」

住宅用太陽光パネルのリサイクル費用を補(制度概要の紹介)|東京都

太陽光パネルのリサイクル(処分)を検討する判断基準は?

太陽光パネルのリサイクル処分を検討するにはコストがかかることは先に触れたとおり。では、一体どのタイミングで太陽光パネルのリサイクルを検討すべきなのでしょうか?

太陽光パネルのリサイクル処分を行うかどうかは、以下の5つをもとに判断しましょう。

1. パネルの性能低下が見られるとき
2. パネルの物理的損傷が見られるとき
3. メンテナンスの頻度とコストが増えているとき
4. 寿命を迎えているとき(設置後25年目以降)
5. 新しい太陽光パネルを設置したいとき

1. パネルの性能低下が見られるとき

太陽光パネルの発電性能が2割以上低下した場合は、リサイクルを検討するタイミングです。

発電効率が落ちるとエネルギー収支が悪化するため、新しいパネルに交換するのが望ましいでしょう。

2. パネルの物理的損傷が見られるとき

ひび割れや破損がある太陽光パネルは、発電効率が低下するため、早期のリサイクルを検討すべきです。

物理的損傷は放置すると漏電事故などのさらなる問題を引き起こす可能性があるため、迅速な対応が必要です。

3. メンテナンスの頻度とコストが増えているとき

メンテナンスの頻度と修理・交換にかかるコストが前よりも増えている場合は、リサイクルを考えるべきです。

頻繁な修理や部品交換が必要になると、長期的なコストがかさむため、新しいパネルに交換したほうが経済的です。

4. 寿命を迎えているとき(設置後25年目以降)

設置後25年を経過した太陽光パネルは寿命を迎えている可能性が高く、リサイクルを検討する時期です。

太陽光パネルそのものに破損などがなくても、古いパネルは性能が低下しているため効率的な発電ができません。

そのような場合は適切にリサイクルし、新しいパネルに交換することをおすすめします。

5. 新しい太陽光パネルを設置したいとき

新しい技術や高効率なパネルが登場した場合、既存のパネルをリサイクルして交換することで発電効率が向上し、環境負荷も軽減できます。

新たな太陽光パネルを設置することでより多くの電気をつくることができ、電気代の節約効果も高まるでしょう。

太陽光パネルのリサイクルはどんな業者に頼めばいい?

太陽光パネルのリサイクル業者を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。

実績豊富で評判のよい業者を選ぶ

太陽光パネルのリサイクルを依頼する際には実績が豊富で、評判の良い業者を選ぶことが重要です。

このとき環境省や自治体が認定した業者や、適切な許可を持つ業者を選びましょう。

また、回収からリサイクルまで一貫してサービスを提供している業者なら、契約手続き等がまとめて済ませられるため手間もかかりません。

業者に依頼をする前には必ず見積もりを取ってもらい、内容に過不足や不審点がないかをチェックした上で選定しましょう。

自治体のリサイクルプログラムを活用する

太陽光パネルのリサイクルについては、自治体が提供するリサイクルプログラムも活用できます。自治体のウェブサイトや環境保護団体の情報を参考に、信頼できる業者を選びましょう。

太陽光パネルのリサイクルについてよくある質問

Q1.太陽光パネルをリサイクルすると得られるメリットは?

A.太陽光パネルをリサイクルすることで有害物質の流出を防ぎ、​​環境保護や資源の有効活用に貢献できます。

また、リサイクル技術の進展により新たな産業が創出され、経済的な利益も期待できます。

Q2.太陽光パネルのリサイクルが進んでいない理由は?

技術的な難しさと高コストが主な理由です。

パネルの素材分離が難しく、リサイクル施設も限られているため、効率的なリサイクルが進んでいません。

ただし近年ではリサイクル技術の研究開発や法整備が進められており、近い将来にリサイクルが定着化することが予想されます。

Q3.太陽光パネルのリサイクルプロセスは?

パネルを回収し、素材を分離して再利用します。ガラス、シリコン、金属などを効率的に分離・再利用するために高度な技術が必要です。

Q4.太陽光パネルのリサイクルに国や自治体の支援はある?

自治体によっては個人宅を対象として補助金制度を実施しています。

(例:東京都の「使用済住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業」)

国の補助金制度もありますが、こちらはリサイクル事業のための設備投資が対象となっています。(詳細

Q5.古い太陽光パネルをリサイクルせずに再利用する方法は?

「リパワリング」などがあります。これは機器の入れ替え、パーツ交換で太陽光パネルをそのまま使用する方法です。

古いパネルを新しい用途や別の場所で再利用できるだけでなく、発電効率を既存機器と同様、またはそれ以上の高水準まで復活させられます。

参考記事:

ソーラーフロンティア公式「太陽光発電におけるリパワリングとは?その必要性やメリットについて解説」


Q6.太陽光パネルのリサイクルを依頼する際に注意すべきポイントは?

信頼できる業者を選び、リサイクルコストの見積もりを事前に確認しましょう。

リサイクルのプロセスや処理方法についても詳しく説明を受けることが重要です。

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まとめ

太陽光パネルのリサイクルは技術的・経済的に課題が多いですが、「リサイクルできない」というのは大きな誤りです。

適切な処理とリサイクルを行えば環境保護に貢献できますし、貴重な資源を再利用することで、環境への負荷を最小限に抑えながらサステナブル(持続可能)な生活に貢献できます。

そのためには、初期の段階からリサイクルを見据えた選択を行うことも重要です。

リサイクルに対応しているメーカーのパネルを選ぶことや、リサイクル料金を見込んだ計画を立てると処分がスムーズになるでしょう。

今後はリサイクル技術の進展や法規制の整備により、さらに効率的で経済的なリサイクルの実現が期待されます。

ただし太陽光パネルのリサイクルを進めるには、消費者の意識向上も重要です。

持続可能なエネルギー利用のためにもリサイクルの重要性を理解し、適切な処理を行うことを強く意識しましょう。

当ファミリーグループでは、リサイクルできないとご判断された太陽光パネルについても、適切な処理方法をご提案しております。

「太陽光パネルの処分をしたいが頼れる業者がいない」

「別の業者に処分を依頼したら断られた」

とお困りの場合も、ぜひお気軽にファミリーグループへご相談ください。

太陽光パネルの設置・工事・リフォームについてのお問い合わせはこちら|ファミリーグループ

監修者
大久保 洋司
株式会社ファミリーDesign

Director

約30年と経験豊富な建築士です。
細かいことから大きなことまで、お客様の視点に立った提案をします。
気軽にご相談ください。よろしくお願いします。

【保有資格】
一級建築士
監理技術者
マンションリフォームアドバイザー
既存住宅状況調査技術者
既存住宅アドバイザー

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