ZEHの条件とは?
ZEH(net Zero Energy House)では、断熱性能の向上や太陽光発電システムの導入によって、消費電力よりも自家発電するエネルギー量を増やすことで、年間のエネルギー消費量を実質ゼロ以下にする住宅です。
ZEHの条件について確認しておきましょう。
目次
ZEHの3つの条件
ZEH住宅では、断熱性能、省エネ性能、創エネの3つの基準を満たす必要があります。
具体的には、次のようなものになります。
断熱性能 | 外壁、窓、屋根の素材に断熱性の高いものを採用し、室内の温度変化を軽減することで、冷暖房費を削減します。 |
省エネ性能 | 冷暖房、換気設備、照明、給湯設備の設備において省エネ効果の高いものを導入することで、室内環境の高さと省エネを実現させます。一次エネルギーの消費量の削減量は、従来と比較して20%以上の削減が基準です。 |
創エネ | 太陽光発電などの創エネシステムを導入し、発電によって生み出したエネルギーを貯めて、使いたい時に消費することで、年間のエネルギー消費量を実質ゼロを実現します。 |
この3つの条件において、住宅のエネルギー消費量を実質ゼロ以下にするという点を方程式にまとめると、以下のようになります。
〔創エネによるエネルギー生産量〕ー〔断熱性UP+省エネUPで減らしたエネルギー消費量〕 ≦ 0 |
ZEHにおける創エネとは?
ZEHによって「年間エネルギー消費量を実質ゼロ以下」を実現するために必要不可欠なのが、創エネです。
たとえ、断熱性能を大幅に向上させ、省エネ設備を導入することで、大幅に消費エネルギーの量を減らしたとしても、現代の生活において消費エネルギー量を完全にゼロにすることは困難だからです。
つまりZEHの実現には、住宅単位での創エネが重要となります。
創エネとは、太陽光パネルなどにより再生可能エネルギーを創ること。
住宅への設置が可能な創エネには、『太陽光発電』のほかに『家庭用燃料電池』と『風力発電』がありますが、最も経済性メリットが大きいのが『太陽光発電』であることから、ZEHにおける創エネは『太陽光発電』がスタンダードとなっています。
太陽光発電とは?
ZEHを実現するための鍵となる『太陽光発電』は、近年ではよく耳にするワードですが、なんとなく知っていても具体的な設備に関する知識ついてはあまり知らないという方も多いでしょう。
クリーンなエネルギー活用を通して住宅居住者にメリットをもたらす太陽光発電について、詳しくみていきましょう。
太陽光発電とは?
太陽光発電とは、シリコン半導体などに太陽の光が当たると電気が発生するという現象を利用した発電方法です。
シリコン半導体などで作られた「太陽光パネル」を太陽の光にあて、集めた太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)によって直流の電気を発生させます。その後、パワーコンディショナーを経由して直流の電気を交流に変換し品質を安定させることで、電気回路への電源が可能となります。
太陽光発電では、内燃機関やタービンといった駆動部分を必要としないため、一般住宅での発電が容易であること、また、エネルギー源となる太陽光燃料にはコストがかからず、住宅の屋根や壁などに設置でき用地の占有が不要であることから、日本における導入は近年着実に進んでおり、ドイツとともに世界を牽引しています。
太陽光パネルの設置条件
太陽光発電によって得られる発電量は、太陽光パネルの設置状況によって大きく左右され、適した場所に適した方法で設置することが重要です。
【太陽光パネルの設置条件】
日射量 | 日射量とは、太陽の放射エネルギー量(W/㎡)です。日射量は地域によって異なりますが、一般的には西日本から東日本の太平洋側・内陸部が、日射量の多い地域となっています。 |
温度 | 太陽光発電では、太陽光パネルの表面温度が25℃前後が最も発電量が多いと言われています。そのため、真夏よりも春や秋の方が発電効率は高くなっています。 |
設置方位 | 太陽光パネルの方位は、通常は「真南」が最も効率的だとされますが、それに限らず「南東」や「南西」「東」や「西」への設置でも可能です。 |
設置角度 | 太陽光パネルの設置は、パネルが真正面から太陽光を受けられる角度が理想で、最適な角度は30度程度とされています。 |
パネル表面の汚れ | パネル表面に汚れが溜まると発電量に影響を与えてしまいます。定期的に汚れを取り除くことで、効率的な発電が行えます。 |
太陽光パネルの種類
太陽光パネルの種類は、「シリコン系」「化合物系」「有機物系」の3つに大きく分類されます。
この中で最も普及しているのが、シリコン系の材料を用いた太陽光パネルです。
近年では、各種材料をハイブリッド的に使用することで、軽量化や高効率化も実現しています。
【太陽光パネルの種類】
単結晶シリコン方式 | おもな材料に「単結晶シリコン」を使用した太陽光パネルで、非常に高い発電効率を持ち、信頼性に優れています。シリコンには、高温になり過ぎると発電効率が低下するという特徴があるものの、日本の気候なら年間を通じて十分な発電量が確保できます。 |
多結晶シリコン方式 | 単結晶パネルとして使用できない小さな結晶を集めた板を使用したのが多結晶シリコン方式です。単結晶パネルよりも発電効率は劣るものの、安価で生産しやすいことから広く普及しています。 |
アモルファスシリコン方式 | 非結晶であるアモルファスなどを用いて薄い膜を形成した太陽光パネルで、低照度でも高い変換効率があります。少量のシリコン原料で生産できるため安価ではありますが、結晶シリコンよりも発電効率は劣るものの高温による発電量低下は少ないというメリットがあります。 |
CIS(カルコパイライト)方式 | シリコンは使用せず、銅・インジウム・セレンを組み合わせて製作された化合物半導体を利用した太陽光パネルです。アモルファスシリコン系と同様で、高温による発電量低下は少ないというメリットがあります。 |
蓄電池とは?
