住宅ローンの種類や仕組みを徹底解説!知っておくべき基礎知識
住宅ローンは返済総額が多く、返済期間が長いため、慎重に選ばなくてはいけません。住宅ローンには色々な種類があり、どれを選ぶかによって負担額が変わるので、その後の人生設計にも大きく係わる重要なファクターです。納得のいく選択をするためにも、住宅ローンの種類、金利方式、返済方法、借入額の目安などの基本的な情報は頭にいれておきましょう。ここでは、住宅ローンについて詳しく説明していきます。
そもそも住宅ローンって何?
住宅ローンがそもそもどんなものかというと、「宅地を取得したり、住宅を購入・改築したりするために金融機関から資金を借りること」です。住宅ローンは「有担保ローン」で対象の住宅に抵当権を設定します。大きな特徴は、借入期間が長く、金利が低いことです。住宅ローンにはいくつか種類がありますので、ここで一つずつご説明していきます。
住宅ローンの種類
住宅ローンには「公的ローン」と「民間ローン」があります。それぞれ種類があるので、詳しく見てきましょう。
民間ローン
民間ローンには以下の種類があります。
●銀行などのローン
銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫などが提供するローンで、それぞれの金融機関によって借入条件が異なっています。
●JAのローン
JAの組合員向けのローンですが、農家以外でも組合費を納めれば利用できる場合があります。
●生命保険会社のローン
生命保険の加入者を対象としたローンです。
●ノンバンクローン
住宅ローン専門会社・信販会社・クレジット会社などが提供するローンです。最近、ハウスメーカーなどが住宅ローンを専門に取り扱う金融機関「モーゲージ・バンク」を設立して、長期工程金利のローンを提供するケースが増えています。
フラット35
フラット35とは民間金融機関と住宅金融支援機関が提携して提供する住宅ローンで、名前からわかるとおり、最長35年の長期固定金利型となっています。35年間同じ金利が保たれ、物件購入後に世の中の住宅ローン金利が変わっても、期間中に金利が変わることはありません。そのため、返済計画が立てやすくなっており、それがフラット35の大きな魅力となっています。融資額は物件価格の100%、最高8,000万円の融資を組むことができます。ただ、今後低金利で推移した場合、変動金利型よりも返済額が多くなる可能性があるので、この点は注意が必要です。
財形住宅融資
勤務先で給与の一部を天引きして財形住宅貯蓄をしている人が受けることのできる住宅ローンです。財形貯蓄を1年以上継続し、貯蓄残高が50万円以上あることが融資を受ける条件となっています。融資額は財形住宅貯蓄残高の10倍、最高4,000万円までです。
自治体融資
都道府県や市町村などが行う融資です。「一定年数以上のその都道府県や市町村に居住している、勤務している」などが融資を受ける条件となっていますが、年数や融資額、金利などは自治体によってさまざまで、そもそも設けていない自治体もあるので注意が必要です。物件や借入限度額には制限がありますが、金利面は有利な場合もあるようです。
住宅ローンの金利
住宅ローンを組むと金利に応じた利息が発生しするのはご存知ですよね。金利にも種類があり、返済額に違いがでる場合があるので、メリットとデメリットを考えながら、選択する必要があります。ここでは、メリットとデメリットを詳しく見てきましょう。
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3つの金利方式
住宅ローンの金利方式は以下の3つになります。
変動金利
半年に一度、短期プライムレートの変動に伴ってローンの金利が見直され、返済額も5年ごとに変わります。ただし、金利がどれだけ上昇しても、返済額は前期間の1.25倍を上限としています。際限なく返済額が高くなるわけではないので、その点は安心してください。
固定期間選択型金利
「最初の5年は金利○○%」というように、一定期間の金利が固定されるタイプです。金利を固定する期間は「3年、5年、10年」など、選ぶことができます。固定期間終了後は、あらためてその時の変動金利型を選ぶか、固定期間選択型金利を選ぶかを決めることができます。
