和室リフォームで居住空間をワンランクアップ! 和室のメリットを活かす和室リフォームのポイント
住居に和室があっても、「上手く使いこなせていない」「メンテナンスが大変」「リフォームしたいが理想のイメージが沸かない」と悩まれている方は多いかもしれません。
そのような場合は、まずは和室をどのように使いたいのかについて考えてみると良いかもしれません。
この記事では、和室特有のメリット・デメリット、そしてデメリットを解消するポイントについて詳しくご紹介いたします。
ご自身が和室に求める用途を重視し、和室の良さを活かした和室リフォームを追求することで、居住空間をワンランクアップさせましょう。
目次
和室は必要? 和室ならではのメリットとは
和室に心地よさを感じる理由
洋室が主流となる現代においても、根強い人気のある和室。
和室のある空間は、どこか幼少期の懐かしさと暖かみを感じ、心が和むという人も多いのではないでしょうか。
自宅に和室があることで気軽に横になることができ、畳に触れた時の感触や香りによって心身ともにリラックスすることができます。
フローリングの場合では、クッションやソファーが無いと座っていられませんが、畳敷きになっている和室は身体への優しさを感じます。
フローリングのように歩くことも、ソファーのように座ることも、ベッドのように布団を敷いて寝ることもでき、多機能的に活用することができる点も大きなメリットだと言えるでしょう。
和室のある空間は、「くつろぎの間」であり、「心地よい作業の場」でもあります。
子どものころから、椅子ではなく座って作業をすることに慣れている日本人にとって、本能的に求められる特別な存在なのかもしれません。
和室の心地よさの秘密
和室の代名詞とも言える「畳」は、日本で生まれた文化です。
畳の起源は、古事記に登場する「ござ」のような厚みのないものからはじまり、奈良時代になると厚みをもたせてベッドのように使用されるようになりました。
現在のように部屋に敷き詰めて使われるようになったのは、室町時代の書院造の登場からです。当時はまだ、使用されていたのは上流階級の家に限られ、高価で特別な存在でした。
その後、江戸時代になってから庶民の間でも使われるようになっていきました。
古来に始まり、時代を経て形を徐々に変えて日本で発展してきた畳。
高い湿度を伴う四季の変化が激しい日本において、夏は涼しく、冬は暖かく感じることができるよう、日本で快適に暮らす知恵がたくさん詰まっているのです。
畳の構造と「い草」の効果
畳の構造と防音効果
畳は、「い草」で作られた「畳表(たたみおもて)」と呼ばれる畳の表面と、わらを重ねたたものや建材から成る「畳床(たたみどこ)」、そして畳の縁を帯状で縫い付ける「畳縁(たたみべり)」の3つで構成されています。
畳床には適度なクッション性があるため、フローリングに比べて防音効果があり、また転んだ時に怪我をしにくいのもメリットです。
なお、最近では畳縁の無いシンプルな「ふち無し畳」の人気が高まってきています。
い草の特徴とリラックス効果
畳表は、「い草」と呼ばれる多年草の植物の茎を原料に使用していますが、「い草」の自然由来のさわやかな香りは畳ならではの特徴だと言えるでしょう。
「い草」の香りには、リラックス効果や鎮静作用があり、和室でゴロンと横になると安らぎを感じるのは、この「い草」の香りによる効果が高いと言われています。
また、「い草」の構造は、硬い表皮の中は弾力性の高いスポンジ状になっているのも特徴的です。畳のクッション性は、この「い草」自体が持つ弾力性を活かしたものとなっており、天然由来の弾力によって居心地の良さを感じることができます。
畳には調湿効果も!
畳には、湿度が高いジメジメした時には湿気を吸収し、空気が乾燥した時には湿度を放出してくれるという、高い調湿効果を持ち合わせています。
和室では、畳のほかにも和紙や木材、漆喰など使用されている多くの素材は自然素材であることから、和室全体が湿度が調整された快適な空気を保ちやすい空間だと言えるでしょう。
障子ならではの採光
畳と並び和室に欠かせない存在の「障子」は、和室と窓との間に設置することで、屋外の強い日差しをほどよく抑え、やわらかな光として室内に取り込んでくれます。
障子は、足元までの大きな「履き出し窓」のほか、腰の高さまでの「腰窓」、床面近くの低い位置にある「地窓」など、さまざまな窓に障子を設置することができ、障子を設置する窓の位置や大きさや位置によっても、和室のイメージが大きく変わります。
また、障子の和紙を貼る木の格子組の組み方にも多くの種類があり、その格子組のデザインによっても部屋の雰囲気がガラリと異なるのも面白いところです。
和室のメリットを活かした用途とは?
