キッチンリフォームを成功させるポイントとは?相場や価格帯別に事例を紹介
老朽化が目立ってきたり、家族構成に変化があったりしたタイミングで、キッチンのリフォームを考える家庭も多いでしょう。
キッチンのリフォームを考えるに際して、もっとも気になるのがキッチンリフォームの費用ではないでしょうか?
どんなデザインにするか、どんな素材がいいかを考え、レイアウトを選ぶときはワクワクする反面、「どれくらいお金がかかるのか」と費用面が心配でソワソワすることもあるでしょう。
この記事では、キッチンリフォームに関わる価格帯別の事例や、工事費用を抑えるコツ、工期について解説します。
目次
初めに知っておきたい、キッチンの選択肢
毎日使用し、お世話になるキッチン。どれだけきれいに手入れして使っていても、経年劣化は避けられません。
キッチンの耐用年数は10年から20年程度と言われており、使い方や使用頻度によって変わってきますが、一つの目安として「10年」を過ぎたあたりから老朽化、不具合が生じてくると考えておきましょう。
古くなり、使いにくいと感じるようになったら、キッチンリフォームを検討するタイミングです。
キッチンの種類とリフォーム費用の目安
現在はさまざまなタイプのキッチンがあり、それぞれ相場も異なります。
リフォームの際は予算との相談が必要です。
また、今の住まいに希望のタイプのキッチンをリフォームで導入することが可能か、リフォーム会社に確認してみましょう。
I型キッチン(リフォーム費用目安 50~150万円)
I字型キッチンとは、「シンク・コンロ・調理台」が横一直線に並んでおり、料理をする際に平行移動だけで済むキッチンです。
場所を取らない形状なため、都会の狭小住宅や一人暮らし用の住宅に採用されることも多い、シンプルでコンパクトなキッチンと言えます。
I型キッチンのリフォーム費用の目安は、50万円から150万円程度です。
キッチンの位置を変更するかどうかも、費用を左右するポイントになるでしょう。
壁付けキッチンから対面式やアイランド型へのリフォームとなると、費用は100万円を上回る可能性もあります。
また、デザインや機能面のこだわりを突き詰めれば200万円、300万円と費用は上がっていくので、予算と相談しながらリフォームプランを練りましょう。
L型キッチン(リフォーム費用目安 55~200万円)
L字型キッチンはコンロ・調理スペース・シンクをL字型に配置したタイプです。
調理スペースが広く、どこで作業をしていても手が届く範囲にコンロやシンクがあるので、作業効率も高まります。
L字のコーナー部分はデッドスペースになりやすいですが、このスペースをうまく活用することで充実したキッチンライフが実現するでしょう。
L型キッチンのリフォーム費用の目安は55~200万円程度となっています。
一般的なI型キッチンに比べると相場はやや高いと言えるかもしれません。
しかし、I型キッチンでもレイアウトの劇的な変更をしたり、設備のグレードを上げていったりすればL型以上の費用がかかるケースもあります。
住まいの間取りやキッチンの使いやすさを考え、ベストなキッチンレイアウトを選びましょう。
アイランド型キッチン(リフォーム費用目安 150~200万円)
「アイランド」という言葉の通り、コンロや調理スペース、シンクが完全に独立してどの面も壁に接していないタイプのキッチンです。
開放感があり、複数人でも調理が可能。リビングやダイニングとのつながりが感じられるので、ホームパーティーなどにもおすすめです。
おしゃれさと機能性を両立したキッチンと言えるでしょう。
I型キッチンをはじめ、壁付け型のキッチンをアイランドキッチンへ変更する場合は150万円から200万円ほどの費用がかかります。
収納スペースの拡張、グレードの高いキッチン本体や周辺機器を選択するとさらに高額なリフォーム費用がかかる可能性もあります。
ただし、現状を活かしながら相場より安く施工できるケースもあるので、リフォーム会社と相談してみてください。
ペニンシュラ型キッチン(リフォーム費用目安 60~200万円)
ペニンシュラは英語で「半島」という意味の言葉です。
キッチンが完全に独立しているアイランド型と違い、どちらかの端が壁に接しているタイプの対面キッチンをこう呼びます。
アイランドキッチンのようなデザイン性の高さもありながら、コンロを壁側の見えない部分に設置することでキッチンから外に調理時のニオイを広がりにくくすることもできます。
調理や片付けをしながらリビングやダイニングの様子を見渡せるので、コミュニケーションを図りやすいのが特長です。
I型、L型などの壁付きキッチンをペニンシュラ型キッチンへリフォームする場合は、60万円から200万円程度が相場となります。
他のタイプと同様に、キッチンのグレードや工事の規模によって費用は変わります。
デザイン性が高く、比較的手頃な価格で調理しやすいキッチンが手に入るのは、ペニンシュラキッチンの魅力と言えるでしょう。
キッチンリフォーム費用の相場はどれくらい?
