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住宅ローンはリノベーションにも使える?ローンの種類や金利についても解説

ローンを組んでいる夫婦

住まいのリノベーションや建て替えには、数百万円から数千万円といった費用がかかるもの。自己資金だけで予算を組み、理想の住まいを実現できれば素晴らしいですが、現実的ではないケースも多いでしょう。マイホームのリノベーションや建て替えは、人生で何度も行うものではありません。ならば、資金計画をしっかり立て、最高だと思える理想の住まいを実現したいですよね。

自己資金で高額な費用をまかなえない場合には、「住宅ローン」を利用する手があります。要件を満たすリノベーションには、減税や補助金が適用されるケースも。資金面の不安を解消しつつ、理想の住まいを無理なく手に入れるために、住宅ローンの種類や金利、知っておくと得する優遇制度についてご説明します。

金利の種類はこの3つ~住宅ローンの基礎知識~

あらゆるローンには金利が付いていますが、もちろん住宅ローンにも金利が付いています。まずは住宅ローンそのものについてご説明する前に、住宅ローンの金利に関して解説します。

金利タイプ、それぞれのメリットとデメリット

住宅ローンの金利には、変動型、全期間固定型、固定期間選択型の3つのタイプがあります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、違いを確認したうえで自身に合った金利タイプを選びましょう。金利タイプを知っておくことで今後、実際に住宅ローンの借り入れをする際に担当者の方と納得できるまで話すことができます。

ローンの期間や金額に応じて、選ぶべき金利タイプは異なります。住宅ローンを組む際は担当者と綿密な打ち合わせを行い、最善の選択をしましょう。

変動型

変動型はその名の通り、返済期間中に定期的に金利が見直されるタイプの住宅ローンです。市場の動向に合わせて原則「年2回金利の見直し」があります。
ただし急激な金利上昇などで家計への負担が増えることを避けるため、「月々の返済額は5年変わらない」のが一般的です。
また、5年ごとの返済額見直しの際に金利が上昇していて返済額が増加する場合でも、「それまでの返済額の1.25倍まで」という上限を設定している商品もあります。

メリット

市場金利が低い今の時代は、恩恵を受けやすい

デメリット

金利が上昇すれば、一緒に住宅ローンの金利も上昇するリスクがある

全期間固定型

固定金利型は、住宅ローンの返済開始から完済までの期間、借入金利が変動しないタイプの住宅ローンです。変動型と違って借入金利が変わらないので、返済額の変動もなく、毎月の支出管理がしやすいと言えます。
しかし、変動型や次にご紹介する固定期間選択型と違い、金利が高く設定されているケースが多いのがデメリットです。

メリット

返済額が一定のため家計の支出の見通しが立てやすい

デメリット

変動型や固定期間選択型に比べて金利が高いケースが多い/市場が低金利の場合でも恩恵が受けられない

固定期間選択型

固定期間選択型は、3年、5年、10年など一定期間の固定金利の後で、再度「固定」か「変動」かを選ぶことができる住宅ローンです。選択できる期間は金融機関によって異なります。

メリット

最初の固定期間中の金利が優遇されている場合がある

デメリット

変動型のように直前期間に対して1.25倍までといった上限がないため、金利が大きく上がるリスクもある

住宅ローン2つの種類と返済方法をチェック

二つのプラン

住宅ローンは、自宅の購入や新築、改築などの目的のために、自宅や土地を担保として金融機関から借り入れるローンのことです。
こちらでは、住宅ローンの2つの借入先や返済方法について詳しく見ていきましょう。住宅ローンにもさまざまな商品があり、特徴も異なります。

住宅ローンの2つの種類とは?

住宅ローンは自宅や土地に抵当権を設定するため借り入れ期間が長く、金利が低いのが特徴です。「公的ローン」と「民間ローン」の2種類があります。

公的ローン

独立行政法人や自治体などの公的機関が行う融資のことを「公的融資」と呼びます。住宅金融支援機構の「フラット35」がメジャーですが、他にも会社員が利用できるローンなどがあります。

財形持家転貸融資、財形住宅融資

財形貯蓄を1年以上継続し、残高が50万円以上あるなどの条件を満たすことで利用可能です。
財形貯蓄は企業の福利厚生の一種で、給与から毎月天引きした一定金額を会社が貯蓄する制度となります。
リノベーションに備えるため、勤務先の企業がこの制度を採用しているか確認してみましょう。