次に、和室のある住居の場合、どのような用途で和室を使用することが多いのかについて、考えていきましょう。
多用途で活用できる和室ですが、和室のメリットを充分に活かせる主なシーンは以下の5つです。
・くつろぎのスペース
疲れた身体を休めるために、横になれるスペース。
和室なら帰宅後に着替えなくてもすぐにゴロンと横になれます。
ソファーと異なり、畳なら背筋も手足も不自由なく伸ばすことができるので、身体がすっきりしそうです。
・家族団らんのスペース
休みの日などに家族でのんびり団らんをするスペース。
誰からともなく畳スペースに集まり、自然とトランプやボードゲームで盛り上がりそうです。
・乳幼児の遊び場
畳のある和室は転んだ時の衝撃を和らげてくれる安全な場所。
ズリバイ、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩きと、子どもの成長していく過程に安全・安心を与えてくれます。
・寝室
ベッドではなく和室で布団を敷く方が熟睡できる、という人は少なくありません。
子どもと一緒に寝るというご家庭なら、安全面からも和室が安心でしょう。
・客間・仏間
和室は、音の反響も少なく四季を通して居心地の良い場所。
洋風の住居でも、客間や仏間のために和室が1室あることで、日常生活から一線を隔した静寂なスペースを確保することができます。
客間として和室があることで、おもてなしの心も相手に伝わりやすいでしょう。
和室のデメリット
和室には、メリットばかりではなくデメリットもあります。
「和室は使いづらい」「和室は不要だ」と感じる理由について、見ていきましょう。
和室が使いづらいと感じる理由
・畳の上に家具を置きにくい
クッション性のある畳の上に重い家具を乗せると不安定になりやすいだけでなく、畳を傷める原因にもなります。
・畳の汚れがとれにくい
畳の上に飲み物をこぼしてしまった際に、拭き掃除が困難だというデメリットもあります。
・高齢になった時に不便
高齢になり足腰が弱ってくると、立ったり座ったりするのが椅子やソファーの方が楽だと感じるようになります。
・押し入れが使いづらい
洋服などを収納する場合、押し入れはクローゼットとは使い勝手が異なり使いづらいと感じる人もいます。
和室が不要だと感じる理由
・畳の維持に費用がかかる
畳は使い方にもよりますが、寿命が6〜10年とされています。
畳を綺麗な状態で保つには、定期的なメンテナンスが必要となり費用がかかります。
・畳のお手入れが大変
こぼした飲み物をそのままにしていたり湿気が籠りやすい環境の場合、畳にカビやダニが発生しやすくなります。畳を清潔に保つためには、こまめな換気やお手入れも必要となります。
和室リフォームのポイント①「使いづらい和室」を「使い勝手のいい和室」へ
デメリットがあるものの、やはり和室のある住居は魅力的です。
ここからは、和室のメリットを活かし、デメリットをできるだけ押さえられる和室リフォームについてご紹介したいと思います。
普段のくつろぎ空間としての活用
普段の生活のなかのくつろぎ空間としての活用や、家族団らんの場、そして子どもの遊び場として有効に活用するなら、リビングと一体化した和室にするのがおすすめです。
リビングと壁による隔たりを感じない和室なら、目が届く安心感があり、また、リビングと一体化することで広々とした開放感もうまれます。
リビングとの間に、障子や引戸、ロールスクリーンなどで間仕切りができるようにしておけば、客間や寝室としても使用することができます。
リビングとは独立させた静かな空間としての活用
寝室や客間、仏間としての用途がメインとなる場合は、リビングから独立させた和室として静けさや落ち着きを求めた和室リフォームがおすすめです。
外からの光や風を程よく取り入れ、充分な収納も確保するようにしましょう。
和室リフォームのポイント②機能性を追求する
和室のデメリットを軽減するためには、和室リフォームにおいて機能性や耐久性を追求することと、家具の配置を意識するのがポイントとなります。
機能性・耐久性の高い畳
和室のデメリットである畳のメンテナンスを軽減させるためには、機能性・耐久性の高い畳を選ぶのがおすすめです。
最近では、い草だけでなく機能性の高い和紙や樹脂などでつくられた畳もあります。