種類別のキッチンリフォーム費用は、前の章でご紹介した通りです。
キッチンのタイプやグレード、リフォームの範囲などによって大きく異なりますが、大まかな目安としては50万円から150万円程度が一般的な相場と考えてよいでしょう。
以下では、さらに詳しくキッチンリフォームにかかる費用や作業別費用の内訳をご紹介します。
原状回復またはキッチンの新調のみのケース
原状回復や単純に同じタイプの新しいキッチンに交換する場合の費用感は、各キッチンタイプで異なりますが、以下のようになります。
<費用相場>
I型 | L型 | アイランド型 | ペニンシュラ型 |
58~70万円 | 66~79万円 | 73~85万円 | 64~77万円 |
※シンプルグレードの一般的なキッチンへの原状回復・交換の場合
キッチンだけでなく、キッチンまわりの設備変更やアップグレードにはまた別途費用が必要になります。
オプション | 費用 |
食洗機 | 8~10万円 |
蛇口一体型浄水器 | 1~2万円 |
IHクッキングヒーター | 15~20万円 |
壁や床の張り替え、キッチンタイプの変更や場所移動を行うケース
・キッチンタイプ変更
・キッチンの場所移動
・グレードの変更
・オプションの種類
・壁や床の張り替え
これらの作業をキッチンリフォームと合わせて行う場合には、別途費用がかかります。内訳の一例をご紹介します。
<シンプルグレード>
リフォーム内容 | 単体費用 | 合計費用 |
キッチン本体と施工費 | 60~90万円 | 60~90万円 |
+食洗機、IHヒーター | 25~30万円 | 85~120万円 |
+キッチンの移動 | 20~30万円 | 105~150万円 |
+壁や床の張り替え | 30~40万円 | 135~190万円 |
<ハイグレード>
リフォーム内容 | 単体費用 | 合計費用 |
キッチン本体と施工費 | 80~220万円 | 80~220万円 |
+食洗機、IHヒーター | 25~30万円 | 105~250万円 |
+キッチンの移動 | 20~30万円 | 125~280万円 |
+壁や床の張り替え | 30~40万円 | 155~330万円 |
「シンプルグレード」や「ハイグレード」といった同じグレードの中でもキッチン本体や施工費が異なる理由は、I型、L型、アイランド型などのキッチン形状の違い、使う素材の違い、細かな仕様の違いによるものです。
ハイグレードになればなるほど選べる素材や高級な素材が増えるため、費用差が大きくなる傾向にあります。
キッチンリフォームの費用を抑えるコツ
キッチンリフォームの検討中に気になる、「どれくらいの費用がかかるのか?」。
ここまではあくまで相場感を理解するための事例としてご紹介しましたが、以下ではリフォーム費用を予算内に抑えるコツをお伝えします。
アウトレット品を選ぶ
ショールームの展示品や旧型モデルの新品を使ってリフォームすることでも、費用を抑えられます。
キッチン本体の費用が抑えられれば、工事全体の費用も下がります。
注意点としては、アウトレット品の場合、サイズ変更や色の変更ができないケースやメーカー保証期間が短いケースがあること。
キッチンのグレードを一つ下げるだけでも費用を抑えることができるので、予算と相談のうえで最適なキッチンを選びましょう。
リフォーム前と同タイプのキッチンを選ぶ
I型、L型など既存のキッチンタイプから、別タイプへ変更をすると、配管の場所を変更するなど大掛かりな工事が必要になるので費用がかさみます。
しかし、同じキッチンタイプを選べばその工事の一部をカットできるため、費用を抑えることが可能です。
キッチンの場所は移動しない
キッチンの位置を変えるリフォームは、総じて費用が高くなります。
こちらも理由は、配管の移動や間取りの変更など、工事が大掛かりになるため。
工事日数もかかり、その分職人の人件費も増えます。
キッチンの場所移動をしなければ工期も短く、費用も少なく抑えることが可能です。
リフォーム部分を限定する
キッチンをフルリフォームするとなると、費用の高騰は避けられません。
例えば「シンクやコンロ部分は刷新するけれど、収納に関してはリフォームせずそのまま使用する」など、リフォームを部分的にとどめれば費用を抑えられます。
もっとも気になっている部分をリフォームするだけでもキッチンの使い勝手は大きく向上するので、費用を抑えたいときには有効な選択肢です。
補助金や減税制度を活用する
キッチンに限らず、リフォームを行うことで得られる補助金や受けられる減税制度は数多くあります。