太陽光発電で発電した電気を「蓄電池」に蓄電することで、夜間や雨天でも発電した電池を使えるようになります。ここでは、太陽光発電と一緒に活用したい「蓄電池」について詳しく見ていきましょう。。
蓄電池とは?
一般的に「電池」というと乾電池をイメージされる方も多いですが、乾電池を「一次電池」と呼ぶのに対し、蓄電池は「二次電池」や「バッテリー」と呼びます。
蓄電池は、充電することにより繰り返し利用することができる電池で、スマートフォンやノートパソコン
などをはじめとする家庭用電子機器でもよく使われています。
蓄電池の種類には、「鉛蓄電池」「ナトリウム硫黄電池」「ニッケル水素電池」などありますが、一般住宅向けに設計された家庭用蓄電池では、大容量のバッテリーを作ることができる「リチウムイオン電池」がよく使用されています。
どの家庭でも使用しやすいように、家庭用蓄電池は1m以内のコンパクトサイズとなっており、住宅用太陽光発電との連携に向けて開発されたものも増えています。
蓄電容量や仕様はメーカーによって多種多様なタイプが商品化されており、住宅用太陽光発電の出力量に合わせた設置が可能となっています。
太陽光発電と蓄電池の連携
太陽光発電と蓄電池を連携することで、日中太陽の光によって発電した電気を溜めておき、夜間など使いたいタイミングでの消費が可能になります。
蓄電池を付けない場合、太陽光発電で電気を発電しても貯めておくことはできないため、夜間や雨天など発電ができない時は電気を買う必要性が生じます。太陽光発電を行うなら蓄電池も合わせて設置するとよいでしょう。
最近では、太陽光発電システムとの連携を前提とした蓄電池も多数販売されています。
蓄電池のタイプ
蓄電池には、「全負荷タイプ」と「特定負荷タイプ」の2つのタイプがあります。
【蓄電池の種類】
全負荷タイプ | 住宅内の全てのコンセント・場所から蓄電池で貯めた電気を使用可能 |
特定負荷タイプ | 住宅内の特定のコンセント・場所からのみ、蓄電池からの電気の使用が可能 |
家庭で消費する電気をすべて蓄電池でカバーするなら「全負荷タイプ」の蓄電池システムを選びましょう。
太陽光発電のメリット
太陽光発電は、太陽光の光エネルギーから発電するためクリーンで環境にやさしいだけでなく、光熱費を削減できるといったメリットが多いものです。
しかし、メリットだけでなく当然ながらデメリットもあり、太陽光発電を導入前にしっかりとチェックしておきたいものです。
太陽光発電が環境に及ぼすメリット
太陽光発電は、発電の際に有害な排気ガスや二酸化炭素を排出しない、地球にやさしいクリーンな発電であることが最大のメリットです。
日本のエネルギー源の多くは海外からの輸入に頼った化石燃料で、発電量の73%において化石燃料を燃やして発電する「火力発電」によるものです。
太陽光発電によって、各家庭で消費する電気エネルギー消費量が減らすことができれば、電力会社の発電設備の稼働を低減させ、二酸化炭素の排出量や化石燃料の消費量を減らすことができます。
太陽光発電を設置することで得られるメリット
・光熱費の節減
太陽光発電による設置者のメリットは、なんといっても「光熱費の節減」が可能となることです。
発電した電気を自宅で使用する自家消費の電気代が不要となるだけでなく、余った電気を電力会社に売電することで収入を得ることも可能です。
・停電時でも電気が使えます
蓄電池があれば、停電時でも「自立運転機能」によって蓄電池の電池を使用することができます。
地震や台風時の備えとして、心強い存在となるでしょう。
・節電意識の向上
太陽光発電設備システムでは、発電量と消費量が見える化できることから、節電意識の向上につながります。
太陽光発電のデメリット
・初期費用が必要
太陽光発電システムの導入には、まとまった費用が必要となります。
しかし、国によってZEHが推進されており、行政の補助金をはじめとする各種サービスを活用することで初期費用を下げることも可能です。
・メンテナンスが必要
太陽光発電は、設置後の定期点検作業・部品交換などが必要です。
メンテナンスには、設置者自身で行えるものと、電気工事な有資格者・専門業者に依頼が必要なものとがあります。
・天気や気候に左右される
太陽光発電による発電量は、天気や気候によって左右されます。設置場所や角度によっても左右されるので、設置前によくシミュレーションするとよいでしょう。
あわせて読みたいまとめ
太陽光発電は、環境だけでなく光熱費削減にも繋がり、電気代を気にせず快適な生活を送ることができます。
ご自宅に設置する場合、実際にどれぐらいの発電が見込めるかなどについては、太陽光発電を取り扱う業者に相談するなどしてシミュレーションしましょう。
太陽光発電の検討にあたって、ZEH化についても合わせて検討されるのがおすすめです。
ファミリー工房では、太陽光発電を含めZEH住宅についてのご相談も承っており、トータルでのご相談が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
- 監修者
- 近岡 正平
Manager
【保有資格】
一級建築士
二級建築士
福祉用具専門相談員
監理技術者
既存住宅状況調査技術者
建築物石綿含有建材調査者
〒120-0001 東京都足立区大谷田 4-1-20 1F
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