玄関ドア交換によって得られる効果は多い?! 玄関ドアの種類と玄関ドア交換の手順
住居のリフォームのなかでも、玄関ドア交換のリフォームは後回しにしてしまいがちですが、玄関は住居のいわば顔ともいえ、周りから最もよく見られている部分です。また、毎日出入りするなかで、意外と経年劣化が進みやすい部分でもあります。
玄関ドアは、ひと昔前に比べて機能性もデザイン性も大きく向上しているため、玄関ドア交換のリフォームによって得られる効果は、思いのほか大きいものです。
そこでこの記事では、玄関ドア交換によって得られる効果や、玄関ドアの種類、そして玄関ドア交換リフォームのステップについて、詳しくご紹介いたします。
目次
玄関ドア交換のリフォームによって得られる効果
住居のリフォームというと、まずはキッチンや洋室などの水回りのリフォームを思い浮かべる方が多く、玄関ドア交換は後回しになりがちです。
しかし、住居の顔となる玄関は、実は周りから最もよく見られている部分であり、毎日使うために意外と経年劣化が進みやすい部分でもあります。また、玄関ドアのリフォームによって得られる効果は多く、玄関自体の性能もひと昔前に比べて大きく向上しています。
この記事では、玄関ドア交換によって得られる効果や、玄関ドアの種類、そして玄関ドア交換リフォームのステップについて、詳しくご紹介いたします。
玄関ドア交換をご検討の方は、ぜひ参考にしてみてください。
住居全体の断熱性がアップ
冬の寒い時期、室内を暖房などで温めても玄関付近の空気は冷えたまま、ということはないでしょうか。
室内の空気を温めても思うように温まらない、暖房を消すとすぐに部屋が冷えてしまうといった原因の大半は、玄関ドアや窓の断熱性にあります。
窓と異なり、カーテンをつける習慣のない玄関は、玄関ドア自体に断熱効果がないと、結露も発生しやすいものです。
快適な住まいづくりや、冷暖房効率を上げるためには、玄関ドアや窓の断熱性をアップさせることが不可欠。それによって、住居全体の断熱性を向上させることができます。
住居の断熱性を上げることで、住居内の温度差が少なくなりヒートショックのリスク軽減にも繋がったり、結露によるカビの発生への抑制にもなるでしょう。
住居の防犯性を高める
空き巣などの被害に遭わないようにするには、住居の防犯性を高めることが大切です。
特に玄関ドアの防犯性が低いと、防犯意識が低い家だと判断され、空き巣狙いのターゲットとされかねません。
ピッキングやサムターン回し、ドアのこじ開けを試み始めて、侵入までに5分以上を要すると、犯人の半数以上が侵入をあきらめるといいます。
玄関ドア交換は、防犯性を高めて空き巣による被害を未然に防ぐ効果が高いと言えるでしょう。
住居の価値を高める
玄関ドアは長年使用していると、雨水や風、紫外線や結露などによって、どんな素材でも劣化していくものです。
劣化によって色あせたり素材の質感が失われたりすると、住居全体がみすぼらしい印象を与えてしまいます。
玄関は居室と異なり常にその場にいる場所ではありませんが、毎日家族が出入りし、来客の際はもっとも最初に目にする場所。できるだけきれいな状態を保ちたいものです。
玄関ドアを新しくすることで、掃除では落としきれない汚れや傷みも改善でき、住居全体の価値を高めることができます。
明るく爽やかな玄関になる
玄関に窓がなく、電気をつけないと手元や足元が暗く不便を感じる、また、換気ができずカビや靴の臭いがこもって気になるという悩みを抱えている方もいらっしゃるでしょう。
玄関ドアには、ドア自体に開閉できる小窓が付いているものもあり、そういった玄関に交換することによって、玄関を閉め鍵も掛けたままで、採光や採風をすることができます。