固定金利(完全固定金利)
借入申込時に全返済期間の適用金利が決まり、借入期間は金利が変わることはありません。ここが、変動金利と大きく違うところで、金利が変動した場合も返済額は変わりません。
金利方式について説明してきましたが、それぞれの方式にメリット、デメリットがあります。それを見ていきましょう。
変動金利のメリット・デメリット
メリット
●借入時の金利は固定金利型より低く設定されている
●金利低下局面では、返済額が減少する。
デメリット
●借入時に将来の返済額が確定できない
●金利上昇した場合、返済額が増加するリスクがある。
変動金利では、固定金利に比べ当初の適用金利が低く設定されていますので、一見得のように見えます。しかし、市場金利が上昇すれば、それに伴って金利も上昇し、返済額が高くなる恐れもあります。「先行きが見えない」というのがこの方式の大きなデメリットでしょう。
固定期間選択型金利のメリット・デメリット
メリット
●一定期間の返済額が確定できる。
デメリット
●固定金利期間終了後の返済額が確定しない
●固定金利期間終了後の金利上昇によって返済額が大幅に増加する恐れがある
固定期間選択型金利は、期間中金利が変動せず、固定金利より低い金利で利用できます。しかし、注意が必要なのは、変動金利には「金利が上昇しても返済額の上限は前期間の1.25倍」という上限がありましたが、固定期間選択型には上限がない、という点です。固定期間終了後、返済額が大幅に増加する危険性があることを頭に入れておかなければなりません。
固定金利(完全固定金利)のメリット・デメリット
メリット
●全期間の返済額を確定できる。
●低金利時に借りれば全期間にわたって低金利のメリットを享受できる。
デメリット
●たとえ市場金利が下がっても高金利の返済額は変わることがない
固定金利は借入期間中、契約時の金利がずっと適用されるので、返済額が確定てきます。返済計画やライフプランが立てやすい、というのが大きな魅力です。しかし、金利が下がった場合でも返済額は変わらないので、高金利時に契約すると損をしてしまう恐れがあります。
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あわせて読みたい住宅ローンの返済方法
次に、住宅ローンの返済方法をご説明します。
元利均等方式と元金均等方式
住宅ローンの返済方法には、月々決まった額(元金と利息)を返済する「元利均等方式」と月々決まった元金に利息を加えた額を返済する「元金均等方式」の2種類があります。「元金均等方式」は利用できる金融機関が少ないので、こちらを検討する場合は、まずは取り扱いがあるか確認しましょう。次にそれぞれの方式のメリット、デメリットをご説明します。
元利均等方式のメリット・デメリット
メリット
●毎回の返済額が同じ
●当初の返済額は「元金均等返済」に比べて少ない
デメリット
●元金均等返済に比べ支払利息総額が多くなる
毎月の返済額が一定で、返済開始当初の返済額が少ないので、計画的に返済しやすく、生活への負担も少ない点が魅力です。ただし、借入期間が同じ場合、元金均等方式よりも返済額が大きくなるので注意が必要です。
元金均等方式のメリット・デメリット
メリット
●毎回一定額の元金が返済できる
●「元利均等返済」に比べてトータルで支払う利息が少ない
デメリット
●返済当初の月々の支払額が多く、負担が重い
●利用できる金融機関が少ない
この返済方式だと、当初の返済額が最も高いので、その時期の負担が重くなってしまうというデメリットがあります。しかし、返済利息は少なくなっていくので、元利均等方式に比べると返済額を抑えることができます。
それぞれの支払い方式のメリット、デメリットがおわかりいただけたでしょうか。返済方法によって、月々の支払額が異なり、生活への影響も大いにあります。住宅ローンは返済期間が長く、その間に自分の生活や家族の形も変わっていくことと思います。今後の収入の見込み、定年退職の時期、家族のライフステージなどをいろいろな角度からシミュレーションして、返済方法や返済期間を決めるようにしましょう。
住宅ローン借入額の目安