汚れや変色、水濡れやカビやダニに強く耐久性が高いので、和室のネックとなるメンテナンス費用を押さえることができます。
畳の素材と機能性について把握しておきましょう。
<畳の素材と機能性比較>
畳の素材 | 手触り | 香り | 吸湿性 | 耐久性 | 撥水性 |
い草 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ |
和紙 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
樹脂 | △ | △ | △ | ◎ | ◎ |
和室のデメリットを解消するポイント
・周囲をフローリングに
和室全体に畳を敷くのではなく、家具を配置する場所はあらかじめフローリングにしておくことで、重い家具の配置による畳の損傷を防ぐことができるようになります。
家具が置きにくいといった和室のデメリットを解消するとともに、掃除もしやすくなるでしょう。
・収納をフローティングに
押し入れなどの収納をフローティングにして床から浮かすことで、布団などの出し入れがしやすくなり、収納性を高めることができます。
また、フローリングには、閉鎖的になりがちな狭い和室も広く感じられる点もメリットです。
・日が当たる場所はフローリングに
窓付近など日が当たりやすい場所は、どうしても畳が傷みやすいものです。
畳は、実際に人が座ったり横になってくつろぐ部分だけあれば充分だと考え、日が当たる部分は畳敷きではなくフローリングにしておくことで、畳の傷みによるメンテナンスによる負担を軽減させるようにしましょう。
和室リフォームのポイント③地味な空間から「美」と「静」を意識した空間へ
畳の色や形、障子やふすま、壁紙を工夫することで、他の部屋とも調和が取りやすくなります。
モダンな畳を採用する
採用する畳を少し工夫することで、昔ながらの和室をおしゃれでモダンな印象に変えることができます。
近年では、カラー畳や縁なし畳の人気が高まっており、種類も豊富になってきております。なかでも和紙畳はバラエティー豊かなデザインから選ぶことができます。
特に、洋室リビングと一体化した和室のリフォームなら、モダンでスッキリとした印象の畳を選ぶことで、リビングと一体感が生まれ、おしゃれな和室となるでしょう。
壁やふすまに拘る
壁やふすまの質感や柄に拘ることでも、ワンランク上の美を追求した和室リフォームを実現することができます。
和室の壁は、塗り壁やエコカラットなどの自然の素材感が豊かな壁質がよく似合います。
質感をうまくデザインに活かすことで、こだわりの和室となるでしょう。
配色を意識する
和室を構成する畳、壁、ふすま、柱の配色を意識することで、雰囲気が大きく変わります。
和室リフォームの際は、是非、和室全体の配色に拘りたいものです。
反対色を取り入れてモダンな雰囲気にしたり、同系色に揃えて落ち着いた雰囲気にするなど、お好みの雰囲気になるように、配色を意識してみましょう。
また、リビングと一体化した和室なら、リビングの壁紙やフローリングなどとのバランスも意識することで、おしゃれ感をアップさせることができます。
まとめ
和室リフォームのポイントは、「用途に合わせて」「より居心地のよい」「より使いやすい」和室にすることが重要です。
和室に求めることについて、今一度ご自身で把握されると、和室リフォームの方向性が見えてくるかもしれません。
また、和室のデメリットと感じられる点をできるだけ解消するようにすることも忘れないようにし、和室ならではの素材を取り入れることで、居心地のよいおしゃれな和室にリフォームすることができるでしょう。
ファミリー工房では、お客様が和室に求める要素を大切にし、和室に取り入れる素材選びからご提案させていただいております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
- 監修者
- 吉澤 理都
Chief
【保有資格】
・一級建築士
・監理技術者
・既存住宅状況調査技術者
〒120-0001 東京都足立区大谷田 4-1-20 1F
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