自治体融資

こちらは地方自治体が行う融資ですが、日本全国、すべての自治体がこのタイプの融資を扱っているわけではありません。
自治体ごとに収入や年齢など、融資を受けるための条件が異なる場合もありますので、お住まいの自治体のWebサイトなどで自治体融資の条件について確認してみてください。

民間ローン

銀行や各種金融機関といった民間で行う融資が、「民間ローン」です。

提携住宅ローン

民間ローンの中で、ハウスメーカーや不動産会社が金融機関とともに提供している住宅ローンを「提携住宅ローン」と呼びます。
各金融機関が提携している企業の物件を購入する際、金利優遇などのメリットがあります。

提携住宅ローンを取り扱っていないハウスメーカーや不動産業者もあります。
また、融資条件をさらに細かく調べ、自分に最適なローンを探したい場合は、複数の住宅ローンを比較検討して自身で金融機関に相談することも可能です。

ローンの返済方法も2種類ある

住宅ローンの返済方法には、「元利均等方式」と「元金均等方式」があります。それぞれ特徴とメリット・デメリットが違うので、比較しながら覚えておきましょう。

元利均等方式

月々の返済額が一定になる返済方法です。元金返済額と利息の合計額が毎回同じになるので、家計管理がしやすいのがメリット。
また、大きな特徴として、返済開始初めは利息の返済割合が大きくなり、返済が進んでいくと利息の割合も減っていきます。「元金均等方式」よりも、同じ額を借りた場合の返済総額は増えます。

メリット

返済額が毎月固定のため、支出を可視化できる

デメリット

もう一方の返済方式よりも返済総額は増える

元金均等方式

利息が借り入れ残高などによって変動する返済方法です。返済額のうち、元金が一定となります。
つまり初回の返済額が最大で、その後返済が進んでいくと返済額が減っていきます。元利均等返済方式よりも借り入れ可能額は少なくなりますが、仮に同じ額を借り入れた場合は返済総額が少なくなります。

メリット

同じ額を借りた場合、元利均等方式より総返済額が少なくなる

デメリット

返済開始のタイミングで家計を圧迫する場合がある/こちらの返済方法に対応していない金融機関がある

現在のご自身の年齢や今後の収入、ライフプランなどを慎重に照らし合わせ、金利方式と返済方法を決めるのがよいでしょう。毎月の住宅ローンの返済が家計を苦しめることは避けなければなりません。
10年、20年、30年と返済の心配を極力なくし、不安のない暮らしを実現するために、住宅ローンの借り入れや返済に関しては専門家と納得いくまで話し合いをしましょう。

住宅ローンはリフォームやリノベーションでも使える?

電卓

住宅ローンは一部のリフォームやリノベーションで使うことができますが、使えないケースもあります。そういった際に選択肢となるのが、「リフォームローン」です。リフォームローンと住宅ローンは別の商品なので、特徴も異なります。

リノベーションで使えるもう一つのローン

リフォームローンは、リフォーム専用のローンです。今の自宅をリノベーションする際はもちろん、新しく中古住宅を購入してリノベーションしたい場合も利用できます。
リフォームローンには大きく、2つのタイプがあります。

有担保型ローン

有担保型ローンは、物件購入と同時にリノベーションをする際に、リノベーション費用もまとめて住宅ローンとして借り入れられる方法です。
例えば、2,500万円の物件に1,000万円のリノベーション費用がかかると仮定した場合、トータル3,500万円の住宅ローンを組みます。融資限度額は担保になる不動産の価値によっても変わります。

住宅ローンの借り換えを利用すれば、物件購入と同時でない場合でも住宅ローンをリノベーションに活用することが可能です。
現在所有している物件のローンが4,000万円残っているとして、1,000万円のリノベーションをするとき、別の金融機関で新しく5,000万円の住宅ローンを組んで借り換えを行い、リノベーション費用に充てることができます。
この場合、繰り上げ返済手数料、抵当権抹消費用といった費用がかかってくるため、購入時にローンを組むのが無難です。