玄関に窓を設置することができなくても、玄関ドア交換によって自然光を取り入れることができ、また、在宅中にも防犯対策をしながら換気を行うことができるので、ただ出入りする場所だった玄関が、明るく爽やかな玄関となるでしょう。
開け閉めが楽になる
長年使用した玄関は、ドア枠に歪みが生じて開け閉めの際に異音が起きたり、力が必要となったりすることがあります。
玄関ドア効果によって、そういった支障が改善されることはもちろんのこと、リモコンキーを装備した玄関ドアを選ぶことで、リモコン操作によって離れた場所からでも鍵が開錠され、玄関の出入りが快適になります。
荷物がたくさんある時や大雨の時でも、玄関の開け閉めで感じていた不便さを解消することができるでしょう。
玄関ドア交換のリフォームパターン
1.玄関ドアの扉のみを交換する(ドア枠はそのまま活用)
現在のドア枠はそのままで、玄関ドアの扉のみを交換します。
ドアのデザインを一新して玄関の雰囲気を変えたり、防犯、採光、採風機能などを付加することができます。
扉を交換するだけなので、1〜2時間の短時間で施工完了しますが、ドア枠に歪みなどの損傷がある場合は適しません。
2.玄関ドア交換とドア枠をリフォーム
玄関ドアの扉と一緒に枠も交換します。玄関ドアにあった枠に交換することで、ドアの開け閉めや収まりが良くなるだけでなく、断熱性や機密性も向上します。
現状のドア枠に新しいドア枠をかぶせる工法なら、壁を壊すことなく施工時間 1日程度でリフォームが完了します。
3.玄関ドアを引戸へリフォーム
ドア(開き戸)を引戸に取り換えるリフォームです。
引戸に取り換えることで、壁をこわさずに開口部を広げて出入りしやすくなります。
玄関ドアタイプと特徴
玄関ドアは、「ドア(開き戸)タイプ」と「スライディング(引戸)タイプ」との2種類に大別されます。
それぞれの特徴や種類を見ていきましょう。
ドア(開き戸)タイプ
「ドア(開き戸)タイプ」の玄関は、ドアを「押す」「引く」の動作によって開閉するタイプです。
玄関の開口が広くとれない場所でも設置することができ、レールがないため掃除がしやすいといった特徴があります。
また、スライディング(引戸)タイプよりも、断熱性や機密性に優れ、防犯性をはじめとした機能性が高いことから、一般的に多く採用されています。
ドアタイプの扉は、機能性・デザイン性共に多くの種類を備えており、間口が狭い玄関でも採光や採風機能によって、効率的に快適な玄関を実現することができます。
<ドアタイプの種類>
種類 | 特徴 |
片開きドア | ドアタイプの中で最もスタンダードな、1枚扉からなるドアです。間口が狭い玄関に向いており、右開きと左開きから選ぶことができます。 |
親子ドア | 片開きドアの扉の横に、半分程度の幅の「子扉」を設置し、両方を開くことで開口部を広げることができるドアです。 通常の出入りの際は、親扉のみを使用し、家具などの大きな荷物を運び入れる時などに、子扉を開けて使用することができます。 |
両開きドア | 通常サイズの扉を左右に2つ並べ、観音扉のように大きく開閉できるタイプです。開口部が広く、大きく開放的な玄関に向いています。 |
片袖ドア | 開閉する扉の横左右片側に、開閉できないFIX部が付いたタイプです。FIX部の多くはガラス窓が付随しており、採光や採風機能を充実させることができます。 |
両袖ドア | 開閉する扉の左右両側に、開閉できないFIX部が付いたタイプです。片袖ドアよりも広い開口部が必要となりますが、その分多くの光を玄関に取り入れることができます。 |
スライディング(引戸)タイプ
スライディング(引戸)タイプは、左右に扉をスライドして開閉するドアです。
開き戸タイプと異なり、扉を手前(奥)に移動させないため、玄関前のポーチスペースを有効に使うことができます。