「自分の年収ならどのくらいの額まで借りられるのか?」というのはこれからローンを組む人にとっては非常に重要なことです。自分の年収で借りられる限度額のことを「借入可能額」と言いますが、審査金利と返済負担率を使えば、自分で計算することもできますので、試算してみてはいかがでしょうか。
審査金利と返済負担率
住宅ローンの借入可能額を決めるのは、住宅ローンを含むローン返済額が年収のうちどのくらいの割合を占めるのか、つまり「総返済負担率」になります。これは金融機関ごとに異なるので確認しましょう。最長35年の長期固定金利型であるフラット35の場合は住宅金融支援機構のWebサイトで確認することができます。
住宅金融支援機構によると、年収400万円以上の総返済負担率は35%です。単純計算で、年収×35%が借入可能額になります。年収が400万円の場合、400×35%は140になるので、年間返済額140万円以内で住宅ローンが組める、ということになります。
さらに、「審査金利」というものがあります。これは借入金利とは別の金利です。変動金利や短期固定金利の場合、金利が変動することで返済額が上昇するケースがあり、そうなった場合でも返済が可能かどうかを審査するためのものです。審査金利は金融ごとに異なっており、公表されていませんが業界関係者の間では3~4%ではないかと言われています。融資を希望する額に審査金利を適用して年間返済額を算出し、その額の年収に占める割合が上記返済負担率の範囲に収まっていれば、ローンを組めると判断されます。
フラット35を利用して、年収400万円で、融資希望額3,000万円の場合を計算してみましょう。審査金利を3%、返済期間を35年とすると、毎月の返済額は115,456円となりますよね。115,456円×12カ月÷400万円で返済負担率を割り出すと約35%となり、これなら借入可能額内だと分かります。このように、融資希望額と自分の収入から融資が受けられるかどうかを計算することができるので、まずは自分で計算してみてはいかがでしょうか。
参照:フラット35
「毎月の返済額を知りたい」、「自分にとって最もお得な住宅ローンを見つけたい」と思っている方にはWebサービスがおすすめです。使い方も簡単ですので、このサービスで色々なローンを比較し、自分に一番合う住宅ローンを見つけましょう。
参照:モゲチェック
リノベ一ション(リフォーム)一体型ローンって知ってる?
住宅ローンについてお話してきましたが、リノベーション(リフォーム)一体型ローンというものもあります。これは住宅ローンと同じような金利で、住宅そのものとリノベーション(リフォーム)の工事費を一元化して融資を受ける、というものです。
リフォームローンもありますが、これは金利が高いうえに返済期間が短く、負担が大きくなってしまうため、正直あまりおすすめできません。中古物件を購入してリノベーションまたはリフォームによって理想の住まいを手にする方が増えている中、便利なリノベーション(リフォーム)一体型ローンのニーズは高まりつつあります。リノベーションありきで中古物件の購入を考えている方は、このようなローンがあることも頭に入れておくといいと思います。
あわせて読みたいまとめ
住宅ローンについて詳しくご説明してきました。金利方式、返済方法、借入可能額の計算方法などがおわかりいただけたと思います。住宅ローンには色々な種類があり、金融機関によって金利も異なるので、どれにしたらよいか迷ってしまうと思います。住宅ローンは借入額も多く、返済期間も長期になるので、Webサイトのサービスなどを利用して納得いくまで調べ、ご自身に最適なものを選んでいただきたいです。リノベーションを検討中の方はリノベーション(リフォーム)などファミリー工房では、ワンストップサービスでコストを抑えて施工しておりますので、マイホームの修理やリノベーション(リフォーム)のことなど、無料相談を行っていますので、どうぞファミリー工房までお気軽にお問い合わせください。
- 監修者
- 大久保 洋司
Director
【保有資格】
一級建築士
監理技術者
マンションリフォームアドバイザー
既存住宅状況調査技術者
既存住宅アドバイザー
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