無担保型ローン

購入と同時にリノベーションを行わない場合、もしくはすでに所有している住居をリノベーションする場合は、住宅ローンを使ってリノベーション費用を借り入れることができません。
そこで選択肢となるのが無担保型ローンです。
リフォームローンの多くは無担保型となっており、自宅に抵当権をつけて借り入れを行う住宅ローンと比べると金利が高めに設定されています。借り入れ限度額は最大でも1,000万円程度となっており、大掛かりなリノベーションには向かないでしょう。

リノベーションでローンを活用する場合は、不動産購入と同時にリノベーションすることで有担保型ローンが使えるため、有利になるケースが多いでしょう。
逆に、簡易的・小規模なリフォームであれば無担保型ローンを活用するほうが審査は早く、抵当権を設定する必要もありません。

それぞれのメリット・デメリットまとめ

有担保型ローンと無担保型ローン、どちらを選ぶべきなのかは、条件や目的によってさまざまです。
以下では、それぞれのメリット・デメリットをまとめました。これらの情報を比較し、ローン組みの参考にしてみてください。

有担保型ローン(住宅ローン)のメリット

・借入限度額が大きい(最大1億円程度)

・返済期間が長い(最長35年)

・金利が低い(固定型→年1~1.5%、変動型→年1%以下)

※金利は2021年5月現在

有担保型ローン(住宅ローン)のデメリット

・審査が厳しい(長い審査期間と厳しい条件)

無担保型ローンのメリット

・比較的審査が通りやすい(1週間程度)

・無担保型でも融資を受けられる場合が多い

無担保型ローンのデメリット

・借入限度額が小さい(最大でも1,000万円程度)

・返済期間が短め(最長で15年)

・金利が高い(平均年2~5%)

※金利は2021年5月現在

知らないと損!?税制や補助金の優遇制度とは?

補助金申請

リノベーションは一定の条件を満たしたうえで手続きをするだけで所得税や固定資産税の減税を受けられたり、補助金がもらえたりするケースがあります。

なお、税制優遇制度や補助金制度は変更になる可能性もあります。最新情報は、国土交通省や現在お住まいの自治体Webサイトなどでご確認ください。

住宅ローン減税

返済期間10年以上の住宅ローンやリフォームローンを利用し、一定の条件を満たす場合には、住宅ローン控除(減税)の適用を受けることができます。

年末時点のローン残高×0.7%×10年間
(省エネ基準を満たす住宅は最大210万円、その他の住宅は最大140万円)

その他のさまざまな減税制度

・耐震リフォーム減税

・バリアフリーリフォーム減税

・省エネリフォーム減税

・三世帯同居対応リフォーム減税

・長期優良住宅化リフォーム減税

このように、多くの減税制度があります。リフォームやリノベーションを検討している場合は、有効活用していきましょう。

リノベーションで最大300万円の補助金

一定条件を満たすリノベーションの場合、減税だけでなく補助金を支給してもらうことも可能です。
最大300万円もの補助を受けられるケースもあるので、契約や着工前に申請できるか、担当者に相談してみましょう。

その他のさまざまな補助金制度

・長期優良住宅化リフォーム推進事業(最大210万円)

・既存住宅における断熱リフォーム支援事業(最大120万円)

このように、国や自治体がさまざまな補助金を用意してくれています。お住まいの自治体の情報を確認し、リノベーションの際に機会があればできる限り活用していきましょう。

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まとめ

大規模なリノベーションは人生で何度も行うものではありません。数百万円から数千万円という莫大な費用もかかるので、金銭的な不安も付きまとうでしょう。ですが、リノベーションの先には快適で幸せな暮らしが待っています。よりよい暮らし、よりよい住まいを実現し、次の世代に資産価値を引き継ぐ。リノベーションならそれが可能です。

リノベーションを考えるにあたっては、未来への投資としてしっかりと無理のないローンを組むことが重要です。補助金や税制優遇制度をできるだけ活用し、工事と予算のバランスに合わせて最適なローンを検討しましょう。

ファミリー工房では、リノベーションの経験豊富なスタッフがご相談から完成までワンストップで対応しています。ローンに関するお問い合わせも大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。

監修者
大久保 洋司
株式会社ファミリーDesign

Director

約30年と経験豊富な建築士です。
細かいことから大きなことまで、お客様の視点に立った提案をします。
気軽にご相談ください。よろしくお願いします。

【保有資格】
一級建築士
監理技術者
マンションリフォームアドバイザー
既存住宅状況調査技術者
既存住宅アドバイザー

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