たとえば、ビルトインガレージの場合や玄関が奥まった位置にある場合では、ポーチの奥行きが充分にとれないこともあります。スライディングタイプなら、開けたドアを車にぶつけたり邪魔になることもなく、スムーズに出入りができるので安心でしょう。
また、車いすやベビーカーの出入りがしやすいのも、このタイプです。
引戸と言えば、和風の住宅のイメージがあるかもしれませんが、最近ではデザインに幅が広がり、洋風住宅に合うものも出てきています。
<スライディング(引戸)タイプの種類>
種類 | 特徴 |
片引き戸 | 1枚の扉が左右に開閉するタイプです。ドアが室外側をスライドする「外引き込みタイプ」と、室内側をスライドする「内引き込みタイプ」があります。 |
片袖引き戸 | 片引き戸の横左右どちらか片方に、開閉できないFIX部が付いたタイプです。FIX部の多くはガラス窓が付随しており、採光や採風機能を充実させることができます。 |
引違い戸(2枚建) | 2枚の扉がどちらも開閉できる、ベーシックな引戸タイプです。右側の扉でも左側の扉でも、状況に応じて好きな方を開閉できるのが特徴です。和風住宅によく採用されるタイプですが、洋風住宅にマッチする商品もあります。 |
両引込み戸 | 2枚の扉でありながら、開けた扉を壁に引き込むことで、扉2枚分の開口幅がとれるタイプです。2枚の扉がそれぞれ左右に収納されて開閉するドアで、玄関間口に広い幅が必要となります。ドアが室外側をスライドする「外引き込みタイプ」と、室内側をスライドする「内引き込みタイプ」があります。 |
連動引戸 | 通常2枚扉を設置する幅野間口に、細い幅の扉を3枚設置します。3枚のうち2枚の扉が連動して開閉する事で、通常の2枚扉よりも有効開口幅を広げることができます。 |
ランマ付 | 玄関扉の上部にランマを設置することで、玄関に光を採り込むことができます。 |
玄関ドアの機能
玄関ドアには、電子錠付きや採光・採風などの機能が備わったものもあり、それらのドアを選ぶことで、玄関をより快適に使用することができます。
・電子錠付き
電気錠とは、リモコンで解錠・開閉できるリモコンキーのほか、カードキーやスマートフォンで操作が可能なものや、ドアに近づくだけで解錠できるものなどがあります。
通常の鍵を差し込む鍵穴がないため、ピッキング被害の防止に繋がります。
電子錠は、一般的に金属製のドア(開き戸)タイプに備わっています
・採光・採風タイプ
玄関ドアの扉にガラス面が含まれ、そこから光を取り入れることができます。
ガラス面が開閉できるタイプなら、さらに換気を行うこともできます。
開く角度が制限された細長い窓や上げ下げ窓、ガラス面にデザイン性の高い格子がされているなど防犯面や外からの視線への対策がされています。
・高断熱性能
夏の日差しや冬の冷気が気になるという場合は、高断熱性能の玄関ドアがおすすめです。
玄関ドアを高断熱性能のものにすることで、さらに玄関ドア交換による断熱効果を高めることができるでしょう。
玄関ドアの素材と特徴
玄関ドアの素材は、「金属製」「木製」との2種類に分けられます。
最近では、特に金属製のなかでもアルミ製が人気です。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
木製の玄関ドアの特徴
木製の玄関ドアは、何といっても木の自然な風合いや質感を楽しむことができ、これらは金属製では味わえない良さでしょう。
また、使用しているうちに、経年変化によって木の風合いが変わっていくのも、木製の特徴です。
自然素材であることから調湿機能も高く、夏の湿気や冬の乾燥に強いといった機能面におけるメリットもあります。
金属製の玄関ドアの特徴
金属製の玄関ドアのメリットは、耐久性が高い点です。お手入れも木製よりも簡単です。
加工のしやすさから木製よりもデザインが豊富で、価格も安価な傾向があります。