条件さえ満たせば、所得税が安くなったり、数十万円から100万円以上の規模の補助金が受け取れたりする制度も。
詳しい内容は各自治体の公式サイトを見たり、リフォーム会社の担当者に聞いたりして確認しましょう。
キッチンリフォームにかかる期間の目安とは
キッチンをリフォームすると、工事の期間はキッチンが使えなくなるため、日常生活にも影響が生じます。リフォームにかかる期間の目安を前もって知っておくと安心です。
キッチンリフォームの流れと工期の目安
キッチンリフォームでは、工事内容によって工期が変わります。
工事会社を選択する際、複数のリフォーム会社にコンタクトを取って見積もりを比較検討する場合は、連絡する会社が多いほどリフォーム完了までの期間も長くなるでしょう。
基本的なキッチンリフォームの流れ
代表的なリフォームパターンにおける想定工期
実際にリフォームを開始し、工事が完了するまでの期間は施工内容によって変わります。代表的な3つのパターンに関して、それぞれの工期の目安をご紹介します。
・パターン1:原状回復や単純なキッチンの交換にとどまる
・パターン2:キッチン本体だけでなく床や壁の張り替えも行う
・パターン3:キッチンの移動をともなう工事がある
パターン1:原状回復や単純なキッチンの交換にとどまる場合
キッチンの場所を変えることなく原状回復にとどまる場合、また単純に新しいキッチンに交換するだけの場合は、既存キッチンの解体と新しいキッチンの設置にそれぞれ1日程度かかります。
最短で2日あれば工事は終わりますが、キッチンの交換と同時に電気・水道の工事を行う場合、さらに既存キッチンには備わっていないオプションを取り付ける場合は、最長で1週間程度の工期となります。
パターン2:キッチン本体だけでなく床や壁の張り替えも行う場合
キッチンだけでなく、周辺の壁や床まで張り替えリフォームを行う場合は、キッチンの解体・取り付け以外の作業が発生するので、最短でも5日程度は必要です。
また、キッチンスペースの拡張や作業効率をアップさせるために間仕切りの取り外しを行う場合は、10日程度を目安に考えておきましょう。
パターン3:キッチンの移動をともなう工事がある場合
I型、L型キッチンからアイランド型のキッチンにする、または対面型のキッチンにするなど、キッチンの場所移動をともなう大掛かりなリフォームは、長期間の工事となります。
キッチンの位置を変更する関係で部屋の壁を取り払う必要が出てきた場合は、長くて1ヶ月ほどの工期になる場合もあります。
ファミリー工房のキッチンリフォーム事例
ファミリー工房のキッチンリフォーム施工事例をご紹介します。
対面キッチンへリフォーム
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LIXILリシェルSi キッチン・カップボードリフォーム
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クリナップ ラクエラ キッチンリフォーム
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その他、施工事例を多数紹介しています。
>>キッチンリフォームの施工事例
まとめ
毎日使うからこそ、こだわりたいキッチンリフォーム。
10年、20年と使い続ける中で老朽化したキッチンをリフォームすることで、気持ちよく家事をすることができるでしょう。
キッチンにはさまざまな種類があります。
多様な種類のキッチンからどのタイプを選ぶのか。
思い切ってキッチンの場所を変えるのか変えないのか。
オプション設備はどうするのか。
これらによってキッチンリフォームの費用や工期は大きく異なるので、じっくり検討してみてください。
失敗しないキッチンリフォームの第一歩は、信頼できるリフォーム会社に相談することです。
担当者と一緒に、希望と予算の中から実現可能なプランを固めていきましょう。
ファミリー工房では、キッチンリフォームの施工実績も数多くあります。プランニングから施工、アフターサポートまで一つの窓口で行いますので、お気軽にご相談ください。
- 監修者
- 大久保 洋司
Director
【保有資格】
一級建築士
監理技術者
マンションリフォームアドバイザー
既存住宅状況調査技術者
既存住宅アドバイザー
〒120-0001 東京都足立区大谷田 4-1-20 1F
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約30年と経験豊富な建築士です。
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