シンプルなデザインから、木製に見間違えるほどのデザイン性の高い木目調のものもあります。
玄関ドア交換リフォームのステップ
ステップ1)求める効果を考える
普段、ご自宅の玄関で抱えている悩みや問題点を挙げ、どのように改善したいのかについて明確にします。開口部を広めたいのか、断熱性を高めたいのか、デザイン性を高めたいのか、玄関ドア交換によって得たい効果を洗い出して、優先順位をつけましょう。
ステップ2)リフォームパターンを選ぶ
今あるドア枠を活用するのか、引戸にするのか、壁を削って玄関の間口を広げるのかなど、玄関ドアのリフォームパターンを選択しましょう。
既存の「片袖ドア」を「親子ドア」または「連動引戸」に変更したい、ランマや袖付きにしたい、など具体的に検討してみましょう。
ステップ3)付加したい機能を決める
電子錠付きにしたい、採光タイプや採風タイプにしたい、網戸付きにしたいなど、玄関ドアに求める機能について考えてみましょう。
ステップ4)色を選ぶ
玄関ドアにどんな色を選ぶかによって、住居全体の印象が変わります。
外壁やエントランスのタイルなどとの色とのバランスを考慮して、よく検討するようにしましょう。
また、イメージだけでなく実用的な面からの色選びも大切です。
白やベージュなどの淡い色味は、玄関を明るい印象にしてくれますが、汚れが目立ちやすくメンテナンスに手間がかかるというデメリットもあります。
また、黒いドアも意外と汚れが目立つので、メンテナンス面から選ぶのならブラウン系がおすすめです。
薄めのブラウンならナチュラルな雰囲気に、濃いめのブラウンならモダンな雰囲気になります。
青やオレンジといったポップな色もおしゃれですが、悪目立ちしてしまうと空き巣のターゲットとなってしまうこともあるので、周辺環境を考慮して選ぶとよいでしょう。
ステップ5)素材とデザインを選ぶ
次に玄関ドアの素材やデザインを選びましょう。
調湿や質感など天然素材ならではの良さを選ぶなら木調ドア、メンテナンス製や耐久性で選ぶなら金属製を選ぶとよいでしょう。
また、鋳物格子が着いたおしゃれなものや、デザイン性の高い取っ手が着いたものもあります。
お好みのデザインを取り入れることで、お気に入りの玄関にリフォームすることができるでしょう。
玄関ドア交換の工期と「カバー工法」
玄関ドア交換の工期は、カバー工法を取り入れることで短縮することができます。
カバー工法とは、既存のドア枠を撤去せずに、上から新しいドア枠を被せて玄関ドアを取り付ける工法です。
従来の既存のドア枠を撤去する従来の工法では、玄関周辺の壁を削る必要があり、それに伴い外壁のや床の修理やクロス張りやタイル貼りが必要となるなど、大掛かりなリフォームとなっていました。
しかし、カバー工法ではそれらが必要とならないため、長くかかっても工期1日とスピーディーで、そして安価に玄関ドア交換が行えるのです。
まとめ
玄関ドア交換のリフォームを行うことで、家全体の雰囲気がガラッと変わります。
玄関ドア交換のリフォームによってどんな玄関にしたいのかを明確して選べば、満足のいく玄関にリフォームすることができるでしょう。
最近の玄関ドアは、機能性が高く、またデザイン性も高いものが数多くあります。
ファミリー工房では、お客様のお悩みやご希望に合った玄関ドア選びや、玄関ドア交換リフォームのご相談を承っております。
ぜひお気軽にお問合せください。
- 監修者
- 近岡 正平
Manager
【保有資格】
一級建築士
二級建築士
福祉用具専門相談員
監理技術者
既存住宅状況調査技術者
建築物石綿含有建材調査者
〒120-0001 東京都足立区大谷田 4-1-20 1F
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